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千歳市自然環境保全条例

平成10年6月30日
条例第22号

目次
  第1章  総則(第1条―第9条)
  第2章  自然環境保全地区(第10条―第17条)
  第3章  開発行為の事前協議(第18条一第22条)
  第4章  雑則(第23条―第30条)
  附則


第1章  総則

(目的)
第1条  この条例は、自然環境の適正な保全を総合的に推進するとともに、無秩序な開発を抑制し、多様な生態系の確保に努め、もって現在及び将来の市民の健康で文化的かつ快適な生活環境の確保に寄与することを目的とする。

(市民等の責務)
第2条  市民、事業者及び市は、千歳市環境基本条例(平成10年千歳市条例第21号)第3条に定める基本理念にのっとり、自然環境の適正な保全及び多様な生態系の確保が図られるよう、それぞれの立場において努めなければならない。
2  市民、事業者及び市は、無秩序な開発の抑制が図られるよう、それぞれの立場において努めなければならない。

(広域的施策の推進)
第3条  市は、国及び他の地方公共団体と協力し、自然環境の保全に関する広域的施策の推進を図るよう努めなければならない。

(自然環境の保全等に関する協定の締結等)
第4条  市長は、自然環境の保全又は無秩序な開発の抑制のために特に必要があるときは、事業者その他の関係者と自然環境の保全に関する協定を締結する等の措置を講ずるよう努めなければならない。

(生態系への配慮)
第5条  何人も、正当な理由がなく次に掲げる行為をしてはならない。
(1)  自然を損傷し、又は汚損すること。
(2)  動植物の採捕、損傷、外来種の導入その他の行為により自然が形成する生態系に著しい影響を与えること。

(財産権の尊重及びその他の公益との調整)
第6条  自然環境の保全に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、地域の安全その他の公益との調整に留意しなければならない。

(地域開発施策等における配慮)
第7条  市は、地域の開発及び整備その他の自然環境に影響を及ぼすと認められる施策の策定及びその実施に当たっては、自然環境の適正な保全について配慮しなければならない。

(啓蒙普及等)
第8条  市は、自然環境の保全に関する知識の普及、情報の提供及び意識の高揚並びに市民が自発的に行う自然環境保全活動の支援及び促進に努めなければならない。
2  市は、自然環境の保全に関する教育及び学習の推進に努めなければならない。

(調査研究の実施)
第9条  市は、自然環境の保全に関する市民の意向の調査その他自然環境の保全のために講ずべき施策に必要な調査研究を行うよう努めなければならない。

第2章  自然環境保全地区

(指定)
第10条  市長は、良好な自然環境を保全するため、自然的社会的諸条件からみて、特に必要と認める区域を次に掲げる区分により自然環境保全地区(以下「保全地区」という。)に指定することができる。
(1)  第1種自然環境保全地区(以下「第1種保全地区」という。)希少性又は学術性において重要な区域、動植物の特異な生息又は生育区域、市民生活又は生物の生息に関して特に重要な水域及び水源かん養地区並びに多様な生態系が維持されている区域
(2)  第2種自然環境保全地区(以下「第2種保全地区」という。)前号に規定する区域以外の地域に密着した自然環境区域で、市民の福祉及び快適な生活環境の確保に寄与し、かつ、適正な利用及び活用を図ることができる区域
2  市長は、保全地区の指定をしようとするときは、あらかじめ、千歳市環境基本条例第31条の千歳市環境審議会の意見を聴かなければならない。この場合においては、第12条第2項に規定する保全地区に関する保全計画の案についても、あわせて、その意見を聴かなければならない。
3  市長は、保全地区を指定しようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を告示し、その案を当該告示の日から30日間公衆の縦覧に供しなければならない。
4  前項の規定による告示があったときは、当該地区に係る市民及び利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された案について、市長に意見書を提出することができる。
5  市長は、前項の規定により縦覧に供された案について異議がある旨の意見書の提出があったとき、又は当該保全地区の指定に関して広く意見を聴く必要があると認めるときは、公聴会を開催するものとする。
6  市長は、保全地区を指定する場合には、その旨及びその区域を告示しなければならない。
7  保全地区の指定は、前項の規定による告示によってその効力を生ずる。
8  第2項の前段、第6項及び前項の規定は保全地区の指定の解除及びその区域の変更について、第2項から第5項までの規定は保全地区の区域の拡張について準用する。
9  保全地区として指定された土地の所有者又は占有者は、当該保全地区の指定の解除又は区域の変更について、市長に意見を申し出ることができる。
10  市民は、保全地区として指定を受けるべき土地があると認めるときは、保全地区の指定について、市長に意見を申し出ることができる。

(標識の設置)
第11条  市長は、保全地区を指定したときは、当該地区内にその旨を表示した標識を設置するものとする。
2  保全地区の土地の所有者又は占有者は、正当な理由がない限り、前項の標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
3  何人も、第1項の規定により設置された標識を市長の承諾を得ないで移転し、若しくは除去し、又は汚損し、若しくは損壊してはならない。

