設定

ふりがなをつける音声読み上げ
トップ記事令和7年9月市長行政報告

令和7年9月市長行政報告

 令和7年第2回定例市議会以降における諸般の行政をご報告申し上げます。

(1 はじめに)
 本格的な夏が到来し、新千歳空港を通じて国内外から多くの観光客が北海道を訪れるなか、本市においては、「支笏湖湖水まつり」や「千歳市民夏まつり」など、夏ならではの多彩な催しが開催され、まちの賑わいを一層感じることができました。
 さらに、スポーツの分野においては、本年も大学や実業団などの国内トップレベルの陸上選手が本市で合宿を行い、練習に励む姿が見られています。
 ここで培われた力が大舞台で発揮されることを大いに期待するとともに、市民の皆さまをはじめ、これらの取組にご協力をいただいている方々に深く感謝を申し上げます。

(2 市功労者のご逝去について)
 このたび、千歳市功労者、小財 アツ(こざい あつ)様が7月9日にご逝去されました。
 小財様は、民生児童委員として、各種相談や援助活動などに尽力され、地域福祉の向上に貢献をされました。そのご功績は誠に大きなものがあり、心からご冥福をお祈り申し上げます。

(3 新千歳空港について)
 新千歳空港の利用状況につきましては、7月の乗降客数の速報値において、国内線が189万人で前年比102パーセント、国際線が38万人で前年比115パーセント、全体として228万人で前年比104パーセントとなっており、航空需要は着実に増加し、国内線、国際線ともに好調が続いております。
 引き続き、空港運営事業者や関係団体などと連携し、空港機能の高度化や航空路線の維持、拡充に取り組んでまいります。

(4 日米共同訓練について)
 7月25日から8月4日までの期間において、日米共同訓練(レゾリュート・フォース・パシフィック)が実施され、事故等もなく無事終了しました。
 市といたしましては、国の報道発表以降、米軍人の綱紀粛正の徹底などを国に求めたほか、市民への周知や関係機関との情報共有などに努めており、今後も市民の安全・安心の確保に向け適切に対応してまいります。

(5 アイヌ施策の推進について)
 8月9日、10日の2日間、北ガス文化ホール(市民文化センター)において、縄文時代からアイヌ文化期へとつながる民族の成り立ちやその文化を正しく知ってもらうため、千歳アイヌ協会が主催する「ちとせアイヌ文化展」を開催し、約200人の来場がありました。
 会場では、埋蔵文化財センターが収蔵するアイヌ文化に関わる出土品や市に寄贈された遺品、アイヌ協会が復元した民具等が一堂に陳列され、来場者からは、「昔からつながる先住民族としてのアイヌのことを詳しく学べた」などの感想が寄せられました。
 今後も引き続き、市民・関係団体の意見を伺いながら、アイヌ文化普及啓発などの施策を展開してまいります。

(6 次世代半導体関連事業について)
 7月18日、ANAクラウンプラザホテル千歳において、ラピダス社の「カスタマーイベント」が開催され、美々ワールド内の「IIM-1」で製造された試作ウエハーのお披露目、さらには「2ナノメートルGAA(じーえーえー)トランジスタの動作を確認した」と発表されました。
 日本の半導体産業復活のロードマップにおいて、また1歩重要なマイルストーンを達成したことに、ラピダス社をはじめ関係者の皆様に、改めて心から敬意を表します。
 本市としましては、2年後の量産開始に向け、引き続きインフラ整備や新たな約45ヘクタールの工業団地の造成を行うなど、スピード感を持って取り組むとともに、先端半導体産業の拠点化に向けた様々な事業を着実に進めることで、更なる発展に繋げられるよう、全力で取り組んでまいります。
 9月9日には、千歳商工会議所と共催で、市内の半導体関連産業を支える既存立地企業及び新規立地企業の企業間ネットワークの構築を目的に、「ちとせ半導体関連企業交流会」を開催しました。
 交流会には、39社の立地企業から、74名にご参加いただき、盛会のうちに終了しました。
 今後も、市内立地企業の連携強化に努め、地域経済の活性化に取り組んでまいります。

