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平成29年度市長市政執行方針

(はじめに)

  平成29年第1回定例市議会の開会に当たりまして、市政執行に対する私の所信を申し上げます。
 
  本年は、私にとりまして、今任期の折り返しを迎えることとなります。私は、これまで、「市民一人ひとりが真に人生に夢を持ち、その夢は、必ず実現できる社会の構築」を政治目標として、市民協働によるまちづくりを進めてまいりました。

  その実現のため、生まれ育ったふるさと千歳の発展と、かけがえのない子ども達の未来のために、そして、先人が時を重ねて守り続けてきた貴重な財産を継承することを公約として、市民の皆さまにお約束したところであり、今後も、公約達成が私に課せられた最大の使命と深く自覚し、「みんなで『夢、実現』」に向かって、誠心誠意、渾身の努力をしてまいる覚悟であります。

(市政運営の基本姿勢)

  ここで、今後の市政に臨む基本姿勢について申し上げます。

  第一は、『市民協働により、住み良い、発展がつづく都市づくり』であります。

  本市には、大正15年に当時の千歳村民が総出で無償の汗を流し、原野に一本の着陸場を作ったことを原点として、事に当たっては、一致団結するという開拓精神がまちづくりの根底に脈々と流れております。

  このことは、平成26年9月に支笏湖地区で大雨により発生した土砂崩れなどの災害において、市内青年経済人の方々が中心となり、被災地支笏湖の1日も早い復旧を願い、まちを挙げての応援が行われたことや、昨年から進めております「千歳川桜プロジェクト」において、中心市街地を流れる千歳川沿いに桜の木を植樹し、市民憩いの広場にしようと、多くの市民から賛同の寄附をいただくなど、様々な場面で強く郷土愛を感じるところであります。

  潤いのあるまちづくりを進めるには、市民の皆さまに、まちに対する愛着や隣人愛を持っていただくことが大切でありますことから、まちづくりの目標を『市民協働により、住み良い、発展がつづく都市づくり』と掲げ、市民一人ひとりが、まちを愛し、発展を支え、住み良さを共有できるまちづくりを推進してまいります。

  第二は、『みんなで生き生き  活力創造都市  ちとせ』であります。

  市民や市民団体、事業者など、このまちに暮らす皆さまが、それぞれの役割を果たし、連携してまちづくりを進めることが、まちの活力になるものと考えます。

  また、市民の一人ひとりが夢や希望を持ちながら、生き生きと生活するとともに、市民団体や事業者などが盛んに活動を行うことにより、そこから新たな活力が生まれるものと考えます。

  このように、活力が生まれ、循環するまちづくりを目指し、将来都市像を『みんなで生き生き  活力創造都市  ちとせ』と掲げ、その実現に邁進してまいります。

(当面する課題への対応)

  次に、当面する課題について申し上げます。

  1点目は、「定住促進」であります。
  人口増加を続けているまちの勢いをさらに飛躍させ、まちの活力が将来にわたり維持・継続し、安定した市民生活が送れるよう、昨年3月に「千歳市人口ビジョン・総合戦略“みんなで97,000プロジェクト”」を策定しました。

  現在、このプロジェクトに基づき、本市が持つ資源や優位性を生かしながら、企業誘致による雇用の創出をはじめ、子育て・教育環境の充実、観光産業や商業・サービス業の振興など、様々な定住促進につながる施策に取り組んでいるところであります。

  この結果、本市の人口は、順調に増加しており、今後も定住人口の増加と交流人口の拡大につながる施策を戦略的に総動員し、平成32年度の目標人口である9万7千人の達成に取り組んでまいります。

  2点目は、「地域経済の活性化」であります。

  我が国の経済は、雇用や所得環境の改善に伴う個人消費への前向きな循環が働いていることなどから、緩やかな回復基調が見受けられるものの、依然として予断を許さない状況にあるものと考えております。

  このような状況におきまして、本市は、新千歳空港におけるインバウンドが増加し、これを背景とする市内ホテルの増床などが進んでいることから、インバウンドの市内への回遊や滞在効果を高める取組を行うとともに、市内企業の雇用環境の改善に向けた人材確保や就職支援の取組を進めてまいります。

