令和6年第2回定例市議会以降における諸般の行政をご報告申し上げます。
(1 はじめに)
7月26日から9月8日の間、フランスのパリで夏季オリンピック・パラリンピックが開催され、最高気温36度に達する猛暑の中、各種競技で熱戦が繰り広げられました。
合宿や大会を通じ、本市へ、多くのトップレベルの選手に来ていただいており、千歳川沿いを走る選手の姿が千歳の夏の風物詩となっておりますが、パリオリンピックにおいては、男子マラソンの小山 直城選手、男子3000m障害の青木 涼真選手、女子5000mの山本 有真選手をはじめ、本市で最終調整を行った選手が出場し、多くの感動や勇気をいただきました。
陸上競技を中心に合宿や大会誘致を進める本市にとりましても、このような選手が、大舞台で活躍することは、合宿地冥利に尽き、関係者並びに合宿受け入れに日頃から深いご理解をいただいている市民の皆さまに心から感謝を申し上げます。
今後も、市民をはじめ、本市にゆかりのある方が、さまざまな分野で活躍され、スポーツ振興や交流人口の拡大につながることを期待しております。
(2 千歳駅前広場再整備事業について)
千歳駅前広場再整備事業につきましては、広場内バスレーンにおける歩行者の乱横断などの課題を解決し、歩行者の安全を確保するとともに、路線バスの利便性向上や賑わい空間を創出するため、昨年度に引き続き、西口広場の工事を実施しております。
今後は、西口広場のバスレーンの廃止と歩道部の改修を行うこととしており、令和7年3月末までに完了予定としております。
(3 新千歳空港について)
新千歳空港の利用状況につきましては、7月の速報値における乗降客数は、国内線が186万人で前年比101パーセント、国際線が33万人で前年比118パーセント、全体として219万人で前年比104パーセントとなっております。コロナ禍前の令和元年比では、国内線が100パーセント、国際線が83パーセントとなっており、航空需要が大幅に回復しております。
7月3日、千歳市議会と連名で今後見込まれる航空需要の増大への対処など、空港機能の高度化・高質化を求める新千歳空港の整備促進などについて、国等への要望活動を実施しました。
引き続き、空港運営事業者などと連携し、空港機能の高度化・高質化や航空路線の維持、拡充に取り組んでまいります。
(4 空港開港100年記念ロゴマーク及びキャッチフレーズについて)
令和8年10月22日に空港開港から100年の節目を迎えますことから、空港開港100年をPRするため、ロゴマークとキャッチフレーズを公募したところ、ロゴマーク528件、キャッチフレーズ2,289件の応募があり、市民投票を経て受賞作品が決定し、9月8日、新千歳空港で開催された「空の日」イベントでお披露目を行いました。
ロゴマークは、市内みどり台の脇江 大輝さんの作品が、また、キャッチフレーズは、兵庫県加古川市の内橋 弘文さんの"翼に夢を乗せて次の100年へ"が、最優秀賞に決定し、今後、千歳市空港開港100年記念事業実行委員会が作成する啓発物品等で活用し、空港開港100年に向け、機運の醸成を図ってまいります。
(5 日独西共同訓練及び日独共同訓練について)
7月19日から20日までの期間において、国内で初となる航空自衛隊、ドイツ空軍及びスペイン航空宇宙軍との共同訓練、また、7月22日から25日までの期間において、航空自衛隊とドイツ空軍の共同訓練が実施されました。
市といたしましては、6月25日に行われました国の報道発表以降、市民への周知、関係機関との情報共有や騒音の測定などに努め、事故等もなく無事終了しております。
今後につきましても、市民生活の安全・安心の確保に努めてまいります。
(6 次世代半導体関連事業の進捗状況について)
8月22日に、北ガス文化ホールにおいて、ラピダス株式会社の事業をはじめとした「次世代半導体プロジェクト」に対する理解促進を目的として、「次世代半導体プロジェクト説明会」を開催し、市民をはじめ約340名のご参加をいただきました。
この説明会では、経済産業省から我が国の半導体政策動向、ラピダス社から次世代半導体プロジェクトの概要や最新の進捗状況、NTTコミュニケーションズ株式会社から半導体が支える最新の技術や将来実現が見込まれる新たなサービスなどについてそれぞれご講演をいただき、市からは市内の現状と半導体関連企業の立地に関する受入状況などについて説明しました。
講演後には、事前にいただいた参加者からの質問に応じるなど、市民理解の促進に努めております。
