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令和5年9月市長行政報告

令和5年第2回定例市議会以降における諸般の行政をご報告申し上げます。

(1 はじめに)
 記録的な猛暑となった今夏、市内各所で開催されたイベントが、コロナ禍前と同様の盛り上がりを見せ、また、新千歳空港や市内観光地の賑わいも徐々に戻ってきております。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、前年同月比で減少を続けていた本市の月別人口につきましては、本年4月1日時点で、96,965人まで落ち込みましたが、社会経済活動の回復基調を受け、9月1日時点で98,023人となり、新千歳空港の活況回復や、企業活動の活発化による雇用の創出など、人口増加につながる好循環が生まれるものと期待しております。
 今後も、本市のさらなる発展に向け、企業の立地支援や人材確保支援、移住定住の取組を進めてまいります。

(2 市功労者のご逝去について)
 このたび、千歳市功労者、岩本 久生(いわもと ひさお)様が7月28日に、水戸 正美(みと まさみ)様が7月30日にご逝去されました。
 岩本 久生様は、千歳市農業協同組合 代表理事組合長として、農業の振興や農業者の生活安定に指導的役割を果たされるなど、地域農業の発展に貢献をされました。
 水戸 正美様は、千歳市社会教育委員として、教育事業の調査・研究に尽力され、社会教育の推進に貢献をされました。
 ご逝去されましたお二方の長年にわたるご努力とそのご功績は誠に大きなものがあり、心からご冥福をお祈り申し上げます。

(3 千歳駅前広場再整備事業について)
 千歳駅前広場再整備事業につきましては、広場内バスレーンにおける歩行者の乱横断などの課題を解決し、歩行者の安全を確保するとともに、路線バスの利便性向上や賑わい空間を創出するため、昨年度の東口広場におけるマイクロバス乗降場等の整備に続き、8月21日から西口広場の工事に着手しました。
 今年度の工事内容は、西口広場の車道部の改修と、身障者用停車場の上屋設置で、令和6年1月末までに完了予定としております。
 工事にあたり、西口広場への一般車の進入を制限し、通行車両や歩行者の安全を確保してまいりますので、送迎利用については、東口広場の乗降場や路線バスを利用するなど、混雑緩和に協力をお願いします。

(4 新千歳空港について)
 新千歳空港の利用状況につきましては、7月の乗降客数の速報値において、国内線が184万人、国際線が28万人、全体として212万人で、前年比140パーセントとなっており、コロナ禍により控えていた旅行の再開などにより、コロナ禍前の令和元年比では、国内線が99パーセント、国際線が71パーセントとなるなど、航空需要は着実に回復しております。

 空港の活況回復に伴い、航空機の運航に必要となる保安検査員やグランドハンドリング等の人手不足が課題となっていることから、市が実施する合同企業説明会等の地元就職・人材確保支援事業の活用について、関係事業者へ周知したほか、9月2日と3日に、新千歳空港地上支援業務対策ワーキンググループが開催した「空港お仕事フェスタin新千歳空港」については、市のSNSによる情報発信を行いました。
 引き続き、北海道エアポート株式会社をはじめ、関係事業者と緊密に連携しながら、空港の人材確保に向けた取組を進めてまいります。

 7月15日から18日まで、3年4か月ぶりの中国路線となる北京線再開を記念し、新千歳空港国際化推進協議会が主催する中国国際航空「新千歳=北京線」再開記念訪問団に、本市から副市長が参加しました。
 訪問団では、就航した航空会社に感謝の意を表するとともに、日中経済協会や日本政府観光局 北京事務所などを訪問し、本市や北海道との友好促進及び経済交流の拡大について情報交換を行いました。
 引き続き、北海道や空港運営事業者などと連携し、空港機能や航空路線の維持、拡充に取り組んでまいります。