(保全地区に関する保全計画)
第12条  保全地区に関する保全計画は、市長が決定する。
2  保全地区に関する保全計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1)  保全すべき自然環境の特質その他該当地区における自然環境の保全に関する基本的事項
(2)  当該地区における自然環境の保全のための制限に関する事項
(3)  当該地区における自然環境の保全のための施設に関する事項
3  市長は、保全地区に関する保全計画を決定したときは、その概要を告示しなければならない。
4  第10条第2項前段及び前項の規定は保全地区に関する保全計画の廃止及び変更について、第10条第3項から第5項までの規定は、保全地区に関する保全計画の決定及び変更(第2項第2号に掲げる事項に係る変更に限る。)について準用する。

(保全事業の執行)
第13条  保全地区に関する保全事業は、市が執行する。
2  市長は、保全事業を効果的に執行するため必要があるときは、保全地区の土地の所有者若しくは占有者に対し協力を求め、又は保全事業の執行の一部を委託することができる。

(保全地区に係る行為の禁止)
第14条  保全地区内において、みだりに食品の容器包装(飲食物の容器及び包装であって、当該飲食物が費消され、又は当該飲食物と分離された場合に不要になるものをいう。)、たばこの吸い殻、釣り糸等(釣り糸、釣り針及び釣り針を沈めるための鉛製のおもりをいう。)その他の生態系に影響を及ぼす廃棄物を投棄し、又は放置してはならない。

(第1種保全地区に係る行為の届出)
第15条  第1種保全地区において、次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、市長にその旨を届け出なければならない。
(1)  建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
(2)  宅地を造成し、土地を開墾し、その他土地の形質を変更すること。
(3)  鉱物を掘採し、又は土石等を採取すること。
(4)  水面を埋め立て、又は干拓すること。
(5)  河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
(6)  木竹を伐採し、又は損傷すること。
(7)  木竹以外の植物を採取し、又は損傷すること。
(8)  木竹を植栽すること。
(9)  動物を捕獲し、若しくは殺傷し、又は動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。
(10)  火入れ又はたき火をすること。
(11)  広告物その他これに類するものを掲出し、又は設置すること。
(12)  前各号に掲げるもののほか、当該保全地区の自然環境の保全に影響を及ぼすおそれがある行為で規則で定めるもの
2  市長は、前項の規定による届出があった場合において、当該保全地区の指定の目的を達成するため必要があると認めるときは、その届出をした者に対し、届出があった日から起算して30日以内に、その届出に係る行為を禁止し、又は計画の変更等必要な措置をとるべき旨を指導し、若しくは勧告することができる。
3  市長は、第1項の規定による届出があった場合において、前項に規定する期間内に同項の処分等をすることができない合理的な理由があるときは、その必要な限度において同項の期間を延長することができる。この場合においては、同項の期間内に、第1項の規定による届出をした者に対して、その旨及びその期間を延長する理由を通知しなければならない。
4  第1項の規定による届出をした者は、その届出をした日から起算して30日(前項の規定により期間を延長された場合は、30日にその延長した期間を加算した期間)を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。
5  市長は、当該保全地区の指定の目的の達成に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
6  次に掲げる行為については、第1項の規定は適用しない。
(1)  保全事業の執行として行う行為
(2)  通常の管理行為又は軽易な行為
(3)  非常災害のために必要な応急措置として行う行為
(4)  法令の規定又はこれに基づく処分により行う行為
(5)  保全地区が指定され、又はその区域が拡張された際現に着手している行為
(6)  林業のため木竹を伐採する行為
(7)  農業における耕種の行為
(8)  その他市長が認める行為

(第2種保全地区に係る行為の届出)
第16条  第2種保全地区において、次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、市長にその旨を届け出なければならない。
(1)  建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
(2)  宅地を造成し、土地を開墾し、その他土地の形質を変更すること。
(3)  木竹を伐採し、又は損傷すること。
(4)  木竹を植栽すること。
(5)  鉱物を掘採し、又は土石等を採取すること。
(6)  水面を埋め立て、又は干拓すること。
(7)  河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
(8)  前各号に掲げるもののほか、当該保全地区の自然環境の保全に影響を及ぼすおそれがある行為で規則で定めるもの
2  市長は、前項の規定による届出があった場合において、当該保全地区の指定の目的を達成するため必要があると認めるときは、その届出をした者に対し、届出があった日から起算して30日以内に、その届出に係る行為を禁止し、又は計画の変更等必要な措置をとるべき旨を指導し、若しくは勧告することができる。
3  市長は、第1項の規定による届出があった場合において、前項に規定する期間内に同項の処分等をすることができない合理的な理由があるときは、その必要な限度において同項の期間を延長することができる。この場合においては、同項の期間内に、第1項の規定による届出をした者に対して、その旨及びその期間を延長する理由を通知しなければならない。
4  第1項の規定による届出をした者は、その届出をした日から起算して30日(前項の規定により期間を延長された場合は、30日にその延長した期間を加算した期間)を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。
5  市長は、当該保全地区の指定の目的の達成に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
6  次に掲げる行為については、第1項の規定は適用しない。
(1)  保全事業の執行として行う行為
(2)  通常の管理行為又は軽易な行為
(3)  非常災害のために必要な応急措置として行う行為
(4)  法令の規定又はこれに基づく処分により行う行為
(5)  保全地区が指定され、又はその区域が拡張された際現に着手している行為
(6)  林業のため木竹を伐採する行為
(7)  農業における耕種の行為
(8)  その他市長が認める行為