建設工事の進捗状況につきましては、引き続き、地上躯体工事、内装・外装工事、設備工事などが進められており、工事全体の進捗率としては51.6パーセント、建設スケジュールどおり順調に進んでおります。
作業員等は、本日時点において、現場に3,700~3,800人が従事しており、現場周辺の交通渋滞は無く、作業員等の居住も、賃貸物件を中心に仮設宿舎の建設やホテルなどの利用により確保され、今後、4,000人程度まで増え、10月にピークを迎える見込みとなっております。
地元自治体としては、ラピダス社の円滑な操業に向けて、引き続き、道路などの周辺インフラ整備についても着実に推進し、この国家プロジェクトに貢献してまいります。
(7 自衛隊の体制強化を求める活動について)
ロシアがウクライナ侵略を継続する中で、北方領土を含む極東地域での活発な軍事活動を行うなど、北方の脅威が、これまで以上に懸念されることを踏まえ、防衛政策における北海道の重要性を改めて強く訴えることなどを目的に、7月10日、「千歳市における自衛隊の体制強化を求める期成会」として、千歳市防衛議員連盟の皆さまとともに、防衛省及び関係国会議員に対し、自衛隊の体制強化や本市への新編部隊等の配置、厳しい募集環境を踏まえた自衛隊員の処遇改善などに関する要望活動を行いました。
7月18日には、「北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会」として、防衛省、自由民主党本部、道内選出国会議員に対し、北海道全体の声として、防衛力整備計画等に北海道の重要性を明記することや、自衛隊の体制強化などについて要望しました。
自衛隊とともに発展するまちづくりを進める本市にとって、自衛隊の体制強化は、経済やまちづくりに大きく影響する重要な課題でありますことから、引き続き、北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会等と連携しながら、道内部隊の体制強化や新編部隊の配置、厳しい募集環境の中、人材確保に直結する自衛官の処遇改善などの活動に、積極的に取り組んでまいります。
(8 防災訓練等について)
本年1月25日に実施した国民保護図上訓練の結果を踏まえ、関係機関との初動対処要領の具体化を目的として、8月5日、市役所第2庁舎の会議室において、国民保護検討会を開催しました。
検討会には、初動対処の核となる消防や市民病院等の市対策部のほか、自衛隊、警察の7機関33名が参加し、偶発的な弾道ミサイル落下時における初期隔離ゾーンの設定要領などについて、認識共有を図りました。
今後においても、関係機関との連携を深め、継続した取組を進めてまいります。
9月7日、防災学習交流センターそなえーるにおいて、市民の防災意識の高揚、市と防災関係機関との連携強化等を目的とした「千歳市総合防災訓練」を実施しました。
今年度の総合防災訓練は、昨年度に引き続き、そなえーるが実施している「防災フェスタ」と同時開催とし、子どもたちを対象に防災シールラリーを行ったほか、高台小学校の4年生に、土曜授業を活用し参加いただくなど、幅広い年齢層に向けて防災意識の普及啓発に取り組んだほか、各防災関係機関が所有する災害対応車両や資機材等の展示、災害時に開設される避難所などの疑似体験、自衛隊、警察、消防による、「偶発的な弾道ミサイル落下時の初動対処に関する行動展示」を実施しました。
当日は、自主防災組織や町内会、防災関係機関など、約1,050人の皆さまにご参加いただき、防災に関する意識の向上や知識を習得していただく機会になったものと考えております。
今後も、継続的な訓練の実施により、市民と防災関係機関や協力機関等との相互理解を深め、「災害に強いまち・ひとづくり」を推進してまいります。
(9 千歳市民夏まつりについて)
「千歳市民夏まつり」につきましては、「GOOD DAY」をテーマに、7月13日から8月23日までの42日間にわたり開催され、期間中は「2024スカイ・ビア&YOSAKOI祭」をはじめ、「ちとせ川ビール祭り」、「千歳市民花火大会」、各商店街の夏まつりなど、魅力あるイベントが繰り広げられ、市民や観光客などで賑わいました。
「スカイ・ビア&YOSAKOI祭」については、3日間にわたり開催し、3万1千人が来場しました。
最終日に予定されていた「千歳市民納涼盆踊り大会」は、残念ながら雨天により中止となりましたが、夏まつり全体としましては、多くの市民の皆さまに楽しんでいただき、盛況のうちに終了することができました。
