令和7年第3回定例市議会以降における諸般の行政をご報告申し上げます。
(1 はじめに)
令和7年も残すところわずかとなりました。
本年も、未来に向けた強固な経済基盤を築くため、半導体産業をはじめとする産業の集積に向けた取組など、一歩一歩着実に歩みを進めてまいりました。
また、「ちとせ市民応援商品券2025」を発行し、物価高騰の影響を受けている市民生活の支援に加え、子ども医療費の無償化や「こども誰でも通園制度」を実施し、安心して子育てできる環境整備にも取り組んできたところであります。
今後も、安全・安心で持続可能なまちづくりを進めてまいります。
(2 叙勲・褒章及び功労表彰等について)
本年秋の叙勲において、岡 昭雄(おか あきお) 様、廣幡 信之(ひろはた のぶゆき) 様が防衛功労により瑞宝小綬章を、宮本 正志(みやもと まさし) 様が更生保護功労、守田 勝榮(もりた かつえ) 様が教育功労によりそれぞれ瑞宝双光章を、武田 裕美(たけだ ひろみ) 様が専門工事業務功労により瑞宝単光章を受章されました。
ここにそのご功績と栄誉をたたえ、深く敬意を表するとともに心からお慶び申し上げます。
また、11月4日に、市政の振興に多大なご貢献をいただいた方を顕彰するため、令和7年度千歳市表彰贈呈式を開催しました。
千歳市功労表彰につきましては、社会福祉功労として西村 宏子(にしむら ひろこ) 様に、産業功労として今村 靜男(いまむら しずお) 様に、千歳市技能功労表彰につきましては、地域のインフラ整備を通じて市の産業発展に貢献された南家 宏(なんげ ひろし) 様に、千歳市スポーツ表彰につきましては、合気道の普及・発展に貢献されました象谷 敏孝(ぞうたに としたか) 様に、千歳市民文化表彰につきましては、市民文化賞として、華道の普及発展に尽力された吉岡 精子(よしおか あきこ) 様、音楽の普及発展に尽力されたシャオニャンプロジェクト 様、科学教育の普及発展に尽力された公立千歳科学技術大学 理科工房 様、藍染・草木染の普及発展に尽力された成冨 惠以子(なりとみ えいこ) 様にそれぞれ贈呈しました。
ここに受章されました皆さまの長年にわたるご努力とご労苦に対し、心から敬意と感謝の意を表します。
※廣幡 信之様の「廣」の「广」の中が「黄」の字
※今村 靜雄様の「靜」の右部の点が「ツ」の字
(3 市功労者のご逝去について)
このたび、千歳市功労者、北國谷 勉(ほっこくや つとむ) 様が11月27日にご逝去されました。
北國谷様は、千歳市議会議員として、総務文教常任委員会委員長、議会運営委員会委員、建設常任委員会委員等の要職を歴任され、本市における行財政の健全化、議会の円滑な運営、将来を見据えた都市基盤の整備などに尽力されました。
そのご功績は誠に大きなものがあり、謹んで哀悼の意を表します。
(4 東京千歳会第22回交流会の開催について)
11月19日、本市にゆかりのある会員の親睦を図ることを目的として設立された東京千歳会の第22回交流会が開催されました。
交流会には、多くの立地企業などに協賛いただき、約150人の出席がありました。
今後も、本会の取組を通じ、本市が持つ多くの魅力を発信し、関係人口や交流人口の創出が図られることを期待しております。
(5 新千歳空港について)
新千歳空港の乗降客数につきましては、10月の速報値で、国内線が194万人で前年比102パーセント、国際線が32万人で前年比124パーセント、全体としては226万人で前年比105パーセントとなりました。特に国際線では、冬期に、東南アジア路線の便数が大幅に増加することや、カンタス航空によるシドニー線の運航が再開するなど、航空需要は着実に増大しております。
(6 北米航空路線誘致について)
10月19日から23日まで、北米航空路線誘致のため、新千歳空港国際化推進協議会が主催する北米航空路線誘致モントリオール・シカゴ訪問団に参加しました。訪問団は、カナダのモントリオール及びアメリカのシカゴにおいて、州観光局や領事館、航空会社などを訪問し、新規路線就航の要請や意見交換などを行いました。
引き続き、北海道や空港運営事業者などと連携し、国際航空路線の拡充に取り組んでまいります。
(7 空港開港100年記念事業について)
9月下旬、空港開港100年を記念した児童向けまんが「千歳市のひみつ 空港100年の物語」が完成し、9月24日には、千歳小学校で寄贈式を行い、市内の全小学校の児童や中学校、高校の図書室、図書館に配布しました。
まんがは、学研の「まんがでよくわかるシリーズ 地域のひみつ編」として制作し、まんがを通して空港があることの誇りが後世に受け継がれることを願っております。
