令和元年第2回定例市議会以降における諸般の行政をご報告申し上げます。
(1 恵庭市との連携について)
8月30日、「千歳市と恵庭市との連携施策の充実拡大に関する覚書」を締結しました。
この覚書は、北海道の中でも発展を続ける本市と恵庭市が、複雑化・多様化する住民ニーズに対応しつつ、事務効率の向上や行政コストの削減を図るため、相互に有益な協力関係を強化し、連携を深めることを目的としています。
恵庭市とは、明治13年に「千歳郡」の千歳村、漁村など6村による戸長役場ができ、明治30年に漁村外1村が恵庭村となって分離独立するまで、同じ行政区域として歩んできた、歴史的にも深いつながりのあるまちであり、現在も住民の通勤や通学、経済活動等が同一圏域として密接な関係にあり、官民問わず連携や交流が行われてきました。
このたびの覚書締結により、圏域全体の経済の成長、都市機能の集積と強化、生活関連機能サービスの向上を目的とした26の連携事業について、具体的な取組を進めるとともに、共通する地域の課題解決、行政事務の効率化に向け、積極的に連携を進めてまいります。
(2 市功労者のご逝去について)
このたび、千歳市功労者、根本 敏美(ねもと としみ)様が8月30日にご逝去されました。
根本 敏美様は、千歳市議会議員として、副議長や厚生常任委員会委員長などの要職を歴任され、議会の円滑な運営や地方自治の伸展に尽力されたご功績は誠に大きなものがあり、心からご冥福をお祈り申し上げます。
(3 第1回オール北海道ボールパーク連携協議会について)
7月9日、北海道日本ハムファイターズ新スタジアム開設に向けた「第1回オール北海道ボールパーク連携協議会」が北広島市で開催され、本市も構成員の一員として参加しました。
協議会は、北広島市と北海道、近隣13市町村のほか、JR北海道やバス事業者など合わせて30団体で構成され、今後、北海道の食の魅力、交通、スポーツ・人づくりなど5つの分科会が開催され、令和5年3月の開業に向け、具体的な話合いが進められます。
北海道ボールパークの開業が、本市はもとより北海道全体の価値や魅力の向上、発展につながるよう取り組んでまいります。
(4 札幌広域圏組合の解散とさっぽろ連携中枢都市圏の形成について)
札幌広域圏組合は、平成9年の設立以来、首都圏に向けた札幌圏の情報発信など、圏域振興のための様々な事業に取り組んでまいりましたが、新たな広域連携の枠組みである「さっぽろ連携中枢都市圏」の形成等を踏まえ、より広域的な連携を発展的に実施すべく、7月31日をもって解散しました。
また、7月12日に札幌市で開催された第1回さっぽろ連携中枢都市圏関係首長会議では、さっぽろ連携中枢都市圏「まちづくりパートナー協定」調印式が行われ、本市を含む圏域12市町村と15企業が協定を締結しました。
今後も、連携事業やまちづくりパートナー企業との連携等を通じ、圏域全体の経済成長と、住民の暮らしの向上につながるよう取り組んでまいります。
(5 新千歳空港の民間委託について)
新千歳空港をはじめとする北海道内7空港の一括民間委託につきましては、7月3日、北海道空港株式会社を代表企業とする「北海道エアポートグループ」が優先交渉権者として選定され、8月9日には、優先交渉権者による提案概要が公表されたところであります。
現在、空港運営会社となるSPCの設立手続が進められているところであり、来年1月に7空港一体のビル経営が開始、6月に新千歳空港の運営事業が開始される予定となっております。
新千歳空港に関する提案概要には、内際共用旅客ビルやホテルの新設、BRT(バス高速輸送システム)の導入、さらには、空港周辺の観光振興や本市と連携した周辺地域のまちづくりなどについて提案されており、拡大する利用者に対する受入体制の充実・強化のほか、地域の活性化につながるものと期待しております。
今後も、SPCをはじめ、国や北海道、経済団体などと連携しながら、将来にわたり、空港とともにまちが成長・発展していくよう、取り組んでまいります。
(6 自衛隊の体制強化を求める活動について)
昨年12月、「平成31年度以降に係る防衛計画の大綱」が閣議決定されましたが、前大綱にも示されていた戦車及び火砲の削減が踏襲されるなど、今後は、北海道の部隊の改編や新編に関する検討などが段階的に行われるものと考えております。
このことから、7月23日、「千歳市における自衛隊の体制強化を求める期成会」として、防衛省及び関係国会議員に対し、自衛隊の体制強化や本市への新編部隊等の配置などについて要望活動を行い、防衛省に対する要望では、千歳市議会議員の有志の皆様にもご参加いただいたところであります。