(5 次世代半導体関連事業の進捗状況について)
 8月2日、半導体関連産業の先進地である熊本県を訪問し、産学官の関係者と産業集積や人材育成の状況等について意見交換を行ったところであり、今後のまちづくりや「将来ビジョン」の策定に活かしてまいります。
 9月1日、ラピダス社が千歳美々ワールドで進める次世代半導体の開発及び製造を行う工場「IIM-1(イーム ワン)」の起工式並びに起工披露式典が行われ、西村経済産業大臣をはじめ、国内外の半導体関連企業の代表等約130人が出席し、建設工事の安全を祈願しました。
 9月14日には、ラピダス社の進出に伴う市内事業者の取引機会拡大を目的として、千歳商工会議所とともに、ラピダス社及び建設工事を担う鹿島建設株式会社と、市内事業者との「名刺交換会」を開催しました。
 当日は、幅広い業種から147社の参加があり、事業内容の説明や意見交換を通して情報共有を図るなど、市内経済への波及に向けた取組を進めたところであります。
 今後におきましても、次世代半導体製造拠点整備の推進、さらには半導体関連産業の発展に向けて、国や北海道と連携しながら、スピード感と熱意をもって取り組んでまいります。

(6 自衛隊の体制強化を求める活動について)
 ロシアによるウクライナ侵攻の継続などにより、日本を取り巻く安全保障環境は不確実性が増し、北の守りの重要性が高まっていることを踏まえ、防衛政策における北海道の重要性を改めて強く訴えることなどを目的に、7月26日、「北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会」として、防衛省、自由民主党本部、道内選出国会議員に対し、防衛力整備計画等に北海道の重要性を明記することや、自衛隊の体制強化と充足率の向上、自衛官の継続的な 処遇改善などについて要望しました。
 8月1日には、「千歳市における自衛隊の体制強化を求める期成会」として、千歳市議会議員の有志の皆さまとともに、防衛省及び関係国会議員に対し、自衛隊の 体制強化や本市への新編部隊等の配置などに関する 要望活動を行いました。
 自衛隊の体制維持・強化は、本市の地域経済やまちづくりに大きく影響する重要な課題でありますことから、引き続き、北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会等と連携しながら、積極的に要望活動を展開し、自衛隊とともに発展するまちづくりに取り組んでまいります。

(7 防災訓練等について)
 地域における防災の担い手を養成するため、7月1日と22日の2日間で「地域防災リーダー養成講座」を開催しました。
 両日で、町内会の防災担当者等27人が参加し、災害の基礎知識や災害時の避難行動等について学びました。
 参加者からは、「町内会の防災について勉強を進めたい」などの感想が寄せられ、地域における防災の取組につながるものと考えております。

 9月9日、防災学習交流センターそなえーるにおいて、市民の防災意識の高揚、市と防災関係機関との連携強化等を目的とした「千歳市総合防災訓練」を実施しました。
 今年度は、そなえーるが実施している「防災フェスタ」と同時開催とし、子ども達を対象に防災シールラリーを行うなど、幅広い年齢層に向けて防災意識の普及啓発に取り組んだほか、「知る・伝える」「助ける・守る」「備える」を訓練のテーマとして、防災関係機関が所有する災害対応車両や資機材等の展示、降雨体験装置や野外入浴セットなどの体験、ドローンを活用した災害時情報収集の実演や、自衛隊、警察、消防による災害時の対応行動に関する行動展示を実施しました。
 当日は、町内会や防災関係機関、子ども連れの家族など、約900人が参加し、防災に関する興味・関心を高める機会になったものと考えております。
 今後も、継続的に訓練を実施し、市民と防災関係機関等との相互理解を深め、災害に強いまちづくりとひとづくりを推進してまいります。

(8 災害時の協定について)
 7月10日、千歳市建築交友会と「災害時における 応急対策業務に関する協定」を締結しました。
 この協定は、災害発生時における被災住宅の調査や、がれきの除去等の応急対策業務に関する相互協力について定めたものです。
 8月8日には、一般社団法人日本ムービングハウス協会と「災害時における応急仮設住宅の建設に関する協定」を締結しました。
 この協定は、災害発生時に迅速な被災者支援が行えるよう、応急仮設住宅の供給について定めたもので、今後も、災害に強いまちづくりを目指し、関係する団体や 企業等との協定締結を進めてまいります。

(9 三菱商事株式会社との連携協定締結について)
 8月7日、三菱商事株式会社と「カーボンニュートラルを目指したまちづくりに関する連携協定」を締結しました。
 この協定は、双方が緊密に連携し、相互の資源を有効に活用した協働による活動を推進し、本市のさらなる活性化、産業創生と集積及びカーボンニュートラルに向けた取組に資することを目的としており、今後は、デジタル・トランスフォーメーション、産業振興など、カーボンニュートラルと経済が両立したまちづくりに向けた様々な分野にわたる取組を進めてまいります。