  さらに、企業誘致を引き続き積極的に進め、雇用の創出や、それに伴う定住人口の増加を図るとともに、本市の優れた観光資源やスポーツ施設等を生かし、観光やスポーツによる交流人口の拡大を目指し、地域経済の活性化につなげてまいります。

  3点目は、「新千歳空港の国際拠点空港化と民間委託への対応」であります。  

  新千歳空港については、平成28年の年間乗降客数が、過去最高の2,131万人を記録し、特に、国際線は、韓国、台湾、中国等の路線の好調により、前年比22%増の258万人を超え、さらに今年の夏ダイヤから、一時間当たりの発着枠が拡大することから、今後も増加が見込まれております。

  24時間運用については、昨年8月から住宅防音対策などが実施されておりますが、発着枠の拡大後、最大14枠の活用があり、深夜便で到着し、宿泊される方の半数以上が市内宿泊施設を利用しているなど、市内経済の活性化に寄与しており、今後も地域住民の生活環境を保全するとともに、北海道や関係団体と連携しながら新規路線誘致を進め、新千歳空港の国際拠点空港化に取り組んでまいります。

  民間委託については、昨年、北海道は、取りまとめた地元意見を国に提出しており、平成29年度以降、国は、運営委託のプロセスを進めることになりますが、新千歳空港の地元をPRする機会として、本年5月、本市において、企業や市民等を対象としたシンポジウムや、空港や観光施設のエクスカーションなどを開催する予定であります。

  道内空港の民間委託が目指す柱の一つは、インバウンドを中心とした交流人口の拡大による観光振興や経済の活性化であり、新千歳空港の役割は、今後、ますます高まることとなります。

  今後、国から示される方針や新たな空港運営者の選定は、本市のまちづくりにとって将来にわたり影響することとなり、大変重要なことから、市としては、今後も国や北海道、市内経済界などと協議を継続しながら、新千歳空港の民間委託の取組を積極的に進めてまいります。

  4点目は、「自衛隊の体制強化」であります。

  防衛省・自衛隊は、現在の「防衛計画の大綱」、「中期防衛力整備計画」の具現化に向け、部隊の改編や新編などを本格的に推進しておりますが、本市には、これらの計画において削減対象とされた戦車・火砲を有する部隊が多数所在しておりますことから、強い危機感を抱いているところであります。

  また、平成29年度は、「平成31年度以降に係る中期防衛力整備計画」の検討時期を迎えているほか、米国政府の動向によっては、防衛計画の大綱の改訂の可能性がある重要な転換点となり、本市にも大きな影響を及ぼすものであります。

  このことから、「北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会」及び「千歳市における自衛隊の体制強化を求める期成会」と連携を図り、引き続き、自衛隊の体制維持・強化を求める活動等を積極的に展開し、自衛隊と共存共栄するまちづくりを進めてまいります。
  
  5点目は、「持続可能な行財政運営」であります。

  急速な人口減少や少子高齢化などによる社会経済状況の変化や、多様化・複雑化する行政需要に的確に対応するためには、効率的で質の高い行財政運営が必要となります。

  このことから、市としては、「千歳市行政改革基本方針」や「千歳市財政標準化計画」をはじめ、公共施設等を将来にわたり持続的に提供していくため、公共施設等の管理に関する基本的な方向性を示す新たな「千歳市公共施設等総合管理計画」などに基づき、強固で持続可能な行財政運営を進めてまいります。

(主な施策)
  次に、「第6期総合計画」の目指す都市像を実現するための、6つの「まちづくりの基本目標」に沿って、主な施策を申し上げます。

  第1は、『あったかみのある地域福祉のまち』の推進であります。

  地域福祉については、市民主体の地域福祉活動やボランティア活動の促進を図り、「お互いに支え合い、安心して暮らし続けられる、あったかみのあるまち」の実現を目指します。

  保健予防対策については、ライフステージに応じた生活習慣の改善や、生活習慣病の早期発見・重症化予防に向けた取組などにより、健康寿命を延ばし、健康な市民の増加を目指します。

  また、こころの病気や自殺対策についての普及啓発に努めるとともに、その要因ともなるこころの不調への気づきや適切な対応を促すことにより、こころの健康づくりと自殺防止の取組を進めます。