(7 企業誘致等について)
 企業誘致につきましては、セントラルリーシングシステム株式会社が分譲する新千歳空港ロジスティクスセンターにおいて、札幌市に本社がある株式会社明和住建が土地売買契約を締結し、新たに立地することとなりました。同社は、倉庫を建設する予定としており、操業開始時期は令和7年11月頃と伺っております。
 これにより、市内工業団地への本年度の立地件数は2件となり、本市の産業振興に波及効果をもたらすことを期待しております。
 半導体関連企業のオフィス進出状況につきましては、半導体製造装置の保守・メンテナンス等を行う「芝浦エレテック株式会社」及び「日本エバテック株式会社」が、それぞれ市内にサービス拠点を設置しました。
 今後も、企業ニーズの把握に努めるとともに、きめ細かな支援を通じて、半導体関連企業の集積に向けて取り組んでまいります。

(8 将来ビジョンの実現に向けた包括連携協定の締結について) 
 9月9日に株式会社北洋銀行と、また本日、株式会社北海道銀行と、それぞれ「将来ビジョンの実現に向けたまちづくりに関する包括連携協定」を締結しました。 
 これらの協定は、企業進出の促進や地域経済の活性化などの分野で連携することにより、本年2月に策定した「千歳市将来ビジョン」の実現に向けたまちづくりに寄与することを目的としており、今後、様々な分野にわたり連携した取組を進めてまいります。 

(9 自衛隊の体制強化を求める活動について)
 国際情勢の影響により、北方の安全保障環境が厳しさを増していることを踏まえ、防衛政策における北海道の重要性を改めて強く訴えることなどを目的に、7月17日、「北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会」として、防衛省及び関係国会議員に対し、防衛力整備計画等に北海道の重要性を明記することや、自衛隊の体制強化、継続的な処遇改善などについて要望しました。
 自衛隊とともに発展するまちづくりを進める本市にとって、自衛官の確保と自衛隊の体制強化は経済やまちづくりに大きく影響する重要課題であることから、引き続き北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会と連携し、道内部隊の体制強化や自衛官の処遇改善に積極的に取り組んでまいります。

(10 防災訓練等について)
 9月6日、千歳市防災学習交流センターそなえーるにおいて、「千歳市総合防災訓練」を実施し、自主防災組織や町内会、防災関係機関などから1,348人の参加がありました。
 今年度は前年度に引き続き「防災フェスタ」と同時開催とし、新たに実施した「ウルトラ防災クイズ」や降雨・浸水等の疑似体験、防災車両・資機材や備蓄品、災害時に活用可能なキャンプ用品などの展示を行い、楽しみながら防災への関心を高める機会となりました。
 今後も継続的な訓練を通じて、市民と関係機関の相互理解を深め、「災害に強いまち・ひとづくり」を推進してまいります。

(11 災害時の協定について)
 8月28日、三井住友海上火災保険株式会社及び一般社団法人日本キッチンカー経営審議会の三者で「防災連携に関する協定」を締結しました。
 この協定は、災害発生時に、損害調査結果の提供を受け、本市の被害調査に役立てるとともに、避難所等においてキッチンカーでの炊き出しを行うなど、連携して被災者支援の充実を図るものです。
 今後も、災害に強いまちづくりを目指し、関係する団体や企業等との協定締結を進めてまいります。

(12 長都駅前交番の設置について)
 8月27日、北ガス文化ホールにて開催された「千歳警察署管内における交番の効果的な運用等に関する地域説明会」において、北海道警察より、これまで市と市議会が一体となって、長年に渡り要望を行っていた、JR長都駅前における交番を、令和9年4月以降に整備する旨の報告がありました。
 今後も警察と連携して、地域住民が安全で安心して暮らせるよう努めてまいります。

(13 第48回千歳市老人福祉大会について)
 9月11日、北ガス文化ホールにおいて、市と千歳市老人クラブ連合会の主催により、永年にわたり社会に貢献されてきた高齢者を敬い、長寿をお祝いするとともに、高齢者の地域社会参加と生きがい活動の促進を目的に、「第48回千歳市老人福祉大会」を開催し、162名が来場されました。
 当日は、「いきいき百歳体操実践者表彰」、「千歳市老人クラブ連合会功績表彰」のほか、向陽台ファミリークリニック院長の 中島 徹(なかじま とおる) 医師による講話、老人クラブ会員による演芸発表等を行い、高齢者の長寿をお祝いしました。
 今後も、高齢者が住み慣れた地域で、いきいきと暮らし続けることができる地域社会の実現に努めてまいります。