(10 千歳市民夏まつりについて)
 「千歳市民夏まつり」につきましては、「テイクオフ」をテーマに、7月15日から8月18日までの35日間にわたり開催され、期間中は「2023スカイ・ビア&YOSAKOI祭」をはじめ、「千歳市民花火大会」、「ちとせ川ビール祭り」、「空と川のアウトドア フェスティバル2023」、「千歳のまちの航空祭」、各商店街の夏まつりなど、魅力あるイベントが繰り広げられ、市民や観光客などで賑わいました。
 昨年は2日間に短縮した「スカイ・ビア&YOSAKOI祭」については、今年は例年通り3日間にわたって開催し、2万4千人が来場しました。
 「千歳のまちの航空祭」と連携した「空と川のアウトドア フェスティバル2023」は、2日間で約9,000人が来場したほか、夏まつり最終日の「千歳市民納涼盆踊り大会」には、20団体と個人を合わせ、約1,100人が参加し、盛況のうちに夏まつりを終了することができました。
 各商店街、企業、関係団体及び市民の皆さまには、感染対策への理解と、熱意あふれる取組や協力に対し、心から感謝申し上げますとともに、今後も、交流の輪が広がるよう、夏まつりの魅力向上に努めてまいります。

(11 農作物の生育状況について)
 農作物の生育状況につきましては、今年は雪解けも早く、農作物の作付けは順調に進みました。
 5月以降、気温や日照時間が高めに推移し、降水量も平年並みであったことから、全般的に生育は早く進んでおりましたが、7月下旬以降の高温により、ブロッコリーなどの野菜の生育に影響がみられております。
 9月に入り気温も下がりましたことから、今後も好天に恵まれ、豊穣の秋を迎えられることを期待しております。

(12 企業誘致について)
 企業誘致につきましては、6月から7月にかけて、市内で立地操業している3社と土地売買契約を、1社と事業用定期借地権設定契約をそれぞれ締結しました。
 流通業務団地においては、レンタカー事業を行っている株式会社カーポイントビック、医療用白衣のクリーニング、メンテナンス業を行っている株式会社リアルエステート・マネジメントサービスと6月に、ビルメンテナンス事業や廃棄物処理、リサイクル事業等を行っている株式会社くりりんと7月に、それぞれ土地売買契約を締結したところであり、今後、事業の拡張用地として活用すると伺っております。
 臨空工業団地においては、木造建築工事業を行っている株式会社アーキビジョン二十一と7月に、事業用定期借地権設定契約を締結し、同社からは、移動式木造住宅の資材等の保管場所として活用すると伺っております。
 次に、山口県に本社があります株式会社テクノウェルが、9月13日に本市と土地売買契約を締結し、臨空工業団地に立地することとなりました。同社は、半導体製造装置用の配管部品の製造などを行っており、ラピダス社が立地を表明した2月以降において、半導体関連企業の本市へのはじめての立地となります。
 これらにより、今年度の立地件数は6件となり、本市の産業振興に波及効果をもたらすとともに、今後の企業誘致に弾みがつくものと期待しております。

 9月13日、昨年5月に立地した住友商事株式会社が国内初の大規模な系統用蓄電事業を行う「EVバッテリー・ステーション千歳」の竣工式が、流通業務団地において行われました。
 発電量が不安定な再生可能エネルギーを活用する上で、必要不可欠な本事業の実施場所として、本市が選ばれたことは大変喜ばしいことであり、本市での取組がモデルケースとなり、北海道はもとより全国に普及し、我が国全体のカーボンニュートラルに大きく資することを期待しております。

(13 姉妹都市との交流について)
 8月10日、ダイモンド高校長期交換留学事業の第1期留学生として、千歳高校3年生の佐藤 歩夢(さとう あゆむ)さんがアンカレジ市に向けて出発し、8月15日にはダイモンド高校からティファニー・スロップさんとゲイジ・マクルーアさんが来千しました。
 それぞれの留学生は、10か月間ホームステイをしながら通学するほか、市内各種イベント参加など、市民との交流も予定しており、姉妹都市交流の架け橋となってくれることを期待しております。

(14 友好親善都市との交流について)
 日中友好平和条約締結45周年を記念して、友好親善都市である中華人民共和国 吉林省長春市から招待を受け、高校生と大学生の2人が、9月7日から13日までの7日間にわたり吉林省を訪問しました。
 滞在中は、長春市の大学生との交流を通じて、友情のきずなを深めるとともに、中国の文化や習慣、歴史などを学び、自らの成長を実感できた意義深い訪問となりました。