  母子保健対策については、特定不妊治療費や一般不妊治療費に加え、新たに男性不妊治療費についても助成対象とし、不妊に悩む夫婦を支援するとともに、「ちとせ版ネウボラ」の体制充実に努めるなど、安心して子どもを産み育てられる環境づくりを進めます。

  産前産後支援については、出産施設の退院直後から利用できる「産後ママ相談事業」の充実を図るほか、育児ノイローゼや産後うつなどを予防するため、専任の助産師が自宅を訪問する「産後訪問ケア事業」を新たに開始し、体調回復や育児に不安等を抱える母親とその子に対する産後ケアの充実を図ります。

  医療については、市立千歳市民病院において、救急医療、小児・周産期医療、高度医療の充実を図るとともに、地域連携ネットワークシステムを活用し、医療機関や介護施設等との連携強化に努めるなど、「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取組を推進します。

  救急医療体制については、内科系の初期救急医療機関である「休日夜間急病センター」の本年9月の開設に向け、常勤医師や看護師を中心に各種マニュアルの整備や研修等を行うとともに、5月の建築工事竣工後には、医療機器等を搬入するなど、諸準備を進めます。

  高齢者福祉については、新たな介護予防・日常生活支援総合事業の実施や小規模多機能型居宅介護・認知症対応型通所介護の事業所の開設など、介護保険サービスなどの充実とともに、介護予防サロン事業の地域展開やノルディックウォーキングの普及など、介護予防事業の充実を図るほか、「千歳市高齢者保健福祉計画・第7期千歳市介護保険事業計画」を策定し、高齢者が生きがいを持って暮らせる地域づくりを進めます。

  障がい者福祉については、「千歳市障がい者計画・第5期千歳市障がい福祉計画」を策定し、障がい福祉サービスや地域生活支援事業の提供と就労支援や相談支援などの充実を図るとともに、障がい者地域自立支援協議会と連携し、障がいのある方の日常生活の支援を行うほか、市民の手話に対する理解を深め、手話をしやすい環境の整備を図ることにより、相互に人格と個性を尊重できる地域社会の実現を目指し、「手話言語条例」の制定に向けた取組を進めます。

  子育て支援については、安心して子どもを産み育てられる「子育てするなら、千歳市」の充実に向け、こども関連施策をさらに推進するため、「こども福祉部」を新たに設置します。

  また、市内商業者等が協賛店となり、子育て家庭に割引等の特典を提供する「子育て特典カード」について、未交付世帯へ配布を進めるほか、「子育てガイド&おでかけMAP」を更新し、情報提供に努め、地域ぐるみで子育て家庭を支援します。
  乳幼児の教育・保育施設については、本年4月に幼稚園1か所、保育園2か所が幼保連携型認定こども園に移行し、認定こども園1か所の増築と保育園1か所の新設により保育定員を110人拡大します。

  子育て支援センターにおいては、子育てコンシェルジュ相談事業や親子向け講座の開催等とともに、交流事業により妊婦の孤立や不安感の解消など、地域全体で子育て世代を支援する取組を進めます。

  また、学童クラブについては、北陽地区において、新たな学童クラブ専用施設を開設し、定員を拡大するとともに、緑小学校区においても平成30年度の開設に向けた施設整備を進めます。

  家庭の事情で食事が十分にとれない子どもや、一人で食事をとる「孤食」の子どもなどに無料や少額で食事を提供し、居場所づくりを行う「こども食堂」の普及を図るため、「(仮称)こども食堂フォーラム」を開催し、市民活動のきっかけづくりに取り組みます。

  児童福祉法の改正により、本年4月から、児童相談所の相談業務の一部を市町村が担うため、千歳市要保護児童地域ネットワーク協議会に児童福祉司の資格を持つ専門職「こども支援コーディネーター」を新たに配置し、児童相談の体制強化を図ります。

  療育支援については、発達に不安のある子どもの発達支援のほか、障がいやその心配のある子どもの療育支援などを充実するとともに、認定こども園等を対象に発達障害の専門職が巡回支援する「こども相談みにくる」を学童クラブに拡大して実施します。