各商店街、企業、関係団体及び市民の皆さまの熱意あふれる取組や協力に対し、心から感謝申し上げますとともに、今後も、交流の輪が広がるよう、夏まつりの魅力向上に努めてまいります。
(10 千歳のまちの航空祭について)
9月15日に開催された「千歳のまちの航空祭」では、曇り空の中の開催となりましたが、ブルーインパルスやF-15などの展示飛行が行われたほか、会場内では、よさこい演舞や機甲太鼓などのステージイベント、自衛隊に関連する器材の展示などが行われ、市内外から来られた多くの方で賑わいました。
また、グリーンベルトでは、航空祭当日に、市や日本航空大学校などが連携し、「空と川のアウトドアフェスティバル2024」を開催し、空のまち「千歳」を全国に発信するため、航空祭をまち全体で盛り上げました。
(11 農作物の生育状況について)
農作物の生育状況につきましては、本年は雪解けが早く、農作物の作付けは順調に進みました。
生育期となる5月から7月中旬における降水量は平年より少ないものの、気温や日照時間は平年より高く推移したことから、8月6日に実施した「農作物生育状況調査」では、総体として順調に生育しており、平年並みの収穫が見込まれることを確認しました。
今後も台風などの影響がなく、好天に恵まれ、豊穣の秋を迎えられることを期待しております。
(12 企業誘致について)
企業誘致につきましては、5月下旬から9月にかけて、4社と土地売買契約を、1社と事業用定期借地権設定契約をそれぞれ締結したほか、北海道空港株式会社が分譲する新千歳空港ロジスティクスセンターにおいても新たに1社が立地することとなりました。
流通業務団地においては、東京都に本社があります能美防災株式会社が、5月に本市と土地売買契約を締結し、本市に立地することとなりました。同社は、防災設備の販売や設置工事などを行うこととしており、操業開始時期は令和7年6月頃と伺っております。
次に、市内で立地操業している新千歳運輸株式会社が、6月に本市と土地売買契約を締結し、流通業務団地に立地することとなりました。同社は、一般貨物運送事業を行っており、事務所及び駐車場用地として7月から操業を開始しております。
次に、東京都に本社がありますシービーアールイー株式会社が設立した千歳ヤマセミ特定目的会社と9月に土地売買契約を締結し、流通業務団地に立地することとなりました。同社は、物流倉庫を建設する予定としており、操業開始は令和8年10月頃と伺っております。
根志越業務団地においては、市内で立地操業しているドッグボンド株式会社が、6月に本市と土地売買契約を締結し、根志越業務団地に立地することとなりました。同社は、ペットフードの製造や販売などを行っており、操業開始時期は令和6年10月頃と伺っております。臨空工業団地においては、同団地内で立地操業している株式会社ホンダユーテックが、6月に本市と事業用定期借地権設定契約を締結し、事業の拡大に伴う新たな車両スペースとして、同団地内において事業用地を拡張しました。
新千歳空港ロジスティクスセンターにおいては、北海道空港株式会社とDHLeコマースジャパン株式会社が5月に土地売買契約を締結し、本市に立地することとなりました。同社のグループ会社であるDHLサプライチェーン株式会社が使用する物流倉庫を建設する予定としており、操業開始時期は令和9年2月頃と伺っております。
これにより、令和6年度の市内工業団地への立地件数は、9件となり、本市の産業振興に波及効果をもたらすことを期待しております。
また、半導体関連企業の本市への立地状況については、本年6月に、半導体製造用イオン注入装置の製造・販売を行う「アクセリス・テクノロジー株式会社」が市内にサービス拠点を設置したほか、7月には、電気通信事業を行う「NTTコミュニケーションズ株式会社」及び、情報通信機器の製造を行う「NTTイノベーティブデバイス株式会社」が市内に共同で事務所を設置し、8月には、産業空調自動制御設備や中央監視設備の設計施工を行う「株式会社アルファス計装」が市内に事業所を設置し、さらに今月には、世界最先端の半導体露光装置の製造・販売を行う「エーエスエムエル・ジャパン株式会社」が、市内にサービス拠点を設置しました。
今後も、きめ細かな企業ニーズの把握などを通じて、半導体関連企業の集積に向けて取り組んでまいります。
(13 姉妹都市や友好親善都市等との交流について)