8月22日には、「北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会」として、防衛省、自由民主党本部、道内選出国会議員に対し、自衛隊の体制強化や充足率の向上、さらには、自衛官の継続的な処遇改善などについて要望しました。
自衛隊の体制強化は、本市にとって、地域経済やまちづくりに大きな影響を及ぼす重要な課題でありますことから、今後も、国の動向を注視しながら、積極的かつ精力的な活動を展開してまいります。
(7 令和元年度千歳市総合防災訓練について)
9月7日、防災学習交流施設「そなえーる」において、地震災害を想定した「千歳市総合防災訓練」を実施しました。
自主防災組織等を対象とした訓練では、応急対応行動に加え、新たな取組として、昨年9月に発生した北海道胆振東部地震の経験を踏まえた避難所開設・運営に係る講習や非常用発電機の操作体験を行ったところであります。
また、「災害時避難用バス」を用いた避難者等の搬送訓練も行いました。
当日は、自主防災組織や町内会、児童・生徒、防災関係機関など、約1,200人の皆様にご参加いただき、訓練目的を十分に達成することができたものと考えております。
今後も、継続的な訓練の実施により、市民と防災関係機関や協力機関等との相互理解を深め、「災害に強いまちづくり・ひとづくり」を進めてまいります。
(8 ちとせ消費者まつり2019の開催について)
8月24日、北ガス文化ホールにおいて、市と千歳消費者協会の主催により、市民の消費問題への意識向上を目的に、今回で46回目となる「ちとせ消費者まつり2019」を開催し、昨年より364人多い、1,868人が来場しました。
当日は、市民団体や企業など22団体の参加があり、「みんなでめざそう『安心・安全』心豊かな消費生活」をテーマに、まつりの名物である千歳産の食材を用いたカレー販売のほか、消費者保護、廃棄物減量、こども環境教室など、暮らしに役立つ展示や体験コーナーを実施し、多くの来場者で賑わいました。
今後も、このような取組を通じて、市民の安心安全な消費生活の確保に努めてまいります。
(9 市内どこでも児童館まつりについて)
7月6日、市内にある10か所の児童館を会場に、「市内どこでも児童館まつり」を開催し、2,000人を超える市民が来場しました。
各児童館では、様々なテーマを設定し、たくさんの子ども達が楽しめるよう趣向を凝らした内容を企画運営しており、このうち6か所では、公立千歳科学技術大学の理科工房の学生23人に「実験コーナー」を実施していただき、好評を得たところであります。
今後も、児童館での自由な遊びや行事を通じ、子ども達が心身ともに健康に育まれるよう、児童福祉施設としての役割を果たしてまいります。
(10 「大規模災害時等における派遣隊員の留守家族支援に関する協定」に基づく保育実習について)
7月25日、市と陸上自衛隊東千歳駐屯地、北千歳駐屯地及び航空自衛隊千歳基地との間で締結している「大規模災害時等における派遣隊員の留守家族支援に関する協定」に基づき、自衛隊員を対象とした保育実習を行いました。
本実習は、子どものいる自衛隊員が緊急派遣される際に、駐屯地や基地において開設する「臨時託児室」の自主運営に備えて、自衛隊員が市の認定こども園において保育を体験するもので、当日は、北千歳駐屯地の隊員10人が、保育教諭の助言指導のもと、子どもとのふれ合いや遊びを通じて、保育技術の習得に取り組みました。
また、9月6日に北千歳駐屯地が実施した「緊急登庁支援運営宿泊訓練」では、市の保育教諭が訓練に参加し、臨時託児室の運営に関する支援を行ってまいりました。
今後も、「災害に強いまちづくり・ひとづくり」に向けて、相互に協力・連携し、大規模災害時等における派遣隊員の留守家族の支援に取り組んでまいります。
(11 千歳市民夏まつりについて)
「千歳市民夏まつり」につきましては、「令和 夏 集え 祭人」をテーマに、7月13日から8月21日までの40日間にわたって開催されました。
期間中は、「2019スカイ・ビア&YOSAKOI祭」をはじめ、「清流千歳川噴水フェスティバル」、「ちとせ川ビール祭り」、新聞各社による花火大会、航空自衛隊千歳基地航空祭、各商店街の夏まつり、企業による催しなど、魅力ある多くのイベントが繰り広げられ、市民や観光客などで大いに賑わいました。
このうち、「2019スカイ・ビア&YOSAKOI祭」は開催期間中、天候にも恵まれ、昨年を6,000人程上回る約5万6,000人が来場したほか、最終日の千歳市民納涼盆踊り大会は、天候の影響により1日順延となりましたが、21団体と個人を合わせ、約1,450人の参加があり、盛況のうちに夏まつりを終了することができました。