  生活困窮世帯の支援については、中高生の学習を支援する「ちとせ学習チャレンジ塾」や、ひきこもりなど、人との関わりに課題がある方の就職を支援する「就労準備支援事業」のほか、暖房費の一部を助成する「あったか灯油事業」などの取組を進めます。

  国民健康保険事業については、医療費の適正化や保険料収入の確保など、健全な運営に努めるとともに、制度改革による平成30年度からの都道府県単位化に向け、円滑に移行する準備を進めます。

  男女共同参画の推進については、新たな「第3次ちとせ男女共同参画推進プラン」に基づき、女性も男性も家庭、職場、地域などのあらゆる分野で活躍できる社会の実現を目指すため、男女共同参画に関する理解を深められるよう普及啓発を図ります。

  町内会活動の支援については、千歳市町内会連合会と連携して町内会加入促進を図りながら、地域の自主防災や高齢者の見守り活動などを支え、安全で住み良いまちづくりの推進に取り組みます。

  大和地区におけるコミュニティセンターの整備に向けては、防災や子育ての機能などを兼ね備えた複合型施設の必要性も含め、地域と意見交換を行いながら、検討を進めます。

  第2は、『人と地球にやさしい環境のまち』の推進であります。

  環境保全対策については、新エネルギーの導入促進や、節電などによるエネルギー消費削減と温室効果ガスの排出削減を進めるとともに、自然をはじめ、大気汚染、水質、騒音の監視などを行い、環境の保全と公害の発生防止を図ります。

  ごみ処理広域化については、道央廃棄物処理組合の一員として、2市4町で連携し、地域住民への説明をはじめ、建設・運営コストの低減や環境負荷の抑制につながる焼却施設の建設に取り組みます。

  下水道事業については、公共用水域の水質保全をさらに進めるほか、局地的な降雨による浸水を防ぐため、合流改善を実施するとともに、浄化センターの震災対策事業や施設更新事業を継続します。

  また、これまで取り組んできた経営効率化と近年の有収水量増加による経営状況を踏まえ、下水道使用料の引き下げを行い、その実施時期を今後予定している水道料金の増額改定に合わせることにより、市民負担の軽減に努めます。

  第3は、『安全で安心して暮らせるまち』の推進であります。

  防災については、市民等が行う防災訓練を支援し、防災・減災意識の醸成や、自主防災組織の結成・育成支援に取り組むとともに、大規模災害等が発生した場合に備え、防災備蓄品の計画的な整備のほか、防災行政無線のデジタル化を進めます。

  消防については、消防総合庁舎の改修をはじめ、消防隊員の防火服、支笏湖温泉地区の支援車や救急資機材の更新など、消防力の整備を行うとともに、防火安全対策を図り、火災発生件数の抑制と被害の軽減に取り組みます。

  住宅施策については、老朽化した市営住宅更新のため、新築に代わる借上市営住宅の平成30年度からの開始に向け、事業者の募集や選定を行い、良好な住環境の整備を進めます。

  住宅環境の整備については、「プレミアムリフォーム券発行事業」の実施により、既存住宅ストックの質向上を図るとともに、木造戸建て住宅の耐震診断と耐震改修費用を助成し、住宅耐震化を促進します。

  千歳川流域の治水対策については、国と連携を図りながら、遊水地などの整備促進に努めます。

  在日米軍再編に係る訓練移転については、昨年12月に千歳基地において8回目となる訓練が円滑に行われました。今後も、市民への情報提供や国に協定の順守を求めるなど、市民生活の安全と安心の確保を図ります。

  航空機騒音に対する住宅防音工事の促進については、待機件数の早期解消に向けて関連予算の確保が不可欠なことから、国に強く要望を行います。  

  C経路については、4線大通の補修を進めるなど、今後も周辺地域の良好な住環境の保全を図ります。

  水道事業については、安全でおいしい水の安定供給に努めるとともに、石狩東部広域水道企業団拡張事業からの受水に伴う費用や施設の更新費用の増加への対応として、料金改定により収支の改善を図るため、中長期的な「経営計画」の策定や効率的な経営に努め、将来に向けた経営の健全性と事業の持続性の確保を図ります。

  第4は、『学びの意欲と豊かな心を育む教育文化のまち』の推進であります。

  教育委員会との連携を深めるため、その協議・調整の場である「千歳市総合教育会議」において、今後も本市の教育行政の現状や課題などについて、議論や意見交換を行い、共通の理解と課題認識のもと、教育行政に取り組みます。