(14 第31回千歳市健康まつりの開催について)
 9月13日、北ガス文化ホールにおいて、「今日から変わる、わたしの毎日。」をテーマに、「第31回千歳市健康まつり」を開催し、450名が来場されました。
 本イベントでは、手軽にできる健康チェックの実施や、日常生活に役立つ健康情報の提供などを通じて、子どもから大人まで幅広い世代の皆様に健康への関心を深めていただけたものと認識しております。
 今後も、このような取組を通じて、健康の維持・増進のきっかけを提供できるよう努めてまいります。

(15 こども誰でも通園制度の開始について)
 保育所などへの通園の有無に関わらず、乳幼児期の全てのこどもの育ちを応援するとともに、全ての子育て家庭に対する支援を強化することを目的に、令和8年度から、全国で本格実施される「こども誰でも通園制度」について、利用ニーズや課題を整理するため、本年8月から「2施設」において先行実施しました。
 また、10月1日からは「2施設」を加え、合わせて「4施設」となる見込みであり、今年度中の早期の拡大に向け、継続して事業者と協議を進めてまいります。

(16 千歳市児童館・学童クラブ合同まつり「すまいるパークちとせ」について)
 7月27日、北ガス文化ホールにおいて、児童館・学童クラブ運営業務を委託している、公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会などとともに、千歳市児童館・学童クラブ合同まつり「すまいるパークちとせ」を開催しました。
 当日は、約1,800人にご来場いただき、市内の児童館及び学童クラブのこども達が様々なテーマに応じて企画した「巨大めいろ」や「おばけやしき」、「人形劇」などのブースに加え、千歳空港開港100年記念モザイクアートの作成などを楽しんでいただきました。
 今後も、委託事業者と連携を図りながら、児童館・学童クラブに通うこども達と地域社会との交流を深め、こどもの自主性や成長につながる取組を行ってまいります。

(17 千歳市民夏まつりについて)
 7月19日から8月20日までの33日間にわたり、「翔んでちとせ、舞ってまつり!」をテーマに、「千歳市民夏まつり」が開催されました。期間中は「2025スカイ・ビア&YOSAKOI祭」をはじめ、「千歳市民花火大会」、各商店街や駐屯地の夏まつり、「千歳市民納涼盆踊り大会」など、魅力あるイベントが繰り広げられ、市民や観光客などで賑わいました。
 夏まつりのオープニングとなる「スカイ・ビア&YOSAKOI祭」では、3日間で2万人が来場し、最終日の「千歳市民納涼盆踊り大会」には、22団体と個人を合わせ、約1,100人が参加するなど、盛況のうちに夏まつりを終了することができました。
 各商店街、企業、関係団体及び市民の皆さまの熱意あふれる取組や協力に対し、心から感謝申し上げますとともに、今後も、交流の輪が広がるよう、夏まつりの魅力向上に努めてまいります。

(18 千歳のまちの航空祭について)
 9月7日に開催された「千歳のまちの航空祭」では、F-15などの展示飛行が行われたほか、会場内では、機甲太鼓などのステージイベント、自衛隊に関連する器材の展示などが行われ、市内外から来られた多くの方で賑わいました。
 また、グリーンベルトでは、「空と川のアウトドアフェスティバル2025」を市民団体などと連携して開催し、空のまち「千歳」を全国に発信するため、航空祭をまち全体で盛り上げました。

(19 農作物の生育状況について)
 農作物の生育状況につきましては、春先の断続的な降雨や気温低下の影響により、平年より農作業に遅れが生じましたが、その後、生育は持ち直し、8月6日に実施した「農作物生育状況調査」においては、平年並みの収穫が見込まれることを確認しました。
 今後も台風などの影響がなく、好天に恵まれ、豊穣の秋となることを期待しております。

(20 姉妹都市との交流について)
 ダイモンド高校長期交換留学事業の第3期留学生として、8月11日に千歳高校2年生の石井 怜莉(いしい さとり)さんがアンカレジ市に向けて出発し、8月20日にはダイモンド高校からジャズミン・ウィスイーさんが来千しました。
 それぞれの留学生は、約10か月間ホームステイをしながら、石井さんはダイモンド高校へ、ウィスイーさんは千歳高校に通学するほか、市内各種イベントへの参加など、市民との交流も予定しており、姉妹都市交流の架け橋となってくれることを期待しております。

