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市長アンカレジ訪問記(平成16年3月22日)

熱い歓迎を受けて…。アラスカ真冬の5日間!

~2004年2月「第11回北方都市会議」に参加して~

北方都市会議


  2月17日から24日までの間、姉妹都市であるアンカレジ市を訪問し、「第11回北方都市会議」に参加しました。
  会議は18から22日まで行われ、私は日程の関係から21日まで参加しましたが、11カ国26都市(内、メンバー市は16)の市長が参加し、北方圏のまちづくりや住宅、交通、くらし、雪などの問題をテーマに会議が行われました。

会議風景の写真会議の全体風景

 

分科会に参加して


  現在、アンカレジ市が進めている「冬の快適な生活を目指した地域開発プロジェクト」をテーマにした分科会におきまして、私は職住近接の泉沢向陽台の開発を事例に発表を行い、開発の手法、町のデザイン、地域住民とのコンセンサスなどについて意見を述べました。アンカレジ市では民間の開発者と市はコミュニティー作りの概念を共有する中で、時間をかけて地域とのコンセンサスを形成しており、開発手法などの具体的な展開は今後の取り組みになるという話でありました。
  また、「冬のスポーツイベントを通じての地域の活性化」をテーマにした分科会では、先進事例の紹介がパネリストからありましたが、多くのボランティアが参加して大会を開催したことは次の大会への貴重な経験となったこと、コミュニティーにプライドが生まれたこと、そして多くの人々との出会いと次代の若者に精神的な財産を残すことが出来たという事例が発表されました。

分科会のようす写真分科会のようす

地元テレビ局の取材写真地元テレビ局の取材を受けて

 

 

見本市で千歳市をPR


  見本市写真見本市でティッシュ配り

次に、千歳市が出展した「国際冬の見本市」についてですが、中心街から少し離れたサリバンアリーナという会場で開催されました。この見本市は産業系のパッコム見本市に併催する形で開催されたもので、主に建設業や輸送業、建設機械やリースなどアラスカ州をはじめ5ヶ国127の企業・団体が出展し、例年延べ2万人の来場者があるとのことです。
  日本からは、当市を含め9企業・団体の出展がありましたが、千歳市のPRブースでは、「姉妹都市交流状況」、「新千歳空港や工業団地」及び「千歳市内の観光地」を写真やポスターの掲示、パンフレットの配布を通じて、現地にいらっしゃる日本人ボランティアの方にもお手伝いいただき、広く紹介しました。
  私も千歳の法被を着てPRに努めましたが、アンカレジ市民をはじめ会場を訪れた多くの方々からも注目を頂き、当市の魅力を十分お伝えできたものと考えています。来場者には千歳市から持参したオリジナルのポケットテッシュや支笏湖の氷とう飴を配りましたが、アメリカでは、あまりポケットテッシュを持ち歩く習慣がないとのことで、大変珍しがられました。また、千歳市の写真要覧、観光・新千歳空港・工業団地・PWCの資料を配布したほか、市内企業のパンフレットや製品の陳列を行いました。

 

アンカレジ市長と会って


ベギッチ市長と総領事写真ベギッチ市長と総領事と

  滞在期間中には、アンカレジ市長への表敬訪問、フランク・アペル委員長ほか姉妹都市委員会の皆様との交流、さらには千歳小学校の姉妹校であるサンドレイク小学校へ訪問する機会もいただきました。
  アンカレジ市のマーク・ベギッチ市長とは初めてお会いしましたが、私と同じく昨年市長になったばかりの若くて大変エネルギッシュな市長でした。
  今回、姉妹都市提携がちょうど35周年を迎えたことを記念して、姉妹都市提携確認書を交わし改めて姉妹都市としての友好関係を確認いたしました。これまでの交流をもとに、今後、さらに両市の絆が深まればと思っております。

 ベギッチ市長写真ベギッチ市長と

 

歓迎を受けて


  今回一番感じたことの一つとして、アンカレジ市役所はもちろんですが、姉妹都市委員会などの市民の皆さんのホスピタリティが大変素晴らしかったことがあげられます。皆さんは、自分の仕事もしながら、ボランティアで私たちの案内や様々なケアを行っていただきましたが、それには、家族が全面的に応援や協力を惜しまないということで、市民活動の基盤を支えるのは、家族であることを改めて認識したところです。

市長室写真市長室で

 