  生涯学習については、本市の豊かな自然環境や生活環境、地域の教育資源などを生かした様々な学習機会の充実に努めるとともに、「生涯学習情報メールマガジン」などを活用し、各団体等の活動状況や各種催物について情報発信に努めます。

  学校環境の整備については、学校施設の安全性向上のため、屋内運動場を対象とした非構造部材の耐震化や放送設備の更新、校舎の改修などを計画的に推進します。

  学力向上については、「学習支援員」の増員やハイパーQU検査、電子黒板、デジタル教科書などの有効活用を進めるほか、電子黒板等を小中学校の少人数指導教室や音楽室等の特別教室に整備し、「ICT教育」の充実を図ります。

  また、「学校指導室」に配置している「学校教育主事」を増員し、学校指導訪問や学力向上検討委員会の運営など、学校と連携した取組の充実を図ります。

  特別支援教育については、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な支援を行うため、福祉・保健等の関係機関と連携するとともに、学校看護師による医療的ケアが必要な子どもの支援を行います。

  いじめ・不登校問題については、いじめの未然防止・早期発見・早期対応に努めるとともに、不登校対策として、スクールソーシャルワーカーを活用し、家庭や関係機関と連携しながら学校復帰に向けた取組を進めます。

  学校給食センターについては、新センターの整備に向け、平成28年度に実施した基本調査に基づき、教員や保護者等で構成する「千歳市学校給食センター整備検討委員会」などの議論を踏まえ、整備に関する基本構想を策定します。

  就学支援の充実については、奨学金の交付人数を拡大し、学習する意欲と能力があるにもかかわらず、経済的な理由によって修学が困難な学生・生徒が等しく教育を受ける機会の確保を図ります。

  文化財については、市民活動団体と協働しながら、国指定史跡キウス周堤墓群の世界文化遺産登録に向けた取組を進めるとともに、企画展や講演会の実施など、埋蔵文化財の普及啓発に努めます。

  スポーツの振興については、スポーツ施設を安心して利用できるよう、青葉公園サッカー場、青葉公園テニスコート、青葉陸上競技場、温水プール、総合武道館などの整備や改修を行います。

  国際交流の推進については、情報提供の充実をはじめ、青年期における国際意識の醸成とともに、市民と外国人との交流の機会を創出し、国際感覚豊かな人材の育成を進めます。

  アンカレジ市や指宿市などの姉妹都市等との交流については、さらに友好交流を推進するとともに、アンカレジ市サンドレイク小学校との相互訪問交流事業について、姉妹校である千歳小学校の単独事業から市内の全小学校を対象とする事業に拡充を図ります。

  第5は、『活力ある産業拠点のまち』の推進であります。

  農業の振興については、農地の利用調整や集積を図るとともに、経営の改善・近代化に取り組む農業者や新規就農者への支援を行い、農業経営の安定や生産力の向上、担い手の育成・確保等に努めます。

  また、化学肥料・農薬の使用低減や有機農業に取り組む農業者を支援し、環境と調和した農業を推進するほか、農業まつりなどの各種イベントや農産物直売所などを通じた地産地消、農業振興地域整備計画の見直しなどの取組を進めます。

  グリーン・ツーリズムの推進については、千歳市グリーン・ツーリズム連絡協議会などと連携を図りながら、都市住民が農村地域の景観や食と農の魅力を実感できる体験型観光の拡充をはじめ、本市の魅力を広く情報発信するなど、道内外からの誘客強化に努めます。

  優良農地の確保については、土地改良事業の推進や農業用施設の適正な管理・機能保持に努めるとともに、農業・農村が有する多面的機能の維持・向上を図るための地域協働の取組を支援します。

  支笏湖産ヒメマスについては、ふ化場関連施設の整備とともに、関係機関や団体などと連携し、ふ化放流事業を円滑に進めるほか、ブランド化に向け、商標登録への取組などを進めます。

  工業の振興については、企業立地を推進するため、新たな企業に対する訪問活動をはじめ、ホームページや産業展示会などを活用した情報発信、関係機関等との連携強化など、積極的な誘致活動を展開するとともに、市内に事務所などを借りて製品の開発・製造を行う創業者等への支援を継続します。

