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令和5年6月市長行政報告

令和5年第1回定例市議会以降における諸般の行政をご報告申し上げます。

(1 新型コロナウイルス感染症への対応について)
新型コロナウイルス感染症については、5月8日から感染症法上の位置付けが、季節性インフルエンザウイルス感染症と同等の「5類」に移行しました。
このことにより、感染対策の取扱いや社会経済活動は、コロナ前とほぼ変わらない状況となり、人の動きや日常生活が元の形を取り戻しつつあります。

 新型コロナウイルスワクチンの接種については、5類に移行する前の5月7日までに、12歳以上の市民の48.8パーセントにあたる42,583人と、5歳から11歳までの児童の2パーセントにあたる120人が、オミクロン株対応ワクチンの接種を終えております。
 現在、高齢者や基礎疾患のある方、医療従事者等を対象とした、令和5年春開始接種を進めており、9月以降、初回接種を終了した5歳以上のすべての方を対象とした令和5年秋開始接種が予定されておりますことから、引き続き、接種体制の確保やワクチンに関する正しい情報発信などに努めてまいります。

 令和5年3月31日を期限として実施した「ちとせ市民応援商品券2022」については、当初分と2次分を併せて、配付額の98.6パーセントにあたる9億2,791万500円分が、市内参加店舗で利用され、物価高騰の影響を受ける市民生活への支援と、地域経済の活性化につながったものと捉えております。
 物価高騰などの影響が長期化していることを踏まえ、市民一人当たり5,000円分の商品券を配付する「ちとせ市民応援商品券2023」については、7月1日の利用開始に向けて、現在、配付を進めております。
 今後も、市内の経済状況を見極めながら、市民生活の安定と地域経済の好循環につながるよう、取り組んでまいります。

 「ようこそ・ちとせ割」及び「ようこそ・ちとせ商品券」第2弾については、昨年11月1日から3月31日までの期間において実施し、宿泊割引は2万泊分の91.9パーセントにあたる18,381泊、商品券は第1弾と合わせて配付額の97.2パーセントにあたる1億938万4,500円分の利用がありました。
 観光の閑散期でありながら、道外からの旅行者を中心に多くの利用があり、航空需要と観光業の回復を後押しできたものと考えております。

(2 市功労者のご逝去について)
 このたび、千歳市功労者、山﨑 秀一(やまざき ひでいち)様が5月22日にご逝去されました。
 山﨑様は、千歳市学校医として、発育期の児童生徒に対する健康管理及び安全教育に取り組まれたほか、開業医として医療現場の最前線に携わり、保健衛生に対する市民意識の向上に努めるなど、学校保健事業の推進と市民の健康増進に尽力されたご功績は誠に大きなものがあり、心からご冥福をお祈り申し上げます。

(3 叙勲について)
 本年春の叙勲におきましては、笠羽 節朗(かさば せつお)様が経済産業行政事務功労により瑞宝双光章を受章されました。
 ここにそのご功績と栄誉をたたえ、深く敬意を表するとともに心からお慶び申し上げます。

(4 新千歳空港について)
 新千歳空港の利用状況については、4月の乗降客数の速報値において、国内線が前年比46パーセント増の約133万人、国際線が約12万人となり、コロナ禍前の令和元年比で、国内線が93パーセント、国際線が44パーセントとなるなど回復基調にあります。
 空港の水際対策が4月29日で終了したことなどから、インバウンド需要は本格的に回復してきており、7月11日からは、中国路線としては3年4か月ぶりとなる北京線が運航再開を予定するなど、さらなる国際線の復便・増便に期待しております。
 引き続き、空港運営事業者や関係団体などと連携し、空港機能や航空路線の維持、拡充のほか、航空需要を喚起する取組を進め、地域経済の活性化に繋げてまいります。

