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令和7年3月市長行政報告

令和6年第4回定例市議会以降における諸般の行政をご報告申し上げます。

(1 梅沢元市長のご逝去について)
 去る1月6日、元千歳市長であり、旭日双光章を受章されている、梅(うめ)沢(ざわ) 健三(けんぞう)様がご逝去されました。

 梅沢様は、豊富な経験と卓越した識見をもって、昭和62年に第4代千歳市長に当選以来、1期4年間にわたり、地方自治行政の諸問題解決に献身的な努力を傾注し、今日の自治基盤の確立に尽力されました。

 この間、市民に親しまれ信頼される公平かつ公正な市政を目指し、市立図書館の新築移転や道央テクノポリス開発計画の承認などをはじめとする、市政の発展と住民福祉の向上に多大な貢献をされました。

 また、防衛施設周辺整備全国協議会副会長、北海道基地協議会会長、北海道空港協会会長などの要職を歴任され、そのご功績は高く評価されております。

 梅沢様の不屈の信念と情熱あふれる行動力を忘れることは出来ません。

 ここに、改めて深甚なる哀悼の意を表し、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

※「梅」のつくりについて、下部は「母」

 

(2 市功労者のご逝去について)
 このたび、千歳市功労者、鈴木(すずき) 愛子(あいこ) 様が1月13日に、石井(いしい) 博(ひろ)美(み) 様が1月21日にご逝去されました。
 鈴木 様は、千歳市保護司会副会長及び会長として、犯罪や非行をした人たちの社会復帰に向けた更生保護に指導的役割を果たされるなど、社会福祉の増進に貢献をされました。
 石井 様は、千歳市議会議員として、総務文教常任委員会副委員長、基地周辺整備特別委員会委員長などを歴任され、市政各般にわたり多大な貢献をされるなど、市民生活の安定に尽力されました。

 ご逝去されましたお二方の長年にわたるご努力とそのご功績は誠に大きなものがあり、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

 

(3 JR北海道への要望について)
 2月3日、市議会と合同でJR北海道本社を訪問し、「JR長都駅のプラットホームの拡張及び上屋の設置」のほか、「千歳駅を含む高架橋耐震補強工事の早期実施」、「空港発特別快速エアポート最終便のJR千歳駅への停車」などを求める要望活動を行いました。

 JR北海道においては、これまで、長都駅ホームの狭隘化に対応するため、ホーム柵の移設やホームの一部拡幅など、待合環境の改善を行っていただいておりますが、今後、半導体関連企業の集積に伴い、千歳駅や長都駅の利用者の増加が見込まれるなど、社会情勢が変化している中で、市内JR駅の利便性向上はまちの発展につながる重要な要素でありますことから、引き続き、市議会と連携を図りながら、JR北海道へ要望活動を行ってまいります。

 

(4 新千歳空港について)
 新千歳空港における令和6年の乗降客数は、国内線が2,044万人で前年比3.8パーセントの増、国際線が352万人で前年比37.6パーセントの増、全体として2,396万人で前年比7.7パーセントの増となりました。
 直近の旅客数は、国内・国際ともにコロナ前を上回る水準まで回復しており、新規エアラインの参入や新規路線の就航も拡大しております。

 引き続き、北海道や空港運営事業者などと連携し、空港機能の高度化や航空路線の維持、拡充に取り組んでまいります。

 

(5 空港開港100年記念事業について)
 12月8日、空港開港100年記念として市民が参加を希望する事業を検討するため、千歳市空港開港100年記念「市民ワークショップ」を開催しました。
 当日は、約40人の市民が参加し、記念となる節目をまち全体で祝賀する音楽イベントの開催や、子どもたちが空港や航空に興味関心を持つための紙飛行機を活用したイベントなどの提案があり盛会のうちに終了しました。

 提案事業は、今後、千歳市空港開港100年記念事業実行委員会で検討するとともに、ワークショップ開催にあたり協力いただいた、実行委員会の皆さまに感謝申し上げます。

 

(6 次世代半導体関連事業の進捗状況について)
 ラピダス社の立地によるまちの変化や、産業や人口などへの影響についての調査・分析結果とともに、将来のまちづくりに向けた3つのコンセプトなどを描いた「千歳市将来ビジョン」をこのたび策定しました。