ダイモンド高校長期交換留学事業の第2期留学生として、8月10日に千歳高校2年生の川島 大知さんがアンカレジ市に向けて出発し、8月21日にはダイモンド高校からレベッカ・マッカラさんが来千しました。
それぞれの留学生は、10か月間ホームステイをしながら川島さんはダイモンド高校へ、レベッカさんは千歳高校に通学するほか、市内各種イベント参加など、市民との交流も予定しており、姉妹都市交流の架け橋となってくれることを期待しております。
今年度は、アメリカ合衆国アラスカ州アンカレジ市との姉妹都市提携55周年の節目を迎えましたことから、8月25日から7日間にわたり、私のほか、議長、教育長を含む公式訪問団と、市内の和太鼓チーム「千舞泉美太鼓」による市民訪問団を結成し、総勢16名でアンカレジ市を訪問しました。
訪問中は、心温まる歓迎を受け、歓迎交流会やアンカレジ市長を表敬訪問し、姉妹都市提携55周年を機に両市の交流を一層推進することとした確認書を交わしたほか、サンドレイク公園からチトセ公園への改名式の出席、市内の小学校、高校、大学の訪問など各種の行事に参加し、多くのアンカレジ市の皆さまと交流を深めることができました。
今回の訪問では、「千舞泉美太鼓」の7名が、日本の伝統文化である和太鼓の演奏をアラスカ州の祭典である「ステートフェア」で披露するなど、新しい分野での交流ができ、両市の友好の絆を一層強めることができたものと考えております。
9月1日に、友好親善都市の長春市で開催された「2024長春国際マラソン大会」に、本市を代表し、国府田 英之さんが男子ハーフマラソンの部に、橋本 憲子さんが女子ハーフマラソンの部に参加しました。
訪問中は、心温まる歓迎を受け、多くのランナーをはじめ、長春市人民政府による歓迎交流会などを通じ、多くの長春市の皆さまと交流を深めることができました。
今後も、マラソンというスポーツ交流を通じた友好の輪がますます広がることを期待しております。
8月5日から10日までの6日間にわたり、青年海外派遣研修として、千歳市在住の大学生4名、高校生6名、引率者4名、総勢14名が、台湾の台北市などを訪問しました。
参加した学生たちは、半導体企業TSMCの博物館である「TSMC台積創新館」やパソコンメーカーである「エイサー」のショールームを見学するなど、半導体産業の世界シェアをけん引する台湾の実情を学び、本市の将来の姿を考える機会となりました。
(14 支笏湖チップについて)
6月1日に解禁した支笏湖チップ釣りは、8月31日に事故なく無事終了しました。
出漁数につきましては、昨年の4,350隻よりも 52隻増の4,402隻、漁獲数につきましても、昨年の12万4,511尾を大幅に上回る20万4,438尾となり、市が調査を開始して以来、過去最高の釣果となりました。
支笏湖チップ資源の保護・増殖につきましては、国立研究開発法人 水産研究・教育機構水産資源研究所や北海道などから助言をいただきながら、資源動向の把握に努め、支笏湖漁業協同組合などと連携し、取り組んでまいります。
また、6月28日、支笏湖漁業協同組合が平成31年2月に特許庁に出願しておりましたブランド名『支笏湖チップ』が、地域団体商標に登録されました。
これは長年にわたり、支笏湖地域が一丸となって地道な努力を積み重ねた結果であると考えております。
今後は、支笏湖漁業協同組合と連携し、地域団体商標登録を前面に出したプロモーション活動を行い、他地域との差別化を図りながら、更なるブランドの強化に取り組んでまいります。
(15 全国高等学校総合体育大会について)
7月21日から8月20日までの間、高校生最大のスポーツ大会である全国高校総体が、九州4県を中心に開催されました。
本市からは、北海道内の予選を勝ち抜いた、千歳北陽高校3年生の篠崎 由さんが水泳男子100m・200m平泳ぎに、同校1年生の笠原 渚沙さんが水泳女子800m自由形に出場されたほか、同校2年生上中屋敷 航太さんがレスリング男子125キログラム級に、同校1年生の三明 日香さんが女子68キログラム級に出場されました。
また、日本航空高校北海道キャンパス女子バスケットボール部が北海道予選会で優勝され、本大会に出場されました。
出場した選手の皆さんは、日頃の練習の成果を存分に発揮し、北海道代表としてベストを尽くし、健闘されました。今後の活躍を心より期待しております。
(16 公共工事の進捗状況について)
公共工事の進捗状況につきましては、北栄A団地1、2号棟設備改修工事やキウス周提墓群ガイダンス施設建設工事のほか、日の出地区や錦町地区の道路舗装工事など、予定どおり工事完了に向け順調に進んでおります。