(21 支笏湖チップ釣りについて)
 6月1日に解禁した支笏湖チップ釣りは、8月31日に事故なく無事終了しました。
 漁獲数につきましては、過去最高であった昨年の20万4,438尾よりも56.8パーセント少ない8万8,245尾となり、出漁数につきましても、前年の4,402隻を1パーセント下回り、4,355隻となりました。
 支笏湖チップ資源の保護・増殖につきましては、国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産資源研究所や北海道などからの助言をいただきながら資源動向の把握に努め、支笏湖漁業協同組合などと連携し、取り組んでまいります。
 また、今後も引き続き関係者と連携を図りながらプロモーション等を通じ支笏湖チップのブランド強化に向け努めてまいります。

(22 ホクレン・ディスタンスチャレンジ2025千歳大会について)
 7月12日、陸上競技の中長距離大会「ホクレン・ディスタンスチャレンジ2025千歳大会」が、青葉陸上競技場を会場に開催されました。
 当日は、天候に恵まれ、約300人のエントリーのもと全10レースが実施され、本市が持つ道内外からのアクセスの優位性や良好なトレーニング環境等を全国にアピールする絶好の機会となりました。
 運営に協力いただいた千歳陸上競技協会をはじめ、関係者の皆さまに感謝申し上げますとともに、今後も継続的に開催できるよう、日本陸上競技連盟との連携を強化し、更なる合宿・大会誘致の推進と交流人口の拡大に努めてまいります。

(23 全国高等学校総合体育大会について)
 7月23日から8月20日までの間、高校生最大のスポーツ大会である全国高校総体が、中国ブロック5県を中心に開催されました。
 本市からは、日本航空高校北海道校女子バスケットボール部が創部わずか3年目にして、全国の名だたる強豪校を相手に果敢に挑み、見事、準優勝に輝きました。
 また、千歳北陽高校3年生の上中屋敷 航太(かみなかやしき こうた)さんが男子レスリング135キログラム級でベスト8に進出したほか、同校3年生の吉野 圭祐(よしの けいすけ)さんが男子200m平泳ぎに、同校3年生の木村 日菜乃(きむら ひなの)さんが女子レスリング53キログラム級に、同校2年生の若狭 小太朗(わかさ こたろう)さんが男子レスリング92キログラム級に、同校2年生の三明 日香(さんみょう はるか)さんが女子レスリング68キログラム級に、千歳高校3年生の市川 桜大(いちかわ おうだい)さんが、テニス男子シングルスに出場されました。

(24 日本ジュニアゴルフ選手権について)
 8月20日から22日までの間、日本ジュニアゴルフ選手権が埼玉県にある霞ヶ関カンツリー倶楽部で開催されました。
 本市からは、北海道内の予選を勝ち抜いた、日本航空高校北海道校1年生の小林 聖(こばやし ひじり)さんが女子15~17歳の部に出場されました。
 出場した選手の皆さんは、日頃の練習の成果を存分に発揮し、北海道代表としてベストを尽くし、健闘されました。今後の活躍を心より期待しております。

(25 スポーツ合宿誘致活動について)
 9月13日から21日まで東京で開催中の「世界陸上競技選手権大会」に参加する日本代表選手が、8月中旬から9月上旬にかけて強化合宿を行いました。
 日本代表選手の合宿地として選定されたことは、本市にとって、大変、名誉なことであるとともに、合宿誘致の更なる促進や市民スポーツの振興、交流人口の拡大につながるものと期待しているところであります。

(26 公共工事の進捗状況について)
 公共工事の進捗状況について、北栄団地3号棟外部改修工事や青葉中学校(校舎)防音機能復旧工事のほか、自由ヶ丘地区や豊里地区の道路舗装工事などは工事完了に向け順調に推移しております。
 また、キウス周提墓群外構整備工事などにつきましても、契約締結及び工事着工に向けた準備を進めており、上半期(4月~9月)の目標である発注率85パーセントにつきましては、達成できる見込みとなっております。