サンドレイク小学校訪問


サンドレイク小の子供たち写真サンドレイク小の子供たち

  4日目の20日には、サンドレイク小学校を訪問しましたが、まず最初に驚いたのは、学校の雰囲気がとても自由で子どもたち個人の個性を最大限尊重する姿勢が溢れていたことです。授業中は落ち着いた雰囲気の中で、活発に手を挙げておりました。
  また、日本語教育が徹底していて、1年生から日本語を学び、その語学力にはびっくりいたしました。日本語を使って算数や理科の授業も行っておりましたが、ちょうど私達が訪問した金曜日には日本語以外は使えないとのことで、英語を使うとイエローカードが出されるそうです。授業参観後、私たちは、講堂に集まった先生や約400名の子供たちから大歓迎を受け、ステージでは、私たちのために歌や楽器演奏を披露してもらい、大変感激いたしました。アンカレジでは幼稚園から小学校までが7年間、中学校2年間、高校4年間と全て義務教育とのこと。その中で、サンドレイク小学校は幼稚園から6年生まで全部で26クラス640名の生徒がおり、日本語を勉強している「日本語イマージョンプログラム」を半数の生徒が受けているとのことです。
  今年の6月には、サンドレイク小学校の子どもたち約40名が千歳小との交流事業で、当市に来られ、各家庭でホームスティすることとなりますが、市民の皆様とともに温かくお迎えしたいと思っております。

 

講演を聴いて


  また、期間中、当地の著名な方の講演を聞く機会がありましたが、その中でアラスカ州立大学のマーク・ハミルトン学長の『アラスカでは、人材育成や研究は長いスパンで考え、大学教授や学生などの人材を自ら州内で育てることにしており、このことが最終的にはアラスカのためになる。』という言葉がとても印象的でした。

 

実際に行ってみて


フッド湖と水上飛行機写真フッド湖と水上飛行機

  入国の際は、靴まで脱がされボディーチェックを受けるなど大変厳しい警備の中でアンカレジ空港に到着しましたが、姉妹都市委員会のフランク・アペル委員長、会議実行委員会のディック・スタローン委員長をはじめ多くの方々の温かい出迎えを受けたことは大変嬉しく、そして初めてお会いするにもかかわらず旧友に会ったような親しみを感じ、好印象を受けました。
  出発する前は、アラスカということで相当寒いだろうと覚悟しておりましたが、幸い天候にも恵まれ、前半は日中で-3度前後、夜間は-10度前後で北海道の1月と同じような気温でしたが、後半は、日中の気温が0度前後とこの時期にしては暖かい日が続きました。街中には気温表示計がありましたが、摂氏と華氏の両方が表示されていました。ちなみに、華氏から摂氏に換算する場合は、摂氏=(華氏-32)×9分の5  で計算するそうです。

ホテルの窓から写真ホテルの窓から

 

町の中を歩いて


アンカレジの中心部写真  アンカレジの中心部

町の印象ですが、一部の会場を除いてほとんどが歩いていける距離にありましたので、私は出来るだけ歩いて町の様子を見ることにしました。
  道路は、融雪剤を使っているようで、雪はほとんどなく、中心部の歩道も大変歩きやすくなっていました。積雪量の違いや環境への影響に対する考え方など単純には比較できませんが、寒さや雪に対する考え方が違うこと、冬を積極的に楽しむといった暮らしの工夫が感じられました。また、車で移動中に、アラスカの代表的な動物である子供を連れた大きなムースに出会いました。水上飛行機の滑走路になっている湖(もちろん凍っていますが)には、多くの飛行機が駐機しており、こちらでは4人に1人が飛行機の免許を持っているとのことで、アラスカの広大な自然を感じた一時でもありました。

アラスカ民族文化センター写真アラスカ民族文化センター

アラスカ歴史芸術博物館写真アラスカ歴史芸術博物館

 

交流を深めて


  そのほか、期間中には各都市のレセプションが催され、参加された皆さまと懇親を深める良い機会となりましたが、ほとんどが立食形式で行われ、会議と同様に進行など極めて合理的なスタイルで行われておりました。長春市主催のレセプションにも出席し、祝業精長春市長ともお会いしましたが、次期開催地ということで市の発展する姿を盛んにPRしていたことが印象的でした。また、パフォーミングアートセンターという場所で「文化の夕べ」が開催されました。一番最初にサンドレイク小学校の子供たちが出てきて、日本語で「友」と書かれたTシャツを着て太鼓演奏を披露し、出席者の盛んな拍手を浴びておりました。

長春市のレセプション写真長春市のレセプション

 

全体を通じて

 

中心部の道路写真中心部の道路
  このように、アンカレジでの5日間は、北方都市会議の日程がびっしりと詰まっており、かなりハードなスケジュールとなりましたが、今回の訪問は、姉妹都市交流の面からも実り多い訪問となりました。
  姉妹都市の交流の形には、いろんな形があります。市と市の公式的なものや市長同士の交流などがありますが、大切なのは子供同士や家族ぐるみ、学校間、地域間などの交流が、本当の意味での国際交流だと思います。行政主導ではなく、全市あげての取り組みや市民との協働のもと、交流を進めていく“しかけ”が必要であることを強く感じてまいりました。
  このように市長になって初めての海外出張でしたが、我がまち千歳を世界にPRすることができたものと思っております。貴重な経験をさせていただきましたことに感謝申しあげまして、以上報告とさせていただきます。

まちの施設表示板写真まちの施設表示板

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