 このビジョンは、「本編」に加え、ポイントを整理した「概要版」、3つのコンセプトをテーマとした「コンセプトムービー」を作成し、「市のホームページ」や「半導体情報ウェブサイト」に掲載したほか、SNSによる情報発信を行ったところです。

 今後は、様々な機会を通じてビジョンの内容を紹介する予定であり、市民や事業者の皆さまに理解、共感いただくことで、さらなるまちの発展に繋げてまいります。

 IIM-1建設工事の進捗状況につきましては、現在、現場には3,500~3,600人の作業員等が従事し、内装・外装工事、設備工事などが進められ、パイロットライン稼働までの工事全体の進捗率としては、本日時点で93.6パーセントであり、建設スケジュールどおり順調に進んでいると伺っております。

 2月19日には、昨年度に引き続き、国に対して行った「次世代半導体生産拠点インフラ整備に関する要望活動」が実り、本市の下水道及び道路整備事業に対し、国の令和6年度補正予算における「地域産業構造転換インフラ整備推進交付金」の配分が決定されました。

 また、ラピダス社の試作ラインに必要な水を供給する水道工事につきましては、工事が順調に進み、3月末に予定していた通水を1ヶ月前倒し、2月28日に通水式が執り行われました。

 来月からのパイロットライン稼働に向け、建設中の「IIM―1」では半導体製造装置の搬入・設置作業が佳境を迎えていることから、事業者と連携しながら必要な対応を行っていくとともに、2年後に予定されている量産稼働に向けて、引き続き下水道及び道路等のインフラ整備を着実に推進してまいります。

 

(7 国民保護勉強会について)
 昨年度、本市が実施した国民保護図上訓練等の実施成果を周辺自治体等と共有し、緊急時に連携した応急対策を行うことを目的に、2月5日に、防災学習交流センター そなえーるを会場として、「近隣自治体等との国民保護勉強会」を実施しました。

 本検討会には、近隣6市町(恵庭市、北広島市、苫小牧市、札幌市、長沼町、安平町)の防災担当者のほか、北海道、自衛隊、警察、消防など、28の関係機関、計75人が参加し、弾道ミサイルの特性や落下時の初動対処などについて、認識共有を図ることができました。

 国民保護事案や大規模災害時においては、一市町村のみでの対応は困難であることから、今後も北海道、近隣市町村、関係機関と連携し、取組を進めてまいります。

 

(8 災害時の協定について)
 令和6年12月16日に、株式会社アールブイランド及び北海道ノマドレンタカー株式会社と「災害時におけるキャンピングカー等の提供に関する協定」を締結しました。
 この協定は、災害発生時において、キャンピングカーやその他レンタル資器材等の提供を受け、応急避難や救援活動等に役立てるものです。

12月18日には、千歳液化石油ガス協同組合と
 「災害時における燃料等の供給に関する協定」を締結しました。
 この協定は、災害発生時において、住民生活の早期安定を図るため、燃料等の供給に関し必要な事項を定めたものです。

 本年1月23日には、株式会社ダイイチと「災害時における応急生活物資等の供給に関する協定」を締結しました。
 この協定は、災害発生時において、食料や飲料、生活物資等の供給を受け、被災者支援の充実に役立てるものです。

 今後も、災害に強いまちづくりを目指し、関係する団体や企業等との協定締結を進めてまいります。

 

(9 企業誘致について)
 企業誘致につきましては、昨年12月に、大阪府に本社があります伊藤忠商事株式会社と、東京都に本社があります伊藤忠都市開発株式会社が、共有名義で用地を取得し、流通業務団地に立地することとなりました。
両社は、物流倉庫を建設する予定としており、操業開始は令和9年4月頃と伺っております。

 これにより、令和6年度の市内工業団地への立地件数は、14件となり、本市の産業振興に波及効果をもたらすことを期待しております。

 また、半導体関連企業のオフィス進出状況につきましては、昨年12月に、半導体製造装置のメンテナンスサービス等を行う「株式会社SCREEN(スクリーン) SPE(エスピーイー)サービス」、精密測定機器の販売・校正・修理メンテナンスを行う「株式会社ミツトヨ」、製造・設計開発の人材派遣・請負事業を行う「UT(ユーティー)エイム株式会社」及び、半導体製造装置事業を行う「ラムリサーチ合同会社」が、それぞれ市内にサービス拠点を設置したところです。

 今後も、企業ニーズの把握に努めるとともに、きめ細かな支援を通じて、半導体関連企業の集積に向けて取り組んでまいります。

 