(27 千歳市かわまちづくり計画について)
 「千歳市かわまちづくり計画」が、国土交通省のかわまちづくり支援制度に登録され、8月29日に登録証の伝達式が行われました。
 この計画は、千歳川に隣接した観光拠点であるサーモンパークと、市民の憩いの場所であるグリーンベルトとの間に連続性を持たせ、周遊性や利便性の向上を図ることで、人々が集い、賑わいのある河川空間の創出を目指すものです。
 今回の登録により、令和8年度からの5年間において、国は、「千歳川沿い遊歩道のアンダーパス化」や、「親水護岸の整備」などを実施し、あわせて市も「駐車場やトイレ、案内看板」などの整備を行う予定としております。
 また今後、都市・地域再生等利用区域の指定を受けた際には、民間事業者によるオープンカフェが通年で可能となるなど、河川空間の多様な利活用の促進に向け取り組んでまいります。

(28 札幌圏消防指令センターの運用開始について)
 9月12日から、本市を含めた札幌圏、8市町村の119番通報を集約する「札幌圏消防指令センター」の運用を開始しました。
 これにより、指令センターで各市町村の出動状況を一元的に把握することができ、救急事案の集中時や火災の規模が拡大した際、大規模災害発生時などの相互応援の迅速化が図られるほか、特殊車両、資機材などの広域的な運用が可能となります。
 今後も札幌圏の消防本部と連携しながら円滑な通信指令業務の運用を図るとともに、引き続き消防力の強化に努めてまいります。

(29 決算について)
 令和6年度の決算につきましては、一般会計で、ふるさと納税などの寄附金や工業団地の土地売払収入の増など、歳入の確保や経費の節減、創意工夫などに努めた結果、収支不足分として予算で措置した3億2,798万8千円を財政調整基金から繰入れることなく決算を終え、実質収支額18億565万3千円の黒字となり、また、6特別会計につきましては、いずれも黒字となり、特別会計の実質収支総額は、1億5,799万2千円となりました。
 また、補正予算を活用し、急激な物価高騰の影響を受けた市民生活への支援等に取り組む一方、千歳市財政標準化計画を着実に推進した結果、資産・債務状況では、実質公債費比率が前年度に比べ減少し、将来負担比率が前年度に引き続き算定されませんでした。
 今後も多様で安定的な市民サービスを提供するため、強固で持続可能な財政基盤の確立を進めてまいります。
 水道事業会計につきましては、工場用、営業用や家庭用の有収水量が増加したため、有収水量全体においては前年度を2.7パーセント上回り、給水収益は対前年度比2.9パーセントの増の18億5,779万7千円となり、単年度収支は1億1,164万円の純利益を計上しました。
 その結果、未処分利益剰余金は、令和5年度からの繰越利益剰余金と合わせて1億3,436万6千円となり、このうち剰余金処分として、減債積立金に1億1,160万円を積み立てることとしております。
 下水道事業会計につきましては、営業用や家庭用が増加したため、有収水量全体においては前年度を1.3パーセント上回り、下水道使用料は対前年度比1.5パーセントの増の14億5,485万9千円となり、単年度収支は8,488万4千円の純利益を計上しました。
 その結果、未処分利益剰余金は、令和5年度からの繰越利益剰余金と合わせて1億3,903万6千円となり、このうち剰余金処分として、減債積立金に1億1,480万円を積み立てることとしております。
 今後も「千歳市水道事業経営計画」及び「千歳市下水道事業経営計画」に基づき、施設の適切な維持管理と更新により、良質な水の安定供給と衛生的で快適な生活環境の確保に努めるとともに、持続可能な事業運営を目指し、経営基盤の強化を図ってまいります。
 病院事業会計につきましては、高度医療の推進により入院、外来ともに1人当たりの診療単価は増加したものの、病院の患者数は新型コロナウイルス感染症流行前の水準まで回復していないことに加え、出生数の減少や対象疾患の減少などにより、入院、外来ともに患者数は減少し、事業収益は3,843万1千円の減少となりました。
 事業費用においては、物価の高騰が続いていることに加え、診療体制の充実や会計年度任用職員への勤勉手当の支給開始、人事院勧告に基づく給与改定の影響などにより給与費が増加したことなどから、前年度に比べ2億7,376万5千円の増加となり、単年度収支においては5億4,237万円の純損失を計上することとなりました。
 医療を取り巻く情勢は極めて厳しい状況が続いておりますが、「経営強化プラン」に基づく取組を着実に進めるとともに、さらなる経営改善に取り組み、健全で安定した経営基盤の確立に努めてまいります。

 以上申し上げまして、行政報告といたします。

カテゴリー

公開日: