市指定有形文化財:平成11年8月24日指定
北海道を代表する湖の一つである支笏湖の湖畔に、千歳川を渡る鉄橋(歩道橋)があります。この鉄橋は、北海道で現存する現役最古のもので、日本の橋梁史においても稀少かつ重要な資料として評価を受けています。英国製200ftピン構造ダブルワーレン橋で、明治政府より明治15年 (1882) に鉄道建築技師長として招聘されたイギリス人のポナール氏設計によるピン結合トラス橋です。
輸入された当初は、明治32 年(1899) から北海道官設鉄道上川線の砂川妹背牛間に架けられていましたが、設計荷重が小さく輸送量の大幅な増加に対応できなくなり、大正12 年(1923) 頃に架け替えられました。その後、橋は当時苫小牧から千歳川上流部に敷設されていた王子製紙の専用軽便鉄道(山線)の橋として支笏湖に移され、湖畔橋と呼ばれ親しまれていました。
昭和26 年(1951) 8月、急速に進んだ道路整備により軽便鉄道が廃止され、湖畔橋も鉄道橋の役目を終えました。その後、昭和42年に支笏湖のシンボルとして王子製紙より千歳市に寄贈され、道路橋・歩道橋として長年利用されてきました。
老朽化の著しい橋は、平成7年 (1995) から3年間ににわたって市建設部により解体修復工事が行われ、近代遺産として製造時の技術や姿を保つためリベットの復元など最大限の方策が講じられました。平成9 年(1997) 11月工事は完成し、支笏湖の新たなシンボル「山線鉄橋」として生まれ変わりました。
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