また、10月上旬、空港開港100年記念動画「空に描く未来」が完成し、10月5日には、北ガス文化ホールで完成上映会を開催しました。上映会においては、動画に出演したアナウンサーの明石 英一郎(あかし えいいちろう)さんと、まち歩き研究家の和田 哲(わだ さとる)さんを招き、市民約200人の参加がありました。
改めて空港やまちの歴史、先人の偉業を称えるとともに動画に出演された方をはじめ、関係者の皆さまに感謝申し上げます。
(8 日米共同訓練及び日英共同訓練について)
9月11日から9月25日までの期間において、日米共同訓練(レゾリュート・ドラゴン25)、11月5日から11月20日までの期間において、日英共同訓練(ヴィジラント・アイルズ25)が実施され、事故等もなく無事終了しました。
市といたしましては、国の報道発表以降、米軍人及び英軍人の綱紀粛正の徹底などを国に求めたほか、市民への周知や関係機関との情報共有などに努めており、今後も市民の安全・安心の確保に向け適切に対応してまいります。
(9 次世代半導体関連事業の進捗状況について)
11月20日、北海道との共催により、ANAクラウンプラザホテル千歳で、「次世代半導体とほっかいどうの未来in千歳」を開催し、オンラインを含め約300人の参加がありました。
セミナーにおいては、経済産業省から我が国の「半導体政策について」、公立千歳科学技術大学から「半導体とは何か」、ラピダス社から「未来をつくる半導体」についての講演があり、パネルディスカッションにおいては、企業の進出状況や街の変化、半導体産業の人材育成などについて意見交換が行われました。
今後も、イベントなどを通じて、半導体の市民理解の促進に努めてまいります。
(10 企業誘致について)
企業誘致につきましては、11月に、愛知県に本社がありますカゴメ株式会社と土地売買契約を締結し、臨空工業団地に立地することとなりました。同社は、トマトなどの農産物加工工場を建設する予定としており、操業開始時期は令和10年7月頃と伺っております。
これにより、市内工業団地への本年度の立地件数は3件となり、本市の産業振興に波及効果をもたらすことを期待しております。
半導体関連企業のオフィス進出状況につきましては、自動制御機器製品等の製造加工及び販売を行う「SMC(エスエムシー)株式会社」、人材派遣・人材紹介・アウトソーシング事業を行う「アデコ株式会社」、半導体製造装置等の製造・販売・保守サービスを行う「イーヴィグループジャパン株式会社」が、それぞれ市内にサービス拠点を設置しました。
今後も、企業ニーズの把握に努めるとともに、きめ細かな支援を実施し、半導体関連企業の集積に取り組んでまいります。
(11 自衛隊の体制強化を求める活動について)
11月6日、「北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会」として、防衛省、自由民主党本部、道内選出国会議員に対し、次期防衛力整備計画に北海道の重要性を引き続き明記することや、北海道の防衛体制強化、隊員の処遇改善などを要望しました。
また、11月19日及び20日には「千歳市における自衛隊の体制強化を求める期成会」として、千歳市防衛議員連盟の皆さまとともに、防衛省及び関係国会議員に対し、自衛隊の体制強化や新編部隊の配置に関する要望活動を行いました。
自衛隊とともに発展するまちづくりを進めるため、引き続き、北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会等と連携し、隊員の処遇改善や活動基盤の確立、新編部隊の配置などに積極的に取り組んでまいります。
(12 災害時の協定について)
10月22日に、株式会社 積水化成品 北海道と「災害時における支援物資等の供給に関する協定」を締結しました。
この協定は、災害発生時、発泡スチロール箱、ポリエチレンシート等の発泡製品の提供を受け、被災者支援の充実に役立てるものであります。
今後も、災害に強いまちづくりを目指し、関係する団体や企業等との協定締結を進めてまいります。
(13 ちとせ消費者まつり2025の開催について)
10月18日、北ガス文化ホールにおいて、市と千歳消費者協会共催による「ちとせ消費者まつり2025」を開催し、912人の来場がありました。
50回目の節目となる本イベントにおいては、市民団体や企業などの26団体が、「みんなで目指そう!かしこい消費~グリーン消費で明るい未来~」をテーマにした展示や体験コーナーを催し、来場者に消費生活について学びながら楽しんでいただきました。
また、本市在住のタレント豊澤 瞳(とよさわ ひとみ)さんをゲストに迎え、ラジオ放送や「地元の恵みでおいしく健康に!~食品ロスゼロを目指す、野菜アレンジレシピと栄養バランス講座」と題したセミナーで、イベントを盛り上げていただきました。