(15 支笏湖ブルーキャンプの開催について)
 9月9日と10日の両日、支笏湖畔の美笛キャンプ場において、「始まりよりも終わった後がきれい」を合言葉に、支笏湖の美しさや周辺の自然環境を守り続けることを目的とする「支笏湖ブルーキャンプ」を開催し、約300人が参加しました。
 当日は、「親子でエコ工作教室」や著名アーティストによるライブのほか、除伐材を活用したスプーンづくりなどのアクティビティや、参加者によるごみ拾いが行われるなど、自然環境と調和したイベントとなりました。
 今後も、ゼロカーボンパークにふさわしい、支笏湖の美しさや自然環境を守ることの大切さを伝える取組を進めてまいります。

(16 「アドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)2023」について)
 9月11日から14日の間、札幌市を主会場に、体験型観光の国際サミットである「アドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)2023」が開催され、本市では、体験型見学会、いわゆるエクスカーションとして、2つの日帰りコースを実施し、海外旅行会社等から29人が参加しました。
 9月6日から10日の間には、欧米の旅行会社4社を招請し、市独自のエクスカーションとして、本市の多様な観光資源のほか、「支笏湖ブルーキャンプ」の視察を行い、市内の観光資源や受入環境などについて意見をいただきました。
 今後、これらのエクスカーションで得られた繋がりや知見を生かし、更なる外国人旅行者の誘客に取り組んでまいります。

(17 道の駅サーモンパーク千歳のグランドオープンについて)
 8月26日、指定管理者の変更に伴い、4月から一部休館していた道の駅サーモンパーク千歳がグランドオープンしました。
 オープンフェアでは、農産物の特売や大抽選会のほか、サケのふるさと千歳水族館と連携したイベントや、地元のYOSAKOIチームによる演舞などが行われ、多くの市民や観光客で賑わいました。
 今後も、地元の食材を使った飲食・物販の展開など、指定管理者のノウハウを活かした魅力的な施設運営により、道の駅サーモンパークが一層の盛り上がりを見せることを期待しております。

(18 支笏湖チップ釣りについて)
 6月1日に解禁した支笏湖チップ釣りは、8月31日に事故なく無事終了しました。
 出漁数につきましては、昨年の3,110隻よりも 39.9パーセント増の4,350隻となったほか、漁獲数につきましても、昨年の2万4,769尾を大幅に上回る12万4,511尾となり、3年ぶりに10万尾を超える釣果となりました。
 支笏湖チップ資源の保護・増殖につきましては、国立研究開発法人 水産研究・教育機構水産資源研究所や北海道などから助言をいただきながら、資源動向の把握に努め、支笏湖漁業協同組合などと連携し、取り組んでまいります。

(19 ホクレン・ディスタンスチャレンジ2023千歳大会について)
 7月15日、陸上競技の中長距離大会「ホクレン・ディスタンスチャレンジ2023千歳大会」が、青葉陸上競技場を会場に開催されました。
 当日は、あいにくの天候ではありましたが、約400人のエントリーのもと全20レースが実施され、充実した大会となりました。
 運営に協力いただいた千歳陸上競技協会をはじめ、関係者の皆さまに感謝申し上げます。

(20 スポーツ合宿誘致活動について)
 7月下旬から8月上旬にかけ、「ブダペスト2023世界陸上競技選手権大会」に参加する競歩日本代表選手による合同強化合宿が行われました。
 競歩日本代表チームの合宿地として選定されたことは、本市にとって、大変名誉なことでありますとともに、今後の合宿誘致の更なる促進や市民スポーツの振興、交流人口の拡大につながるものと期待しております。

