平成28年第1回定例市議会以降における諸般の行政をご報告申し上げます。
(1 はじめに)
このたびの平成28年熊本地震におきまして、甚大な被害を受けられ、お亡くなりになられました方々に心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された熊本県をはじめ九州各県の皆さまに心からお見舞いを申し上げます。
また、市内に所在する部隊から被災地に派遣された645名の 隊員をはじめ、救助・救援活動等に懸命に取り組まれている方々に敬意と感謝の意を表します。
今なお、多くの被災者が厳しい避難所生活を余儀なくされ、悲しみや不安の中で過ごされておりますが、被災地の一日も早い復興を祈念する次第であります。
市といたしましては、今回の地震を教訓に、市民の生命及び財産を守るため、今後も、防災に関わる情報の収集・把握に努めるとともに、市民の皆さまの理解や協力を得ながら、防災関係機関等と連携し、災害に強いまちづくり、ひとづくりに努めてまいります。
(2 市功労者のご逝去について)
このたび、千歳市功労者、藤本(ふじもと) 敬一(けいいち)様が3月9日にご逝去されました。
藤本 敬一様は、千歳市農業委員会委員や千歳市農業協同組合の組合長理事として、本市の農業振興や農業者組織の充実強化に尽力され、そのご功績は誠に大きなものがあり、心からご冥福をお祈り申し上げます。
(3 叙勲について)
本年春の叙勲におきまして、佐々木(ささき) 修(おさむ)様が消防功労により瑞宝単光章を受章されました。
ここにそのご功績と栄誉をたたえ、深く敬意を表するとともに心からお喜び申し上げます。
(4 新千歳空港の空港経営改革について)
4月21日、北海道から、道内空港の民間委託については、各空港の所在自治体の意向を踏まえ、道としての考え方をまとめるとの考えが示されました。
このことを受け、国が管理する新千歳、函館、稚内、釧路の4空港の所在自治体である、千歳市、苫小牧市、函館市、稚内市、釧路市の5市が「国管理4空港懇談会」を立ち上げ、昨日6月2日、北海道知事に対して、道内の航空ネットワークの検討に必要な情報の提供を要望したところであります。
また、5月18日、国・道・自治体の三者が一堂に会する場として、「第1回北海道における空港経営改革に関する協議会」が開催され、今後のスケジュールや進め方などについて、協議を行っております。
今後とも新千歳空港の民間委託に関して、地元経済界や関係者などと情報共有を図りながら検討を進めるとともに、航空ネットワークの維持・拡充について、「国管理4空港懇談会」や「北海道空港協会」において意見交換などを行いながら、「北海道における空港経営改革に関する協議会」などで本市の考え方を述べてまいります。
(5 在日米軍再編の訓練移転に関する要望について)
5月30日、31日の両日、今年度末に期限を迎える再編交付金の継続について、財務省、防衛省及び「自由民主党防衛施設問題に関する議員連盟」に対して要望活動を実施したところであります。
自民党の議員連盟は、このたび、訓練移転を受け入れた地元自治体に対し、必要な措置を講じることなどを明記した「沖縄の基地負担軽減、在日米軍再編等の推進に関する諸施策の強化について」の提言をまとめ防衛大臣に提出したところであります。
この提言は、これまでの私たちの要望が反映されたものであり、引き続き、訓練移転先6基地関係自治体で組織する再編協と連携しながら、国に対する要望を強化してまいります。
(6 平成28年熊本地震に係る被災地への支援について)
このたびの熊本地震発生以降、市といたしましては、全国市長会など関係機関を通じて情報収集を行っておりますが、「一日も早い復興」という願いを込めまして、熊本県に対し、見舞金として100万円をお贈りしており、今後も、引き続き情報収集を行うとともに、職員派遣の支援も含めまして、関係機関や被災地の要請に応じて対応してまいります。
(7 平成28年熊本地震及び南スーダン派遣隊員への支援について)
このたびの熊本地震に伴い、市内に所在する部隊から645名の隊員が被災地へ派遣され、給水、給食、入浴、物資輸送などの任務を行い、5月13日までに全ての部隊が無事、帰還したところであります。
この間、市といたしましては、派遣隊員の見送りに累計で140名の職員が参加するとともに、「大規模災害時等における派遣隊員の留守家族支援に関する協定」に基づき、留守家族のための相談窓口を開設するなど、自衛隊と連携しながら派遣隊員及び留守家族を支援してまいりました。