今後も、このような取組を通じて、市民が安心安全な消費生活を送ることができるよう努めてまいります。
(14 介護等人材の確保に関する連携協定締結について)
10月20日、特定非営利活動法人ちとせの介護医療連携の会及び株式会社タイミーの三者で、「介護・福祉分野をはじめとした人材確保に関する連携協定」を締結しました。
この協定は、相互の資源を生かした事業に協働で取り組むことにより、スポットワークの導入を通した「介護補助者の活用」、「潜在介護士の掘り起こし」、「採用手段としての活用」の推進を目的としています。
また、10月22日、栗山町立北海道介護福祉学校を有する栗山町と「介護人材確保に関する包括連携協定」を締結しました。
この協定は、包括的な連携のもと、介護分野における人材の育成・確保及び定着促進、福祉教育の推進を図ることを目的としています。
今後も、高齢者や障がい者が必要な支援を受けることができるよう、介護等人材の確保に向けた様々な取組を進めてまいります。
(15 千歳市コミュニケーション条例制定記念行事について)
10月29日、北ガス文化ホールにおいて、「千歳市コミュニケーション条例」制定の記念行事「障がいに、ふれる。」を開催し、216人が来場されました。
記念行事は、条例の基本理念やコミュニケーション手段、共生社会に対する理解促進を目的に実施し、第1部においては、情報・コミュニケーション支援機器の展示・体験や手話・要約筆記・点字などの体験、第2部においては、「パラリンピアンとして生き、今思うこと」をテーマに、パラアルペンスキー金メダリストの狩野 亮(かのう あきら)氏にご講演いただきました。
今後も、市民が相互に人格と個性を尊重し合い、安心して共に生きる地域社会の実現に努めてまいります。
(16 第55回がん予防道民大会について)
10月23日、北ガス文化ホールにおいて、北海道及び公益財団法人北海道健康づくり財団、公益財団法人北海道対がん協会とともに「第55回がん予防道民大会」を開催し、1,354人の参加がありました。
大会においては、「千歳市社会福祉協議会ピンクリボンボランティア」が、長年にわたる乳がん予防啓発活動の功績を評価され、優良がん対策推進企業及びがん予防功労者表彰を受賞しました。
また、札幌医科大学 鳥越 俊彦(とりごえ としひこ) 名誉教授の特別講演や、フリーアナウンサー笠井 信輔(かさい しんすけ)氏の健康講話、本市と「がん予防啓発推進に関する連携協定」を締結している企業のパネル展示などを行いました。
今後も企業や関係団体と連携し、がん予防やがん検診の重要性についての普及啓発に努めてまいります。
(17 いいお産の日inちとせについて)
11月3日、「ちとせモール」において、出産と育児に関するイベント「第11回いいお産の日inちとせ」を開催し、約600人が来場しました。
改めて、妊娠中・子育て中の方に、子育てを応援する本市の取組について知っていただくとともに、全ての世代の方が「お産」や「子育て」について考えていただく機会となりました。
本年は、「千歳恵庭地域助産師会」の皆さまにもご協力いただき、赤ちゃん一人ひとりの身体の様子を見て、その子どもに合った遊びや体操を紹介するなどしたほか、手作りおもちゃなど、子どもたちが遊びを体験できるブースを設置するなどし、たくさんの親子の喜ぶ顔が見られました。
子育てボランティア、関係団体など数多くの皆さまのご支援、ご協力に対し、感謝申し上げますとともに、今後も、子育て世代の方々に、子を持つ幸せや子育ての楽しさを感じていただけるよう努めてまいります。
(18 姉妹都市との交流について)
千歳アイヌ協会及び千歳アイヌ文化伝承保存会の会員とその子どもたちなど11人が、10月14日から20日まで、姉妹都市であるアンカレジ市を訪問しました。
訪問期間中は、「アラスカ先住民連盟大会」に参加し、アイヌ民族についてのスピーチや歌と踊りの披露、ブース出展のほか、アラスカの先住民族の方々と意見交換を行いました。また、現地の小学校と中学校を訪問し、アイヌ民族の紹介や鹿笛(しかぶえ)づくりなどを行いました。
参加者からは、アイヌ文化の継承や保存活動ついて学ぶとともに、アイヌ文化の担い手育成や友好親善を図る機会になったと伺っております。
10月26日から30日までの間、アンカレジ市のスザンヌ・ラフランス市長をはじめとする11人が来千しました。
訪問中は、市長表敬や千歳小学校及び千歳高校で児童・生徒と交流をしたほか、新千歳空港、サケのふるさと千歳水族館、支笏湖、アンカレジパークなどを見学し、多くの市民と交流を深めていただきました。
交流事業にご尽力いただいた関係者の皆さまに感謝申し上げるとともに、今後も交流機会の充実に努めてまいります。
以上申し上げまして、行政報告といたします。