地球温暖化とは?
最近、テレビや新聞紙上で「地球温暖化問題」や「地球温暖化対策」などという言葉を頻繁に目にすると思います。それだけ深刻かつ緊急を要する環境問題なのですが、公害のように直接目に見える被害が少ないため、にわかにはそれほどの悪影響があるようには感じられません。しかし、気がつかないうちにその影響はじわじわと私たちの生活環境をむしばんでいるのです。
地球温暖化は、18世紀イギリスの産業革命に端を発したと言われていますが、第二次対戦以降の急激な産業の高度化に伴い、先進国におけるエネルギーの大量消費や開発途上国における熱帯雨林の伐採、焼畑農法による森林の消失なども影響して、現在も世界規模で進行しているたいへん大きな問題なのです。
温暖化が起こるしくみについて
では、どうして「地球温暖化」がおこるのでしょうか。上の図でわかるように、地表に降り注いだ太陽光は熱エネルギーとして蓄積され、赤外線となって再び大気中に放出されます。大気中には、この赤外線を吸収する温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、水蒸気など)が存在しており、温室の表面に貼られたビニールやガラスの膜のような役目をして、地表の大気を暖めるのです。地球温暖化は、私たちの日常生活や生産活動から出される大量の温室効果ガスによってその濃度が高まり、必要以上に多くの熱を吸収されてしまうことによって起こるのです。
通常は、この放射冷却のメカニズムにより、日中に強い日射を受けても夜間は気温が下がってきます。また、地表面の水分が気化する際には地表面の熱を吸収しますが、特に都市部で、コンクリート建造物や舗装面積が著しく増加し、緑地や土面が減ったことから、蓄熱された舗装面や建物の壁などが夜間になっても冷えず、気温を上昇させる一因となっています。これに、エアコンの室外機や車のエンジン、排気ガスなどからの放熱等も加わり、「ヒートアイランド現象」といわれる深刻な都市の温暖化が進んできています。
気象庁などの公表によれば、過去100年間で、日本の平均気温は約1度上昇したといわれていますが、東京都では同じ期間に約3度、札幌市でも2度以上平均気温が上昇したと指摘されています。
近年、地方でも急速な都市化が進行しており、千歳市も同様に温暖化に拍車がかかっているものと考えられます。
地球温暖化が進むとどうなる?
このまま地球温暖化が進行した場合、2100年には地球全体の平均気温が2度から5度くらい上昇する可能性があるとの報告も出ています。では、気温が上昇したらどんな問題が生じるのでしょう。
ひとつには、「海面の上昇」があります。温暖化の影響で、氷河などの氷が溶け出して海面が上昇すると、日本でも海岸線が浸食され、砂浜が減少するといわれています。世界に目を向けると、すでに水没の危機にさらされているところもあるのです。
もうひとつの大きな懸念は、「生態系への影響」です。温暖化による気候の変動から、農作物の栽培適地が大幅にずれて収穫に大きな影響が及んだり、漁業においても、海水温度の変化から潮の流れや魚の回遊ルートに影響が及び、漁獲高が大きく左右されることが考えられます。動植物の中には、急激な気候の変動に対応できず、絶滅してしまうものが出てくるおそれもあります。
3つめは、「健康への被害」です。熱帯でしか発生しないマラリアなどの疫病や病害虫の発生が考えられますし、都市部では、ヒートアイランド現象の悪化から、熱中症でバタバタと人が倒れるなどということにもなりかねません。
「オゾン層の破壊」、「砂漠化の進行」、「異常気象」、「酸性雨」などの環境問題も少なからず「地球温暖化」と関係しています。
家庭で実践できる地球温暖化防止対策は?
私たちは、できることから地球温暖化防止の取組を実践していかなければなりません。一人ひとりの小さな取組が、地球温暖化を防ぐことができます。家庭での取組としては、節電、節水、灯油の節約などの省資源が主な取組になりますが、特に電気使用量が多い器具は、電気冷蔵庫、照明器具、テレビ、エアコン、電気温水器です。これらをはじめとする家電製品を上手に使うことで、効果的に節電できます。また、家庭からの二酸化炭素排出量のうち、自動車からの排出は約3割を占めていることから、通勤などの自動車の利用を極力控えることやエコドライブの実践なども効果があります。みんなの取組で、地球温暖化を防止しましょう。
家庭でできる節電、7つのポイント
1 こまめにスイッチオフ スイッチオフで電気使用は必要最小限に
2 待機電力を削減 使用していない場合にも電力が消費される待機電力を削減
3 エアコンで節電 設定温度・風向きを調節して節電
4 冷蔵庫で節電 扉の開閉時間を短く、詰め込む量も考えて節電
5 照明で節電 明るさや点灯時間を調節して節電
6 テレビで節電 主電源OFF・明るさを調節して節電
7 そのほか、エコクッキングや炊飯器や電気ポットの保温を控えるなど
※家庭での温室効果ガス排出量を計算できます
エコドライブの取り組みについて
1 ふんわりアクセル「eスタート」(最初の5秒で、時速20km程度が目安)
2 車間距離にゆとりをもって、加速・減速の少ない運転
3 減速時は早めにアクセルを離そう
4 エアコンの使用は適切に
5 無駄なアイドリングはやめよう
6 渋滞を避け、余裕をもって出発しよう
7 タイヤの空気圧から始める点検・整備
8 不要な荷物はおろそう
9 走行の妨げとなる駐車はやめよう
10 自分の燃費を把握しよう
※通勤などの車利用を控えた場合の温室効果ガス削減量等を計算できます
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