また、国際平和協力法に基づく南スーダン派遣施設隊の第10次隊として、第7師団から300名近くの隊員が派遣されることが決定したことから、5月14日に、千歳市自衛隊協力四団体連絡協議会が、市議会防衛議員連盟との共催による「南スーダン派遣隊壮行激励会」を開催し、457名の参加者が派遣隊員と家族を激励いたしました。
なお、南スーダン派遣施設隊は5月22日に先発隊が、6月1日に主力第1陣が出発しており、6月15日の主力第2陣の出発をもって、全隊員が現地に派遣されることとなりますが、半年間の派遣期間中、市といたしましては、留守家族のための相談窓口の開設など、自衛隊と連携しながら派遣隊員及び留守家族を支援してまいります。
(8 樽前山火山防災協議会の設置について)
樽前山噴火災害に際し適切に対処することを目的に、苫小牧市、千歳市、恵庭市、白老町、安平町、厚真町及びむかわ町で「樽前山火山防災会議協議会」を平成12年に設立し、これまで樽前山火山防災計画の策定や防災訓練を実施するなど、樽前山噴火災害の対策を講じてまいりましたが、昨年7月に活動火山対策特別措置法の一部が改正となり、火山関係者が一体となった警戒避難体制の整備について協議するために、火山ごとに「火山防災協議会」を設置することが義務づけられました。
これに伴い、本年3月29日に「樽前山火山防災会議協議会」は「樽前山火山防災協議会」に改組され、旧協議会については、関係市町の地域防災計画に記載された旧名称が修正されたのち、書面をもって解散することとなりました。
今後におきましては、旧協議会で策定した「樽前山火山防災計画」を素案として、「噴火シナリオ、火山ハザードマップ、噴火警戒レベル及び避難計画」の作成に向け協議を進めてまいります。
(9 千歳市学習支援事業「ちとせ学習チャレンジ塾」の開講について)
4月13日に、本年度の千歳市学習支援事業「ちとせ学習チャレンジ塾」を開講いたしました。
本事業は、生活困窮世帯の中学生を対象に、自主的に学べる場を提供し、高校進学や卒業などに向けた継続的な学習支援を通じて、子どもたちが将来へ希望を持てるよう支援することを目的として、昨年8月に開設しております。
本年度からは、対象を高校生まで拡大したところであり、中学生33名、高校生5名が参加し、一人ひとりに寄り添った個別指導に対し、熱心に学習に取り組む姿が見られています。
また、教員経験者等のスタディアドバイザー10名と、学生ボランティア19名に学習支援ボランティアとして参画いただいており、今後も学習支援事業の充実に向けて取り組んでまいります。
(10 千歳市不妊治療費助成事業について)
不妊に悩む夫婦を対象に経済的な負担の軽減を図るため、昨年4月から特定不妊治療費の助成を開始しております。平成27年度は77件の申請があり、このうち妊娠に繋がったケースが29件で、妊娠率は37.7%となっており、事業効果があったものと考えております。
また、本年4月からは、新たに人工授精などの一般不妊治療費についても助成を開始しており、5月末時点で2件の申請があったところであります。
市といたしましては、産婦人科の医療機関や千歳保健所などの 協力をいただきながら、今後も、子どもを望む夫婦が安心して治療に臨むことができる環境づくりに努めてまいります。
(11 子育て支援事業について)
本市が進めている“子育てするなら、千歳市”の政策につきましては、「子育てコンシェルジュ事業」をはじめとする30の主要施策を積極的に展開しております。
本年3月には、子育てブランディング戦略の一環として、“子育てするなら、千歳市”のロゴマーク及びポスター、リーフレットを作成し、さらなるPRに努めており、今後とも、子育て支援策の充実を図ることで、「子育て世代に選ばれるまち」を目指します。
また、本年4月には、私立幼稚園1か所が「幼保連携型認定こども園」に移行したほか、「小規模保育事業所」2か所が新設されたことで、新たに80人分の保育定員が拡大し、働きながら子育てしやすい環境の整備が図られたところであります。
さらに、本年4月から、子育て支援室に助産師の資格を有する 主幹職を配置し、妊娠や出産に不安を抱える妊婦や、出産直後に身近な協力者がいない母親をサポートする「産前・産後ケア事業」を実施し、今後につきましては、妊娠期から産前産後、そして、子育て期までの継続的な支援を行う「ちとせ版ネウボラ」の構築に向けた取組を進めてまいります。
