平成28年第2回定例市議会以降における諸般の教育行政をご報告申し上げます。
(1 はじめに)
平成27年3月の学習指導要領の一部改正に伴い、国が示した「特別の教科道徳」の実施に向け、本市においては、7月29日に、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官の赤堀博行氏をはじめ5名の講師を迎え、全教職員を対象とした「千歳市道徳研修会」を開催しました。
研修会では、「道徳の特別の教科化と道徳授業の在り方」について、講演を通して理解を深め、今後の方向性を学ぶとともに、具体的な道徳授業の進め方について演習を行い、研鑽を深めることができました。
今後も自己の生き方を考え、主体的な判断の下に行動し、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うよう、道徳授業の充実に努めてまいります。
(2 学校教育について)
神田日勝記念美術館主催の「第22回馬の絵作品展」において、東千歳中学校3年生の穂積佳くんが最高賞の文部科学大臣賞を、1年生の中山芽映さんが特別賞を受賞しました。
また、東京美術文化協会主催の「第73回全国学校秀作美術展」において、東千歳中学校3年生の穂積佳くんが日本美術教育連合賞を受賞し、一般財団法人サークルクラブ協会及び公益社団法人日本海洋少年団連盟主催の「第44回我ら海の子展」においても、銀賞を受賞しました。
さらに、公益財団法人北海道海事広報協会主催の「第53回全道中学生海の絵画コンクール」において、東千歳中学校1年生の中山留位くんが金賞の北海道運輸局長賞を、3年生の穂積佳くんと1年生の足立莉菜さんが銀賞、1年生の中山芽映さんが銅賞としていずれも北海道海事広報協会会長賞を受賞しました。
9月4日に、小樽市で開催された「第18回北海道ジュニア陸上競技選手権大会」において、青葉中学校3年生の斎藤竣くんが男子円盤投げで優勝し、10月28日から30日まで、神奈川県横浜市で開催される「第47回ジュニアオリンピック陸上競技大会」への出場が決定しました。
夏休み期間中の7月26日から8月19日まで、千歳科学技術大学の学生42名の協力による「学習サポート事業」を、小学校9校、中学校3校の計12校で、1日2時間から3時間、延べ30日にわたり実施しました。
参加した学生は、児童生徒が取り組む学習課題に対し、熱心に支援を行い、児童生徒からは、「やさしく教えてくれて、わかりやすかった」、「難しいところを何度も説明してもらえた」などの感想が寄せられ、教職員からも高い評価を得ていました。
英語でのコミュニケーション能力の育成を図る取組として、夏休み期間中、外国人英語指導助手による「中学校外国語サポート事業」を中学校8校で各1日実施しました。
参加した生徒からは、「英語を身近に感じることができて楽しかった」、「もっと英語で話してみたい」、「このような機会があれば、また参加したい」などの声が寄せられました。
7月28日に、北翔大学副学長山谷敬三郎教授を講師に迎え、本年度の転入教職員及び学校のQU検査担当者を対象とした「ハイパーQU研修会」を開催しました。
研修会では、講演や演習を通して、検査の目的や分析方法、活用方法を学ぶことにより、今後の学年・学級指導、生徒指導に生かすことができる大変有意義なものとなりました。
今後も「ハイパーQU検査」を活用し、個々の児童生徒と学級全体に対する指導方法や改善状況の検証を行うとともに、いじめ・不登校の未然防止や学級崩壊の予防など、自尊感情や社会性を高める学級集団づくり・学校づくりに取り組んでまいります。
8月8日に、本年度の転入教職員を対象とした「普通救命講習」と「食物アレルギー講習」を実施しました。
「普通救命講習」は、千歳市消防署の協力により、心肺蘇生法やAEDの使用方法、異物の誤飲対応などについて実技を学びました。
また、「食物アレルギー講習」は、市立千歳市民病院の医師を講師に、食物アレルギーに関する基礎知識や発症時の対処法のほか、アナフィラキシーショックに対応するためのエピペン注射の使い方の実習を行いました。
どちらの講習も参加者から多くの質問が出るなど有意義なものとなり、今後も児童生徒が安心して学校生活を送ることができるよう継続的に実施してまいります。