各商店街、企業、関係団体及び市民の皆様の熱意あふれる取組やご協力に対し、心から感謝申し上げますとともに、今後も市民の交流の輪がますます広がるよう、夏まつりの魅力向上に努めてまいります。
(12 農作物の生育状況等について)
昨年は台風21号による被害のほか、長雨と低温、日照不足から、収量や品質の低下など農作物への影響がみられましたが、今年は 雪解けが早く5月から夏日を観測したほか、7月末から8月には厳しい暑さが続くなど、気温が高く日照時間が多い傾向で推移したことから、農作物の生育や収穫は順調に進んでいるところであります。
今後、台風などの影響がなく、好天に恵まれ、豊穣の秋となりますことを期待しております。
(13 企業誘致について)
6月28日、東京都江戸川区に本社があります株式会社フジカーズジャパンが、本市と土地売買契約を締結し、流通業務団地に立地しました。
同社はレンタカー事業を行っており、顧客の利便性向上及び業務拡大のため、営業所を新築するものであり、操業開始は来年春頃と伺っております。
今回の立地は令和元年度の企業立地第1号となり、本市の産業振興に波及効果をもたらすとともに、今後の企業誘致に弾みがつくものと期待しております。
また、7月25日には、「北洋銀行ものづくりテクノフェア2019」が札幌市で開催され、公立千歳科学技術大学と共同で出展し、市内工業団地の特性や優位性をPRしました。
立地企業の振興につきましては、9月12日、千歳工業クラブとの意見交換会を開催し、人口増を目指したまちづくりをテーマに、市が取り組んでいる施策の説明や、それに基づく意見交換等を行いました。
今後も、様々な機会を活用し、企業誘致活動を積極的に進めるとともに、立地企業の振興等に取り組んでまいります。
(14 姉妹都市との交流について)
9月4日、千歳・アンカレジ市姉妹都市提携50周年を記念して、アンカレジ市長及びアンカレジ市議会議員など15人の関係者をお招きし、記念式典を開催しました。式典には、市民をはじめ、多くの皆様にご臨席をいただき、50年間の交流のあゆみを映像で振り返るとともに、今後の友好親善関係をさらに深めていく内容の確認書に双方で署名を行いました。
式典終了後の祝賀会では、餅つき体験やアンカレジ市の紹介映像を見ながら、アンカレジ市とのこれまでの交流を振り返り、お祝いしたところであります。
アンカレジ市一行の皆様におかれましては、9月2日から5日間にわたり、アンカレジパークでの植樹式をはじめ、各種行事に参加され、市民や関係団体の皆様と交流を図り、両市の友好親善が大いに深められました。
(15 観光プロモーションについて)
本市への訪日外国人観光客の誘致をより促進するため、9月5日から10日までの日程で、マレーシアとシンガポールを訪問し、観光プロモーションを実施しました。
マレーシアでは、同国最大級の旅行博「MATTA FAIR」に参加し、大勢の来場者で賑わう中、一般旅行者向けに観光PRしたほか、現地航空会社や旅行会社を訪問し、千歳の魅力や特色などのPRを実施しました。
シンガポールでは、日本政府観光局シンガポール事務所を訪問し、千歳の最新情勢を説明したほか、誘客に役立つ情報などを収集するとともに、現地旅行会社では、新たな体験型観光について意見交換を行いました。
今後も、千歳観光連盟や観光事業者などと連携した、積極的な観光プロモーションを展開し、訪日外国人観光客の誘客に努めるとともに、交流人口の拡大や地域経済の活性化につながる取組を進めてまいります。
(16 「支笏湖チップ(ヒメマス)」について)
支笏湖のチップ釣りにつきましては、今年度も、6月1日から解禁となり、8月31日に事故もなく無事終了しました。
漁獲数は、昨年の15万5,450尾を3万5,424尾上回る19万874尾に、1隻あたりの釣獲数は37.61尾となり、いずれも調査開始以来最多の釣果となったところであります。
ヒメマス資源の保護・増殖につきましては、引き続き、国立研究開発法人 水産研究・教育機構 北海道区水産研究所や北海道などからの助言をいただきながら資源動向の把握に努め、支笏湖漁業協同組合などと連携を図りながら取り組んでまいります。
(17 スポーツ振興について)
7月6日、千歳青葉陸上競技場において、中長距離種目の陸上競技大会「ホクレン・ディスタンス・チャレンジ」が、本市で初めて開催され、道内外から314人の選手が参加するとともに、 約500人が観戦に訪れ、盛会のうちに終了しました。