(12 ちとせプレミアム付商品券発行事業について)
ちとせプレミアム付商品券発行事業につきましては、地元の消費を喚起し、地域経済の活性化を図ることを目的に、千歳商工会議所が事業主体となり、昨年7月に一次販売、9月に追加販売を行い、14万2,000冊の商品券が完売となり、また、697店舗の利用登録を受け、12月31日まで商品券の使用が行われたところであります。
さらに、本商品券の発行に合わせ、中小店舗での利用促進を目的に実施した「アフタープレミアム事業」につきましては、31,362件の応募があり、金額ベースでは使用された商品券の21.5パーセントが中小店舗で利用されており、一定の事業効果があったものと考えております。
(13 地域活性化の推進のための連携と協力に関する協定について)
4月27日、株式会社もりもとと「地域活性化の推進のための 連携と協力に関する協定」を締結しました。
この協定は、市と民間企業が連携・協力して、活力ある地域づくりの取組を実施し、まちの発展と地域の活性化を推進することを目的としており、この協定締結により、千歳の特産を含む地域の 素材を活用した商品の開発や供給、千歳の魅力発信、食を通じた地域の子育て支援や生涯学習などを積極的に進めてまいります。
(14 企業誘致について)
企業誘致につきましては、市内に本社があります札幌空輸株式会社が、千歳市と事業用定期借地権設定契約を締結し、流通業務団地に立地いたしました。
同社は、生鮮品の物流業務等を行っている事業者で、市内豊里にある本社社屋及び倉庫を流通業務団地に移転・新築するものであり、操業時期は本年10月を予定していると伺っております。
次に、小樽市に本社があります株式会社JS(ジェイエス)が、千歳市と事業用定期借地権設定契約を締結し、美々ワールドに進出いたしました。
同社は、主にレンタカー事業を行うものであり、操業時期は本年6月を予定していると伺っております。
次に、札幌市に本社がありますワールドネットレンタカー株式会社が、千歳市と土地売買契約を締結し、美々ワールド内の事業用地を取得いたしました。
同社は、主にレンタカー事業を行っている事業者であり、狭隘となった事業用地を拡大するものであります。
次に、札幌市に本社があります株式会社トヨタレンタリース新札幌が、千歳市と土地売買契約を締結し、美々ワールド内の事業用地を取得いたしました。
同社は、主にレンタカー事業を行っている事業者であり、事業の拡大に伴い、営業所を拡張するものであります。
このたびの進出等により、本年度の立地件数は4件となり、本市の産業振興に波及効果をもたらすとともに、今後の企業誘致に弾みがつくものと期待しております。
(15 友好親善都市との交流について)
5月31日と6月1日の2日間、長春市伊通河(いつうかわ)管理委員会の王(おう)成田(せいでん)副主任ほか5名が来訪され、両市の河川管理に関する意見交換を行うとともに、「日中交流千歳市民会議」の方々との親睦を深めたところであります。
今後とも、都市間交流の機会を通じ、市民力を活かした友好の輪がますます広がることを期待しております。
(16 観光入込客数の状況について)
平成27年度の千歳市全体の観光入込客数は約510万人となり、対前年度比9.0パーセントの増加となりました。
要因といたしましては、道の駅サーモンパーク千歳とサケのふるさと千歳水族館のリニューアルオープンの影響などによるものと考えております。
今後とも、観光動向を把握し、千歳観光連盟や千歳商工会議所、支笏湖旅館組合などの関係機関、団体と連携を図りながら、観光客の誘客に向けた取組を進めてまいります。
(17 北海道ゴルフツーリズムコンベンション2016の開催について)
5月30日から6月3日までの日程で、海外からのゴルフ観光を誘客し地域活性化を推進するため、一般社団法人北海道ゴルフ観光協会や北海道運輸局をはじめ、札幌市など近隣市町村と連携し、アジア諸国の旅行会社やメディア関係者を対象として、北海道では初めての取組となる「北海道ゴルフツーリズムコンベンション2016」を、本市を主会場に開催いたしました。