  立地企業に対しては、きめ細かなフォローアップに取り組むとともに、立地企業の事業内容や製造品などを紹介する「千歳産企業ガイド」を通じた企業間のビジネスマッチングやネットワークの強化、産学官連携を含む企業間交流を促進し、地域内経済の振興を図ります。

  高度技術産業の集積については、千歳科学技術大学の学術研究機能や人材の活用を図り、産学官連携の研究開発活動や最先端研究設備等の利用の促進、研究開発支援機関等の事業を活用した新製品・新技術開発の支援などの取組を進めます。

  また、昨年、千歳科学技術大学から要望があった「公立大学法人化の検討」については、新たに検討部署を設置するとともに、有識者会議や庁内会議を通じて、大学の教育研究や地域貢献、財務など様々な観点から検討を進め、市の考え方を示します。
  商業の振興については、個店の魅力アップや商業者の連携づくりなどへの支援をはじめ、商店街に新たに事業参入する方やインバウンドを呼び込むための空き店舗利用促進事業の拡充などを行い、商業の活性化や中心商店街の賑わいづくりを進めます。

  また、中小企業に対する経営支援については、千歳商工会議所や金融機関など関係機関と連携し、事業の安定化や拡大を図るとともに、創業者や創業予定者を対象にしたワンストップ相談窓口の新設、経営・財務などの知識が習得できるセミナーの開催、気軽に情報交換ができる機会の創出など、取組を強化します。

  観光振興については、増加する外国人を含めた観光客を誘客するため、国内外へのプロモーション活動をはじめ、観光ガイドの多言語化やホームページの充実などにより、魅力を広く発信していくほか、多言語対応とした観光PR映像の制作に取り組みます。

  また、外国人観光客の利便性を高めるため、千歳駅周辺を含めた中心市街地エリアにおける無料公共Wi-Fi(ワイファイ)環境の整備や観光案内看板の設置に取り組みます。

  「道の駅サーモンパーク千歳」については、リニューアルオープンから約1年でセンターハウス利用者が100万人を超え、今後も、センターハウスの指定管理者や「サケのふるさと千歳水族館」などと連携を図り、賑わい創出に取り組みます。

  スポーツ合宿・大会の誘致については、陸上競技を中心に積極的な誘致活動を進めるとともに、「千歳市スポーツ合宿・大会誘致等推進協議会」と連携し、まち全体の「スポーツやおもてなしに関する意識」の醸成を図ります。

  また、海外からのゴルフ観光の誘客や、道内外から参加を募るランニングイベントの開催など、関係機関・団体等と連携協力し、スポーツツーリズムの推進に向けた取組を進めます。

  雇用については、景気の回復傾向や企業の採用意欲が高まっていることなどから、求職者への就職相談や結婚等により離職した女性向けの再就職セミナー、さらには、人材確保を支援する企業向けセミナーを開催するとともに、求職者と企業のマッチングを図る合同企業説明会や見学会等を実施し、変化する雇用環境に対応します。

  第6は、『都市機能が充実したまち』の推進であります。

  新千歳空港については、航空機の離着陸回数が増え、滑走路や誘導路等での混雑が進み、国は、滑走路等の老朽化対策や耐震化とともに、国際線エプロンやCIQ施設の拡張、南側誘導路の新設などの「国際線ターミナル地域再編事業」により、空港の処理能力の向上を図ることとしており、市としては、航空機の安定運行や定時性の確保が図られるよう、空港機能の強化に取り組みます。

  道央圏連絡道路については、泉郷道路の平成31年度の供用開始に向け、国に整備促進を要望し、「新千歳空港インターチェンジ」に接続する道道泉沢新千歳空港線の4車線化と延伸については、関係団体や北海道と連携を図り事業化の促進に努めます。

  道路整備については、計画的な幹線道路や生活道路の整備をはじめ、仲の橋通の歩道バリアフリー化工事を進めるとともに、橋梁については、継続して日の出橋や平和橋の修繕工事を進めるほか、新たに公園橋の修繕工事に着手します。