(21 全国高等学校総合体育大会について)
 7月22日から8月21日の間、高校生最大のスポーツ大会である全国高等学校総合体育大会が、36年ぶりに北海道で開催されました。
 本市では、なぎなた競技大会が、8月4日から7日まで、開基記念総合武道館において開催され、全国各地の予選を勝ち抜いた75校の選手と関係者、約500人が訪れ、個人戦と団体戦、演技競技を行い、盛会のうちに終了しました。
 大会開催にあたり、尽力いただきました多くの皆さまに心から感謝申し上げます。
 本市からは、千歳高校3年生の杉浦 颯太(すぎうら はやた)さんが自転車競技男子スプリントで圧倒的な走りを見せて優勝したほか、この春創部した日本航空高校北海道キャンパス女子バスケットボール部がベスト16に進出、千歳北陽高校1年生の上(かみ)中屋敷 航太(かみなかやしき こうた)さんがレスリング男子125キログラム級に、1年生の木村 日菜乃(きむら ひなの)さんが レスリング女子57キログラム級に、2年生の篠﨑 由(しのざき より)さんが水泳男子100m平泳ぎに出場しました。
 出場された選手の方々は、日頃の練習の成果を存分に発揮し、北海道代表としてベストを尽くし、健闘されました。今後の活躍を心より応援しております。

(22 公共工事の進捗状況について)
 公共工事の進捗状況につきましては、千歳駅西口広場整備工事や信濃小学校外部改修工事のほか、共同受信施設設置工事、豊里地区や自由ヶ丘地区の道路舗装工事などを予定どおり進め、工事完了に向け順調に推移しております。
 また、青葉陸上競技場改修工事や公園等補修工事などにつきましても、契約締結及び工事着工に向けた準備を進めており、上半期(4月~9月)の目標である発注率85パーセントにつきましては、達成できる見込みとなっております。

(23 各会計の決算状況について)
 令和4年度の決算につきましては、一般会計で、歳入の確保とともに経費の節減や創意工夫などに努めた結果、収支不足分として予算で措置した13億9,982万7千円を財政調整基金から繰入れることなく決算を終え、実質収支額7億4,460万8千円の黒字となり、また、6特別会計につきましては、いずれも黒字となり、特別会計の実質収支総額は、5,970万円となりました。
 補正予算を活用し、急激な物価高騰の影響を受けた市民生活への支援等に取り組む一方、千歳市財政標準化計画を着実に推進した結果、資産・債務状況では、実質公債費比率や将来負担比率が前年度に比べて改善しており、今後も多様で安定的な市民サービスを提供するため、強固で持続可能な財政基盤の確立を進めてまいります。

 水道事業会計につきましては、宿泊施設等の営業用や工場用が増加したため、有収水量が前年度を0.1パーセント上回り、給水収益は対前年度比0.2パーセント増の17億6,416万9千円となり、単年度収支は 6,226万円の純利益を計上しました。
 その結果、未処分利益剰余金は、令和3年度からの 繰越利益剰余金と合わせて8,484万5千円となり、このうち剰余金処分として、減債積立金に6,220万円を積み立てることとしております。
 下水道事業会計につきましては、水道事業会計と同様に、営業用や工場用が増加したため、有収水量が前年度を1.9パーセント上回り、下水道使用料は対前年度比2.1パーセント増の13億9,449万7千円となり、単年度収支は9,809万3千円の純利益を計上しました。
 その結果、未処分利益剰余金は、令和3年度からの 繰越利益剰余金と合わせて1億5,206万8千円となり、このうち剰余金処分として、減債積立金に9,800万円を積み立てることとしております。
 今後も施設の適切な維持管理と更新により、豊富で良質な水の安定供給と衛生的で快適な生活環境の確保に努めるとともに、「千歳市水道事業経営計画」及び「千歳市下水道事業経営計画」に基づき、持続可能な事業運営を目指し、経営基盤の強化を図ってまいります。

 病院事業会計につきましては、新型コロナウイルス感染症院内集団感染の影響などにより、入院患者数が1,421人、外来患者数が5,426人とそれぞれ減少したことに加え、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金が減少したことから、事業収益は1億9,825万2千円の減少となりました。
 一方、事業費用においては、診療体制の充実と処遇改善に向けた特殊勤務手当の拡充などにより給与費が増加したことに加え、光熱水費及び燃料費や、医療情報 システムの更新に伴う減価償却費が増加したことから、前年度に比べ3億1,159万円の増加となり、単年度収支では1,031万4千円の純損失を計上することとなりました。
 今後とも、医療を取り巻く情勢を的確に見極めながら、地域医療構想の推進やコロナ後の新興感染症対策を含む新たな中期経営計画の策定を進めるとともに、効率的な病院運営を推進し、健全で安定した経営基盤の確立に努めてまいります。

 以上申し上げまして、行政報告といたします。

 

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