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令和6年6月市長行政報告

令和6年第1回定例市議会以降における諸般の行政をご報告申し上げます。

(1 はじめに)
 昨年の4月に私が市長に就任し、1年が経過しました。本市を取り巻く状況は、目まぐるしく変化しており、駆け足で瞬く間に過ぎ去った1年であったと感じております。

 この1年を振り返りますと、ラピダス社の次世代半導体製造拠点に関する話題が連日紙面を賑わせ、全国的に注目を集めたことに加え、5月には、新型コロナウィルス感染症が5類感染症に移行となり、各種のイベントの再開や国内外から多くの方々が本市を訪れるなど、コロナ禍前以上の活気を感じております。
 一方で、エネルギー・資材をはじめとする物価高騰の長期化は、市民生活や企業活動、行政活動に影響を与えており、変化する時代に対応することが必要であると改めて実感しております。

 今後も、市民の皆さまの負託にこたえるため、安全安心で活気あふれるまちづくりを目指して取り組んでまいりますので、議員各位並びに市民皆さまのご理解とご支援をお願い申し上げます。

(2 叙勲について)
 本年春の叙勲におきましては、前市長であります山口(やまぐち) 幸太郎(こうたろう) 様が地方自治功労により旭日中綬(きょくじつちゅうじゅ)章(しょう)を受章されました。
 ここにそのご功績と栄誉をたたえ、深く敬意を表するとともに心からお慶び申し上げます。

(3 市功労者のご逝去について)
 去る3月13日に、千歳市功労者、園田(そのだ) 七五三一(しめいち) 様がご逝去されました。
 園田様は、千歳市議会議員として、議長や産業経済常任委員会委員長などの要職を歴任され、議会の円滑な運営や地方自治の伸展に尽力されました。
 また、千歳市農業委員会委員として、農地の利用調整や土地改良などに取り組まれ、農業者の生活安定に寄与されたご功績は誠に大きなものがあり、心からお悔やみを申し上げます。

(4 新千歳空港について)
 新千歳空港につきましては、令和5年度の国内線乗降客数が約2,003万人となり、昭和63年の開港以来初めて、年度別で2,000万人を超え、過去最多となりました。
 4月の乗降客数の速報値は、国内線が約132万人で対前年比0.3パーセント減、国際線が約18万人で対前年比51.5パーセント増となり、昨年5月に新型コロナウイルスが5類感染症に移行し、行動制限がなくなったことなどの影響により、需要は順調に回復しております。
 4月11日、ヤマトホールディングスと日本航空、スプリングジャパンが貨物専用機の運航を開始し、新千歳空港において就航記念セレモニーが行われました。
 当該貨物専用機は、1機あたり大型トラック6台分の輸送量に相当するとのことであり、長距離の大量輸送が可能となり、運転手不足や残業時間の上限規制が抱える課題の解消につながることを期待しております。
 4月17日、イギリスの航空関連調査会社スカイトラックスが発表した2024年国際空港評価「ワールド・エアポート・アワード2024」において、新千歳空港が過去1年で最も品質が向上した空港に贈られる「World's Most Improved Airport(ワールズ モスト インプルーブド エアポート)」部門で世界第1位を受賞しました。
 北海道エアポート株式会社の運営効率や利用者利便に対する日ごろの取組が評価されたものと考えており、今後の誘客促進につながるものと期待しております。
 引き続き、空港運営事業者や関係団体などと連携し、空港機能や航空路線の維持、拡充のほか、航空需要を喚起する取組を進め、地域経済の活性化に繋げてまいります。

(5 次世代半導体関連事業の進捗状況について)
 本市におけるラピダス社をはじめとする半導体関連事業に対して、市民の関心が大変高く、また全国的にも注目が集まっていることから、半導体関連情報を一元化したウェブサイトを、3月25日に開設しました。
 このウェブサイトには、ラピダス社の事業動向、工事情報、半導体関連情報、半導体の基礎知識、環境保全の取組、市からのお知らせ等を掲載しており、今後も適切な情報発信に努めてまいります。

 建設工事の進捗状況につきましては、地上躯体工事、内装・外装工事、設備工事などが進められ、本日時点において、現場には1,800~1,900人の作業員等が従事しており、工事全体の進捗率としては30パーセント、建設スケジュールどおり順調に進んでおります。
 なお、建設に従事する作業員の状況につきましては、ウェブサイトにて「毎週」最新情報に更新しております。
 また、鹿島建設の作業員宿舎につきましては、2棟目が完成し、1棟目と合わせて668室となり、6月上旬から入居を開始すると伺っております。
 この作業員の増加に伴い、市内経済効果が拡大するものと期待しております。