本大会の開催は、選手や監督などに、本市の立地の優位性やスポーツ環境等をアピールする大変良い機会でありますことから、今後も本大会の継続と合宿誘致の推進を図ってまいります。
7月15日、札幌市北ガスアリーナ札幌46で開催された第29回全日本ドッジボール選手権北海道大会全国予選の部において、本市の「SHINANO DBCスポーツ少年団」が見事に優勝され、8月18日に茨城県水戸市で開催された全国大会に出場しました。
全国大会では、日頃の練習の成果を存分に発揮し、北海道代表としてベストを尽くし、健闘されました。今後のご活躍を心より応援しております。
セガサミーカップゴルフトーナメントの地域貢献事業として、セガサミーグループの支援をいただき、小中学生を対象とした各種スポーツ教室「千歳ジュニアスポーツフェスティバル」を、5月18日から開催し、8月24日までに13種目の教室を終え、これまでの参加者数は897人となっております。
今年度は、来年2月にスキー教室も開催する予定であり、多くの子ども達の参加を期待しているところであります。
(18 公共工事の進捗状況について)
公共工事の進捗状況でありますが、市役所本庁舎耐震等改修工事は6月に入札を行い落札業者と契約を締結し、工事に着手しました。
また、防災行政無線デジタル化整備工事、長都駅前広場再整備工事は来年1月の完成に向け工事を進めております。
さらに、毎年計画的に実施している道路舗装補修事業、市道整備事業、市内公園整備事業につきましても予定どおり工事を進めております。
このことから上半期(4月~9月)の目標であります、発注率85パーセントにつきましては、達成できる見込みとなっております。
なお、未発注工事につきましても、計画に沿った発注に努めてまいります。
(19 各会計の決算状況について)
平成30年度の決算につきましては、一般会計で歳入の確保とともに、経費節減や創意工夫などに努めた結果、収支不足分として予算で措置した4億6,470万1千円を財政調整基金から繰り入れることなく決算を終え、実質収支額4億7,713万7千円の黒字となり、このうち、3億6,760万8千円については、財政調整基金に積立処分を行いました。
また、6特別会計につきましては、いずれも黒字となり、特別会計の実質収支総額は、2億372万1千円となったところであります。
千歳市財政標準化計画を着実に推進した結果、資産・債務状況では、実質公債費比率や将来負担比率が前年度に比べて改善しており、今後も多様で安定的な市民サービスを提供するため、強固で持続可能な財政基盤の確立を進めてまいります。
水道事業会計につきましては、有収水量が前年度を0.3パーセント下回ったものの、給水収益は水道料金の引上げにより、17億1,282万9千円と対前年度比14.7パーセントの増となり、単年度収支としては1億3,140万9千円の純利益を計上しました。
その結果、未処理欠損金は、平成29年度からの繰越欠損金を差し引いて1億6,050万3千円となり、翌年度へ繰り越すこととしております。
下水道事業会計につきましては、使用料の引下げに加え、有収水量が前年度を0.8パーセント下回ったことから、下水道使用料は13億6,897万5千円と対前年度比15.2パーセントの減となりましたが、単年度収支としては1億3,768万7千円の純利益を計上しました。
その結果、未処分利益剰余金は、平成29年度からの繰越利益剰余金と合わせ1億9,141万4千円となりましたが、このうち剰余金処分として、減債積立金に3,760万円、建設改良積立金に1億円を積み立てることとしております。
今後も、経費の節減などより一層の経営の効率化に取り組むとともに、市民サービスの向上に努めてまいります。
病院事業会計につきましては、前年度に比べ入院患者数が453人増加したことや、効率的で高度な医療の推進により、入院・外来ともに患者1人当たりの診療単価が上昇したことから、事業収益は1億4,047万8千円の増加となっております。
一方、事業費用においても、診療体制の充実と勤務環境の整備に向け、医師や看護師、医療技術員の増員などにより、前年度に比べ9,306万6千円の増加となりましたが、単年度収支では3,802万4千円の純利益を計上し、平成25年度以来、5年ぶりの黒字決算となりました。
今後も、医療を取り巻く情勢を的確に見極めながら、「中期経営計画」の着実な取組により、効率的な病院運営を推進し、健全で安定した経営基盤の確立に努めてまいります。
以上申し上げまして、行政報告といたします。