来道された関係者の視察対応や歓迎レセプション、商談会を通じ、空港所在地である本市の優位性と、豊かな自然環境や豊富な観光 資源を関係者にPRしたところであり、今後とも、さまざまな地域資源を活用したスポーツツーリズムの推進に積極的に取り組んでまいります。
(18 ヒメマス釣りの解禁について)
支笏湖のヒメマス釣りにつきましては、本年も6月1日に解禁となりました。
本年の動力船使用許可申請数は、昨年より2.0パーセント少ない495件で、3か月間の解禁期間中は、釣り人の事故防止をはじめ、資源保護や環境保全等について、支笏湖ヒメマス釣魚対策協議会など関係機関と連携を図りながら万全を期すとともに、昨年を上回る釣獲数を期待しております。
(19 消防団の相互応援協定について)
4月26日、石狩振興局管内の各消防団を管理する理事者と「公益財団法人北海道消防協会札幌地方支部内消防団相互応援協定」を締結しました。
この協定は、札幌市を含む石狩振興局管内の17消防団が相互に協力して即時対応できる体制を整えることを目的としており、この協定締結により、当管内で常備消防のみでは対応できない地震や 豪雨などの大規模災害が発生した場合、必要に応じて消防団の相互応援による災害対応を進めてまいります。
(20 市民病院の泌尿器科医療体制について)
全国的な医師不足が続く中、市民病院では、大学医局への医師派遣要請や勤務環境の改善など、医師確保に取り組んでまいりましたが、今般、大学医局のご理解をいただき、本年5月から泌尿器科の常勤医師が1名増員となりました。
これにより、泌尿器科の常勤医師は2名体制となり、手術や外来診療の充実が図られるとともに、待ち時間の短縮や人工透析診療の拡充に繋がるものと考えております。
今後も、地域の基幹病院として医師をはじめとする医療スタッフの確保など、「市民病院における医療体制の充実」に努めてまいります。
(21 各会計の決算状況について)
平成27年度の決算状況につきましては、一般会計における予算の執行率は歳入で98.3パーセント、歳出で96.3パーセントとなる見込みであります。
このうち、平成28年度への繰越明許費を除くと、歳入では98.7パーセント、歳出では96.7パーセントとなり、経費の節減などにより、収支不足の補てん等として予算で見込んでおりました財政調整基金からの繰入れをせず決算を行い、実質収支は約7億5千万円となり、公営住宅建替事業に係る国庫支出金の年度間調整として、平成28年度分を平成27年度に先受けした約3億円を除くと4億5千万円程度の黒字となる見込みであります。
この歳計剰余金につきましては、当初予算に計上した前年度繰越金等を除き、財政調整基金に積み立て、引き続き安定的な財政基盤の確立に努めてまいります。
特別会計につきましては、6特別会計いずれも実質収支で黒字の決算見込みとなり、予算の執行率は歳入で98.7パーセント、歳出で96.8パーセントとなる見込みであります。
水道事業会計につきましては、全体の有収水量が前年度を1.7パーセント上回り、給水収益につきましても約14億7,430万円と対前年度比1.8パーセントの増となっております。
総収益は、対前年度比2.8パーセント増加し、約18億3,750万円となったものの、総費用では、石狩東部広域水道企業団の拡張事業からの受水開始に伴う受水費が約5億8,490万円増加したことなどにより、対前年度比26.5パーセント増の約21億2,490万円となり、単年度収支につきましては、約2億8,740万円の純損失を見込んでおります。
下水道事業会計につきましては、全体の有収水量が前年度を1.1パーセント上回り、下水道使用料につきましても約15億9,800万円と対前年度比1.2パーセントの増となっております。
総収益は、対前年度比0.1パーセント増の約35億9,770万円、総費用は、対前年度比0.7パーセント増の約31億6,920万円となり、単年度収支につきましては、約4億2,850万円の純利益を見込んでおります。
病院事業会計につきましては、入院患者数が約1,100人、外来患者数が約6,500人とそれぞれ減少したことにより、総収益は対前年度比0.3%減の約58億400万円となっております。
総費用は、給与費や減価償却費が増加したものの、前年度計上した会計制度改正に伴う特別損失が減少したことにより、対前年度比14.9%減の約58億4,600万円となっており、単年度収支では約4,200万円の純損失を見込んでおります。
以上申し上げまして、行政報告といたします。