また、グリーンベルト地下駐車場受変電設備更新工事や美々西通整備工事などにつきましても、契約締結及び工事着工に向けた準備を進めており、上半期の目標である発注率85パーセントを達成できる見込みとなっております。
(17 市民病院産婦人科の医療体制について)
全国的に医師不足が続く中、市民病院では、大学医局への医師派遣要請や勤務環境の改善など、医師の確保に鋭意取り組んでまいりましたが、今般、本市の実情について大学医局のご理解をいただき、産婦人科において、本年7月に常勤医師が1名増員し、さらに10月にも1名増員することが決定しました。
これにより、10月以降の産婦人科は常勤医師4名と嘱託医1名の計5名体制となり、産科医療体制の安定化に繋がるものと考えております。
今後のまちのさらなる発展による人口の増加を視野に入れつつ、住み慣れた地域で安心して出産できる体制の維持に向け、周産期医療を担う地域の基幹病院として、より質の高い安全安心な医療の提供に取り組んでまいります。
(18 決算について)
令和5年度の決算につきましては、一般会計で、工業団地の土地売払収入の増など、歳入の確保や経費の節減、創意工夫などに努めた結果、収支不足分として予算で措置した2億672万2千円を財政調整基金から繰入れることなく決算を終え、実質収支額25億2,804万5千円の黒字となり、また、6特別会計につきましては、いずれも黒字となり、特別会計の実質収支総額は、6,279万3千円となりました。
また、補正予算を活用し、急激な物価高騰の影響を受けた市民生活への支援等に取り組む一方、千歳市財政標準化計画を着実に推進した結果、資産・債務状況では、実質公債費比率が前年度に比べ改善し、将来負担比率が前年度に引き続き算定されませんでした。
今後も多様で安定的な市民サービスを提供するため、強固で持続可能な財政基盤の確立を進めてまいります。
水道事業会計につきましては、昨年5月の新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行や夏季の記録的猛暑の影響等により、家庭用や宿泊施設等の営業用の有収水量が増加したため、有収水量全体では前年度を2.2パーセント上回り、給水収益は対前年度比2.3パーセントの増の18億533万8千円となり、単年度収支は7,468万1千円の純利益を計上しました。
その結果、未処分利益剰余金は、令和4年度からの繰越利益剰余金と合わせて9,732万6千円となり、このうち剰余金処分として、減債積立金に7,460万円を積み立てることとしております。
下水道事業会計につきましては、水道事業会計と同様に、家庭用や営業用の有収水量が増加したため、有収水量全体では前年度を2.6パーセント上回り、下水道使用料は対前年度比2.8パーセントの増の14億3,356万9千円となり、単年度収支は1億1,058万4千円の純利益を計上しました。
その結果、未処分利益剰余金は、令和4年度からの繰越利益剰余金と合わせて1億6,465万2千円となり、このうち剰余金処分として、減債積立金に1億1,050万円を積み立てることとしております。
今後も施設の適切な維持管理と更新により、豊富で良質な水の安定供給と衛生的で快適な生活環境の確保に努めるとともに、「千歳市水道事業経営計画」及び「千歳市下水道事業経営計画」に基づき、持続可能な事業運営を目指し、経営基盤の強化を図ってまいります。
病院事業会計につきましては、5類感染症移行後も新型コロナウイルス感染症患者の受入病床を確保した影響はあるものの、入院患者数が2,815人、外来患者数が2,090人それぞれ増加となりましたが、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金が大幅に減少したことから、事業収益は9,566万1千円の減少となりました。
事業費用においては、患者数の増加などに伴い薬品費等の材料費が増加したことに加え、会計年度任用職員の処遇改善などにより給与費が増加したことから、前年度に比べ1億2,419万9千円の増加となり、単年度収支では2億3,017万4千円の純損失を計上することとなりました。
今後とも、医療を取り巻く情勢を的確に見極めながら、地域医療構想等を踏まえ策定した「経営強化プラン」に基づく取組を着実に進め、健全で安定した経営基盤の確立に努めてまいります。
以上申し上げまして、行政報告といたします。