8月上旬に、新たに全中学校に主要5教科の「デジタル教科書」を導入するとともに、小学校の少人数指導教室と特別支援学級及び中学校の理科室と特別支援学級に電子黒板などのICT機器を整備しました。
これに先立ち7月26日に、教員のICT機器活用能力の向上を図るため、デジタル教科書の効果的な活用を学ぶ研修会を実施しました。
今後も子どもたちの学習に対する意欲や関心を高め、より効果的な授業が展開できるよう、ICT機器の活用を図ってまいります。
(3 青少年の健全育成について)
本年8月、青森県でいじめが原因と思われる痛ましい事件が相次いで発生したことから、各学校に対し、教職員のいじめに対する共通理解と情報の共有を徹底し、児童生徒が心の悩みを打ち明けられるよう信頼関係の構築に努めるとともに、いじめを認識しながら放置することのないよう、さらには収束したと思われる案件においても学校全体で見守りを継続するよう通知したところであります。
今後も「千歳市いじめ防止基本方針」、「学校いじめ防止基本方針」に基づき、かけがえのない存在である児童生徒一人ひとりが、元気で明るく学び、健やかに成長していくことができるよう、いじめの未然防止、早期発見、早期対応に取り組んでまいります。
(4 社会教育について)
7月23日に、子どもたちに英語に親しむ機会を与え、英語に対する興味や関心を高めることを目的に、小学5、6年生を対象とした日帰りの「イングリッシュキャンプ」を実施し、28名が参加しました。
当日は支笏湖小学校などを会場に、5名の外国人英語指導助手が講師となって英語の発音や英単語のつづりなどの学習を盛り込んだ様々なゲームを行い、楽しみながら英語に触れていました。
参加した子どもたちからは、「新しい単語や発音を覚えられた」、「楽しく英語を学べた」などの感想があり、英語への興味を深めていました。
7月30日に、市提案型協働事業として、「ちとせぶっくぼらんてぃあ」による本年度第1回目の「図書ボランティア講座」を開催しました。
当日は、「音楽と絵本で綴る家読(うちどく)の世界」と題して、家読テーマソングの合唱や絵本の読みきかせ、絵本クイズの体験、図書ボランティアの活動紹介などが行われ、参加者は読書に対する興味、関心を高めるとともに、家族のコミュニケーションを図ることができる家読の大切さを学んでいました。
千歳市と指宿市の子どもたちが、交流を通してそれぞれの地域や文化などに関する理解を深めることを目的とした「青少年相互交流事業」を8月5日から3泊4日の日程で実施し、小学6年生の男子7名、女子8名、計15名が指宿市を訪問しました。
子どもたちは、北海道との違いを肌で感じながら、南九州の生活や文化、気候、歴史などをテーマとしたそれぞれの自主研究について一生懸命取り組み、ホームステイや全体交流を通して指宿の子どもたちとの友情を深め、元気に帰ってまいりました。
また、8月23日に、事後研修会を開催し、子どもたちが訪問中に行った自主研究について、実際に見て触れて体験したことを模造紙にまとめ、写真や表を活用するなど、それぞれ工夫を凝らした発表を行いました。
(5 文化財について)
「国指定史跡キウス周提墓群」を含む16の構成資産からなる「北海道・北東北の縄文遺跡群」については、7月25日に開催された文化審議会世界文化遺産・無形文化遺産部会及び世界文化遺産特別委員会において審議が行われた結果、平成28年度のユネスコへの推薦は見送られることとなりました。
今後、推薦に向けた具体的な課題が文化庁から示されることとなりますが、課題解決に向け縄文遺跡群世界遺産登録推進本部と連携を図りながら、世界文化遺産登録に向けた取組を進めてまいります。
7月26日から8月18日まで、埋蔵文化財センターにおいて、小学生以上の市民を対象に、「夏休み体験学習会」を開催し、遺跡の発掘体験・キウス周堤墓群の見学を行う「縄文の旅」や、「土器づくり」、「石器づくり」、「まが玉づくり」などの制作体験を実施し、延べ209名の参加者が縄文文化の世界を楽しみました。
参加者からは、「キウス周堤墓群の2号周堤墓が、すごく深くてびっくりした」、「土器づくりは難しかったが、自分だけの作品ができて楽しかった」、「まが玉づくりは子どもも大人も楽しめてよかった」などの感想が寄せられました。
以上、申し上げまして、教育行政報告といたします。
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