 インフラ工事に関しましては、令和7年4月のラピダス社の半導体製造工場の試作ライン稼働に合わせ、「上水道」の整備を順調に進めており、「下水道」につきましては、令和9年に予定している量産稼働に合わせ、「浄化センター」の拡張工事及び「美々ポンプ場」の設計の委託契約を締結したほか、美々地区から浄化センターまで、総延長約9.5kmの「圧送管」の整備をDB(デザインビルド)方式で工事請負契約を締結したところであります。

 工場周辺の「道路整備」につきましては、逐次、工事の発注を行うほか、工場からJRを横断し、国道36号に接続する「美々南通跨線橋」につきましては、3月27日に、北海道と「道路整備に伴う調査設計及び工事に関する基本協定」を締結し、現在、北海道において、調査設計業務に着手したところであり、令和9年度の完成に向けて進めてまいります。

 地元自治体としては、引き続き、スピード感をもって対応し、この国家プロジェクトが円滑に進むよう取り組んでまいります。

(6 災害時の協定について)
 4月1日に、ウォレットジャパン株式会社と「災害時におけるコンテナ型トイレ等の供給に関する協定」を締結しました。
 この協定は、災害発生時において、避難所等へ、ウォレットジャパン株式会社が保有するコンテナ型トイレ等の設置協力について定めたものです。

 4月10日には、株式会社AIRSTAGE(エアステージ)と「災害時におけるドローンの活用に関する協定」を締結しました。
 この協定は、災害発生時において、災害状況の迅速な把握のため、ドローンを活用した情報収集の協力について定めたものです。

 今後も、災害に強いまちづくりを目指し、関係する団体や企業等との協定締結を進めてまいります。

(7 道央廃棄物処理組合焼却施設の供用開始について)
 ごみ処理の広域化につきましては、本市を含む2市4町で構成する道央廃棄物処理組合において、本市の根志越地区に、4月1日から「道央廃棄物処理組合焼却施設」を供用開始しております。
 施設の工事につきましては、今年度が最終年となっており、先月から植栽工事が始まり、7月末までに全体の工事を完了する予定としております。
 今後も組合や構成市町と連携し、「安全」・「安心」・「安定」した、施設の管理運営を行ってまいります。

(8 幼児教育・保育施設について)
 4月1日、市内の幼稚園1施設が認定こども園に移行しました。
 本市では、保護者の就労状況にかかわらず、児童が教育・保育を一体的に受けられるよう、幼稚園等の認定こども園への移行を促進しており、これにより市内の認定こども園は21園となりました。
 今後も、幼児教育・保育の提供体制の充実に努め、子育てしやすい環境づくりを進めてまいります。

(9 東千歳地区子供クラブ「パレットの子」の開所について)
 4月8日に、東千歳地区子供クラブ「パレットの子」の開所式が行われました。
 「パレットの子」は、東千歳地区の小中学校児童・生徒の放課後の居場所として、地元の父母会の方々が中心となって、現在休所している東千歳保育所を活用して運営されており、市としても地域と一緒になって、子育てしやすい環境づくりに引き続き努めてまいります。

(10 児童発達支援センター及び医療的ケア児の支援について)
 4月1日、「千歳市児童発達支援センター」を地域における子どもの発達支援の中核機関と位置づけ、支援体制を再編しました。
 今年度からの新たな取組の一つとして、発達に気がかりのある小学校就学前のお子さんと保護者を対象に、遊びを通した支援を行う『遊びの広場「いろいろ」』を毎月開催することとしており、第1回目となる5月10日には、定員となる5組の参加がありました。
 また、4月には、医療的ケアが必要なお子さんのご家族が抱える不安感や経済的負担感を少しでも軽減していただくため、成長過程に合わせたサービスや相談先などの必要な情報を紹介する「医療的ケアが必要なお子さんと家族のための支援ガイドブック」を作成・配布しました。
 今後も子育て世代が安心して子どもを育てられる環境づくりを進めてまいります。