  道路の維持管理については、平成26年度に実施した道路ストック総点検結果に基づき、適切な維持管理と施設の長寿命化、計画的な改修・更新に努めます。
  交通政策については、JR千歳駅前の広場やバスレーン等、駅周辺を再整備するための基本計画を策定するとともに、バス事業を支える仕組みとして、バス事業者に対する補助金の見直しなど、各種交通施策を実施します。

  公園緑地の整備については、老朽化した既存の施設において、遊具の更新や撤去・改修をはじめ、高齢者などに配慮したバリアフリー化を進めます。

  千歳川周辺の環境整備については、千歳川沿いの河川緑地に「千歳川桜プロジェクト事業」として、桜を植樹し、市民に親しまれる水辺環境の整備を進めます。

  次に、行政経営の基本目標の『市民協働による自主自立の行政経営』であります。

  市民協働の推進については、結婚を考える独身男女に出会いの場を提供する結婚応援活動事業などの新たな協働事業を通じて、市民協働のすそ野を広げる取組を進め、市民協働の浸透を図ります。

  市民参加のまちづくりについては、広報ちとせ、市ホームページ、市長の出前講座等により、市政情報の提供を図り、市民の市政への理解や関心を促すとともに、市長への手紙・ポスト、パブリックコメント等により把握した市民意向の市政への反映に努めます。

  行政改革については、様々な行政需要に対応するため、民間委託などの推進やICTの活用などによる業務改革の推進と業務量に応じた職員の適正配置などを行い、行政サービスの向上を進めます。

  第2庁舎の建設については、平成30年度末の開庁に向け、本工事に着手し、市民が親しみ利用しやすい機能的な庁舎として整備に取り組みます。

  ふるさと納税については、新たに業務を民間事業者に一括委託し、事務の効率化をはじめ、特典の種類の充実とプロモーションの強化などを図り、さらなる市のPRと地域の活性化を進めます。

  支笏湖・東千歳地区の情報通信環境整備については、早期の光回線化実現に向け、関係者や関係機関と連携して民間通信事業者への光通信網整備の働きかけを継続するとともに、高速無線方式によるブロードバンド環境整備について、事業化調査を実施します。

(新年度予算)

  次に、新年度予算の概要について申し上げます。

  平成29年度予算については、財政標準化計画の目標達成を基本に増加が続く社会保障関係費を確実に措置しながら、景気・雇用情勢のさらなる回復のため一定の事業量を確保し、地域経済の活性化策をはじめ、定住・交流人口の拡大、子育て支援、教育環境の充実など、第6期総合計画を中心とする各種施策を着実に進め、千歳に住みたい・住み続けたいと思っていただけるよう、「住みたいまちへの“成長”予算」として、取りまとめたところであります。

  この結果、一般会計総額では、382億442万1千円、前年度当初予算と比べ、4億6,591万2千円、1.2パーセントの増となっております。

  また、特別会計では、6会計の総額で156億5,621万8千円、一般会計を含めた7会計の総額では、538億6,063万9千円、前年度予算に比べ、4億9,601万7千円の増となり、これに公営企業会計を加えますと、総体で689億2,834万4千円の規模で編成したところであります。

  なお、予算の詳細については、別に「平成29年度千歳市各会計予算大綱」で、ご説明いたします。

(むすび)

  以上、新年度の市政運営と施策の大綱について申し上げました。

  私は、年頭に「イクボス宣言」を行いました。イクボスとは、部下の一人ひとりが、職場でも私生活でも生き生きと活躍できるよう、その両立を考慮するとともに、組織としての業績向上も同時に目指し、自らも仕事と私生活を楽しむ上司や経営者のことを指します。

  この「イクボス」の考えは、社会全体で「働き方」や「生き方」を見直すこと、つまり、「ワークライフバランス」を図ることによって、働く方にとっては、仕事と私生活の両方の満足度が高まるとともに、企業などにとっては、生産性や組織力が向上し、結果として、社会全体の活力が増して行くというものであります。

  今後、この「イクボス」の考えを市内全体に普及させ、仕事と子育てや地域活動などの私生活が調和し、多様なライフスタイルが実現でき、9万6千市民の皆さまが、「このまちに住んで良かった」と実感していただけるまちづくりを目指し、全力で邁進してまいります。

  市民並びに議員各位のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

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