(中止命令等)
第17条  市長は、第15条第1項若しくは前条第1項の規定による届出をせず、第15条第1項各号若しくは前条第1項各号に掲げる行為をした者又は第15条第2項若しくは前条第2項の規定による処分等に応じない者に対して、その行為の中止を命じ、若しくは相当の期間を定めて原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合にこれに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

第3章  開発行為の事前協議

(事前協議)
第18条  宅地の造成、施設の建設その他の土地の形質を変更する行為(以下「開発行為」という。)で、次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、規則に定めるところにより、当該行為の計画の内容について、市長に協議しなければならない。
(1)  都市計画法(昭和43年法律第100号)第29条の規定により許可を受けなければならない開発行為
(2)  土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第4条第1項又は第14条第1項の認可を受けなければならない開発行為
(3)  北海道自然環境等保全条例(昭和48年条例第64号)第30条第1項の規定により許可を受けなければならない特定の開発行為

(事前環境調査)
第19条  前条に規定する行為のうち、自然環境に著しい影響を及ぼすおそれのあるものとして規則で定める行為をしようとする者は、あらかじめ、当該行為が自然環境に及ぼす影響を調査し、良好な自然環境の保全に努めなければならない。

(事前公開)
第20条  第18条に規定する行為をしようとする者は、規則で定める標識に所定の事項を記入し、行為予定地の公衆の見やすい場所に設置しなければならない。
2  第18条に規定する行為をしようとする者は、あらかじめ、当該行為の計画の内容について、行為予定地に係る住民、利害関係人その他市長が特に必要と認める者に対して説明会等の方法により周知するとともに、理解を得るよう努めなければならない。

(指導勧告等)
第21条  市長は、第18条の規定による事前協議において当該行為が良好な自然環境の保全を阻害すると認めるときは、当該行為をしようとする者又は前2条に規定する行為を行わない者に対し、自然環境の保全のため必要な措置を講ずべきことを指導し、若しくは勧告し、又は計画の変更若しくは中止その他の措置を求めることができる。

(適用除外)
第22条  国及び地方公共団体が行う行為その他規則で定めるものについては、この章の規定は、適用しない。

第4章  雑則

(自然環境監視員)
第23条  市長は、自然環境の保全のために必要な監視及び指導を行わせるため、自然環境監視員を置くものとする。
2  自然環境監視員に関し必要な事項は、規則で定める。

(報告及び検査等)
第24条  市長は、この条例の施行に必要な限度において、第15条第1項各号に掲げる行為及び第16条第1項各号に掲げる行為又は第18条に規定する行為を行っている者に対し、当該行為の実施状況その他必要な事項について報告を求め、又はその職員に、当該行為が行われている区域内の土地若しくは建物内に立ち入り、これらの行為の実施状況を検査させ、若しくはこれらの行為の自然環境に及ぼす影響を調査させることができる。
2  前項の職員は、その身分を証する証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

(違反行為の公表)
第25条  市長は、この条例の規定に違反し、著しく自然環境を破壊している者があるときは、その違反の事実及び違反者の氏名を公表することができる。

(原因者負担)
第26条  第15条第1項各号に掲げる行為又は第16条第1項各号に掲げる行為により自然環境が著しく破壊され、保全事業の執行が必要となった場合は、その原因となった行為を行った者が自らの責任と負担において、保全事業を行わなければならない。
2  前項の規定は、第18条に規定する行為により自然環境を破壊した場合の原因者負担について準用する。

(実地調査)
第27条  市長は、保全地区の指定若しくはその区域の拡張、保全計画の決定若しくは変更又は保全事業の執行に関し、実地調査のため必要があるときは、その職員に他人の土地に立ち入り、測量させ、又は実地調査の障害となる木竹若しくはかき、さく等を伐採させ、若しくは除去させることができる。
2  市長は、その職員に前項の規定による行為をさせようとするときは、あらかじめ、土地の所有者及び占有者並びに木竹又はかき、さく等の所有者にその旨を通知しなければならない。

(財政上の措置)
第28条  市は、自然環境の適正な保全を図るため、監視体制の整備、保全施設の整備、土地の買い入れ等に必要な財政上の措置を講ずるよう努めなければならない。

(援助等)
第29条  市長は、保全地区に係る土地等の所有者に対し、自然環境の保全のために特に必要と認めるときは、規則で定める援助等を講ずることができる。

(委任)
第30条  この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附則
この条例は、公布の日から施行する。

 

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