(11 企業誘致等について)
 企業誘致につきましては、3月から5月にかけて2社が臨空工業団地に、2社が流通業務団地にそれぞれ立地することが決定しました。
 臨空工業団地においては、東京都に本社がありますシダーフィールド合同会社との所有権移転手続きが3月に完了し、本市に立地することとなりました。同社は、ウイスキーの製造を行うための蒸留所を建設する予定となっております。
 次に、福井県に本社がありますクリーンテクノ株式会社が、4月に本市と土地売買契約を締結し、臨空工業団地に立地することとなりました。同社は、半導体製造工場向けの局所排気ダクトの製造などを行うこととしており、操業開始時期は、令和6年8月頃と伺っております。
 流通業務団地においては、東京都に本社がありますオルガノ株式会社が、4月に本市と土地売買契約を締結し、本市に立地することとなりました。同社は、半導体製造工場向けの水処理事業を行うこととしており、操業開始時期は、令和6年8月頃と伺っております。
 次に、臨空工業団地において立地操業している株式会社フルヤ金属が、5月に本市と土地売買契約を締結し、流通業務団地に立地することとなりました。同社は、半導体製造装置用の石英部品の加工製造工場を移転、拡張する予定としており、操業開始時期は令和8年2月頃と伺っております。
 これにより、令和5年度の市内工業団地への立地件数は16件、本年度の立地件数は3件となり、本市の産業振興に波及効果をもたらすことを期待しております。

 また、半導体関連企業のオフィス進出状況については、本年4月に、半導体製造装置の保守業務等を行う「内外テック株式会社」 及び その子会社である「内外エレクトロニクス株式会社」、また、製品や材料の受託分析・解析サービスを行う「一般財団法人 材料科学技術振興財団」が、それぞれ市内におけるサービス拠点の設置を発表されております。

 今後も、きめ細かな企業ニーズの把握などを通じて、半導体関連企業の集積に向けて取組んでまいります。


(12 姉妹都市・友好親善都市との交流について)
 6月1日から9日までの9日間の日程で、姉妹都市のアンカレジ市から、サンドレイク小学校の生徒17人と引率3人、保護者4人の合わせて24人が本市を訪れております。
 滞在中は、市内小学生宅にホームステイをしながら、小学校での授業体験などを通じて、日本の文化や生活習慣に触れるとともに、友情のきずなを深めているところであります。
 今回の交流事業に当たり、生徒を受け入れていただいたホストファミリーや多くの関係者の皆さまに、心から感謝申し上げます。

(13 観光入込客数の状況について)
 令和5年度の千歳市全体の観光入込客数は、約190万人、対前年度比8.6パーセントの増加となりました。
 要因といたしましては、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、人々の往来が活発化したことや、新千歳空港を発着する国際便の再開によるインバウンドの増加が、観光客数の回復に繋がったものと考えております。
 今後とも、観光動向を把握し、市内関係機関や団体と連携を図りながら、観光客の誘客に向けた取組を進めてまいります。

(14 「支笏湖チップ」釣りの解禁について)
 支笏湖のチップ釣りにつきましては、本年も6月1日に解禁となりました。
 本年の動力船使用許可申請数は336件で、8月31日までの3か月にわたる解禁期間中は、事故防止を始め、資源保護や環境保全等について、支笏湖ヒメマス釣魚対策協議会など関係機関と連携を図りながら万全を期すとともに、今後の豊漁を期待しております。

(15 支笏湖園地第5駐車場の供用開始について)
 支笏湖の利用環境の上質化とサステナブルな観光地づくりの実現のため、環境省は、支笏湖園地第5駐車場エリアの再整備工事を行い、5月1日から供用が開始されました。
 第5駐車場エリアの再整備により、芝生広場の拡充、水辺利用のための桟橋やカヌー置き場の利便性向上が図られ、また、管理においては、駐車料金や水辺エリアを利用する方からの支笏湖環境保全協力金を活用するなど、新たな仕組づくりが導入されました。
 今後、同エリアは地元の国立公園支笏湖運営協議会により、通年での一体的な管理・運用が行われ、四季折々の支笏湖の魅力を広く発信していただくとともに、水辺エリアの安全安心な適正利用が図られながら、支笏湖を訪れる多くの皆さまにも楽しんでいただけるものと、大いに期待しております。