(10 姉妹都市との交流について)
 令和6年度ミアーズ中学校交流事業及びダイモンド高校短期派遣事業として、本市の中学生13人、高校生1人が、1月6日から13日までの8日間にわたり姉妹都市のアンカレジ市を訪問しました。
 滞在中は、授業の体験やホストファミリーとの交流などを通じて、友情のきずなを深めるとともに、アンカレジの文化や習慣、歴史などを学び、参加した中学生や高校生たちは、自らの成長を実感できた大変意義のある訪問となりました。

 

(11 2025千歳・支笏湖氷濤まつり「氷の美術館」について)
 今回で47回目を迎え、北海道を代表する冬の祭典となった「千歳・支笏湖氷濤まつり」は、これまで主催してきた支笏湖まつり実行委員会と一般社団法人国立公園支笏湖運営協議会が統合し、新たな体制のもと、2月1日から2月24日までの24日間にわたり開催され、延べ約13万人が来場しました。

 本年度は、氷像制作に必要な資材費や人件費の高騰に伴う入場料の見直しをはじめ、公共交通機関への影響緩和と交通渋滞対策としてシャトルバスを運行することで、まつりの安定的な継続と2次交通の充実に向けた取組が行われたところです。
 また、多くの千歳市民に無料でご来場いただける機会として、開催前日の1月31日を「千歳市民デー」とし、1,000人を超える市民の来場がありました。

 会場では、ゼロカーボンパークに相応しいイベントとして、森林保全活動で生じた樹木を活用した氷像を制作するなど、自然との共存、環境保全に配慮した工夫が行われ、訪れた多くの観光客や市民に、氷像の美しさや豊かな自然環境など、支笏湖の魅力が広く伝わったものと考えております。

 

(12 スポーツ振興について)
 2月7日から9日まで、第37回北海道高等学校バスケットボール新人大会が、室蘭市などで開催されました。本市からは、日本航空高校北海道キャンパス女子バスケットボール部が出場し、昨年度に引き続き、見事、全道優勝を達成しました。
 出場した選手や、関係者の皆さまの今後の活躍を心より期待しております。

 また、2月11日に開催予定でありました「第49回ちとせホルメンコーレンマーチ~冬季スポーツフェスティバル~」は、雪不足により、コースや会場の整備ができず、中止となりました。

 大会開催に当たり、楽しみにされていた参加者をはじめ、大会を支えていただいている関係者の皆さまには、今後も変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

(13 火災等の発生状況について)
 令和6年の火災発生状況につきましては、出火件数は昨年より2件増加の31件で、負傷者が2人発生しましたが、死者はありませんでした。
 また、火災種別では、「建物火災」が18件で最も多く、全体の半数以上を占めているほか、「車両火災」が8件、「その他の火災」が5件で、火災による損害額は4,654万6千円となりました。

 なお、出火の原因としましては、こんろの火を消し忘れたことによるものや配線を含む電気機器の維持管理不良などが要因となっております。

 一方で、令和7年に入ってから、すでに8件の火災があり、あわせて2名の死者が発生しております。
亡くなられた方々に対し、心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、引き続き、消防関係団体と連携した広報を展開し、火災予防の普及啓発に積極的に取り組んでまいります。

 次に、令和6年の救急出動状況ですが、出動件数は4,697件、搬送人員につきましては、3,460人となっており、事故種別では「急病」が3,023件で最も多く、全体の64.3パーセントを占めているほか、次いで「一般負傷」が735件、「交通事故」が249件と続いております。

 今後も、高齢化社会の進展や、半導体関連企業等の進出による人口増加、更には人流及び物流の活性化などにより、救急需要は益々増加することが見込まれます。このことから本市消防を取り巻く環境変化に応じて、迅速的確かつ丁寧な救急対応に努めてまいります。

 

(14 消防総合庁舎の大規模改修について)
 消防総合庁舎の大規模改修工事が、令和6年12月に完了しました。今回、庁舎の長寿命化と合わせて、防火服等を着装するための出動準備室や、水難、山岳救助、特殊災害の装備品を集約した資機材保管庫の新設など、災害対応における機能性の向上を図ったものであります。
 今後も災害対応に向けて、必要な施設や機材の計画的な整備に取り組んでまいります。

 以上申し上げまして、行政報告といたします。

 

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