(16 スポーツ振興について)
 令和5年度の本市におけるスポーツ合宿は、94件、4,050人となり、96件4,012人であった令和4年度と、ほぼ同規模の実績となりました。
 今後も、日本陸上競技連盟や競技団体と情報共有を図りながら、千歳市スポーツ合宿・大会誘致等推進協議会と連携し、陸上競技を中心としたスポーツ合宿の誘致を推進してまいります。
 6月2日、「第44回千歳JAL国際マラソン」が開催され、国内外から集まった5,077人のランナーが自然あふれる林間コースを駆け抜け、盛会のうちに無事終了しました。
 大会開催にあたり協力いただいた、市民ボランティアをはじめ、大会を支えていただいた多くの皆さまに感謝申し上げます。

(17 緑豊かなまちづくりについて)
 5月25日、千歳駅西口広場の花壇の整備を行いました。
 花壇は、市民のボランティア団体(千歳スクエアの会)が想いを込めた「行ってらっしゃい、おかえりなさい」など3つの特色を持ったゾーンで構成されているほか、中央には「CHITOSE」の箱文字を設置するなど、花壇を中心に千歳駅周辺が彩り豊かな一体感のある空間となり、市民や観光客の皆さまに親しんでもらえるシンボル的な場所になることを期待しております。

(18 消防総合庁舎の大規模改修について)
 現在、消防総合庁舎の老朽化に伴い、継続的な機能維持を目的とした大規模改修を行っており、4月から本工事に着手し、12月に完了する予定です。なお、工事期間中は消防本部機能を西庁舎に移転しております。
 今後も計画的な災害対応活動拠点施設の維持・強化に努めてまいります。

(19 災害用ドローンの運用開始について)
 消防において令和5年度に整備した「災害用ドローン」でありますが、指導員の養成、部内研修及び訓練を終え、3月27日から運用を開始しております。
 今後、災害用ドローンを運用しながら効果的な消防活動を展開するとともに、更なる消防力の整備、強化を進めてまいります。

(20 日本航空高等学校北海道の開校について)
 4月1日、道内初の「航空科」の全日制高等学校となる「日本航空高等学校北海道」が開校いたしました。
 これにより、市内中学生の進路の選択肢が増えたほか、将来的には新千歳空港における人材確保やまちの活性化にも繋がるものと、期待しているところであります。

(21 各会計の決算状況について)
 令和5年度の決算状況につきましては、一般会計における予算の執行率は歳入で95.5パーセント、歳出で90.5パーセントと見込んでおります。
 このうち、令和6年度への繰越明許費を除くと、歳入では101.8パーセント、歳出では96.4パーセントとなり、工業団地の土地売払収入等の増収や、経費の節減などにより、収支不足の補てん等として予算で見込んでおりました財政調整基金からの繰入れをせず決算を行い、実質収支は約25億3千万円の黒字を見込んでおります。
 歳計剰余金につきましては、地方債の繰上償還及び寄附金等の積立など、前年度繰越金として翌年度の歳入予算に編入する財源を除き、約4億6千万円を財政調整基金に積み立て、引き続き安定的な財政基盤の確立に努めてまいります。
 特別会計につきましては、6特別会計いずれも実質収支で黒字の決算見込みとなり、予算の執行率は歳入で98.0パーセント、歳出で97.6パーセントとなる見込みであります。

水道事業会計につきましては、有収水量が前年度を2.2パーセント上回り、給水収益につきましても2.3パーセントの増となったことなどにより、総収益は、対前年度比1.8パーセント増の約21億5,700万円、総費用は、対前年度比1.3パーセント増の約20億8,200万円となり、単年度収支は、約7,500万円の純利益を見込んでおります。

 下水道事業会計につきましては、有収水量が前年度を2.6パーセント上回り、下水道使用料につきましても2.8パーセントの増となったことなどにより、総収益は、対前年度比2.3パーセント増の約34億3,400万円、総費用は、対前年度比2.0パーセント増の約33億2,300万円となり、単年度収支は、約1億1,100万円の純利益を見込んでおります。

 病院事業会計につきましては、入院患者数が約2,800人、外来患者数が約2,100人とそれぞれ増加したものの、新型コロナウイルス感染症患者の受入病床を5類感染症移行後も確保したことに加え、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金が大幅に減少したことなどにより、総収益は対前年度比1.4パーセント減の約66億1,500万円となっております。
 総費用は、診療体制の充実と処遇改善に伴う給与費の増加や、患者数の増加などに伴う薬品費、診療材料費の増加などにより、対前年度比1.8パーセント増の約68億4,500万円となり、単年度収支では、約2億3,000万円の純損失を見込んでおります。

 以上申し上げまして、行政報告といたします。

 

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