(5 次世代半導体製造拠点の立地について)
 4月14日、本市工業団地「千歳美々ワールド」への立地に向けて協議を進めてまいりましたラピダス株式会社と、次世代半導体の開発及び量産のための工場並びに関連施設の建設を進めることなど、立地にあたっての基本的事項について覚書を締結するとともに、土地貸付契約を締結しました。
 4月26日には、北ガス文化ホールにおいて、北海道及び北海道経済産業局とともに、半導体に対する理解促進を目的として、「次世代半導体とほっかいどうの未来in千歳」を開催し、市民をはじめとした約400人の参加がありました。
 さらに、5月22日には、ラピダス社及び北海道と連携して、「北海道における次世代半導体プロジェクト説明会及び工事計画等説明会」を開催し、説明会では、1,400人を超える来場者に加え、オンラインにより述べ900人以上の方が視聴する中、ラピダス社から、次世代半導体プロジェクトや工事計画の概要、環境配慮への取組などについて説明があり、その後のパネルディスカッションでは、ラピダス社と建設工事を担う鹿島建設株式会社、国及び市が、事前に寄せられた質問に対し、それぞれの立場から回答し、本事業に対する市民理解の促進に努めたところであります。
 6月からは、土地の造成が始まるなど、工場の着工に向けた準備が進められており、引き続き、国や北海道などと密接に連携し、ラピダス社による事業が円滑に進められるよう、必要な調査や整備等について、スピード感を持って取り組んでまいります。

(6 幼児教育・保育施設について)
 4月1日、幼稚園2施設が認定こども園に移行しました。
 本市では、保護者の就労状況にかかわらず、児童が教育・保育を一体的に受けられるよう、幼稚園等の認定こども園への移行を促進しており、これにより市内の認定こども園は20園となりました。
 今後も、幼児教育・保育の提供体制の充実に努め、子育てしやすい環境づくりを進めてまいります。

(7 小田原短期大学「千歳スクール」の開校について)
 4月1日、保育士や幼稚園教諭などの養成校であります「小田原短期大学 保育学科 通信教育課程」のスクーリング施設として「千歳スクール」が開校しました。
 保育士等の確保が全国的な課題となる中、千歳スクールの開校は、本市の幼児教育・保育施設の人材確保につながるものと期待しております。

(8 高病原性鳥インフルエンザ発生の対応について)
 3月28日、市内養鶏場において、高病原性鳥インフルエンザ陽性が確認されてから、4月3日に第2例目、4月7日に第3例目の発生が相次いで確認されました。
 北海道は、3月28日から4月14日まで防疫作業・殺処分等の対応を行い、市は、発生当初から「千歳市家畜防疫対策本部」を設置し、北海道の防疫処置等への支援のほか、市民周知などを実施したところであります。
 5月6日には、北海道の定めた移動制限区域が解除となったことで、市内農場のすべての防疫処置が終了しております。
 このたびの防疫作業には、北海道職員をはじめ、自衛隊員や関係者の皆さまなど、延べ1万人が昼夜を問わず従事いただいたところであり、心からお礼を申し上げます。

(9 企業誘致について)
 企業誘致については、札幌市に本社がありますニッポンレンタカー北海道株式会社が、3月に本市と土地売買契約を締結し、千歳美々ワールドにおいて事業用地を拡張しました。同社は、レンタカー事業の拡大に伴い、新たな車両スペースとして活用しております。
 これにより、令和4年度は6件の企業立地となり、本市の産業振興に波及効果をもたらすとともに、今後の企業誘致に弾みがつくものと期待しております。

 企業誘致活動については、5月に東京都内で開催された「企業立地フェア2023」及び「新しい働き方EXPO2023」に出展し、本市工業団地の特性やサテライトオフィス設置における本市の優位性をPRしたほか、公立千歳科学技術大学と共に出展した「インターオプト」では、産学官連携の取組や大学で行う先端技術の研究開発についてもPRしました。
 今後も、様々な機会を活用し、企業誘致活動を積極的に進めるとともに、立地企業の振興等に取り組んでまいります。

(10 泉沢向陽台住宅地の分譲完了について)
 泉沢向陽台住宅地は、昭和53年、「職住近接型の住宅地」として、千歳市土地開発公社が造成・分譲を開始し、平成25年度末に土地開発公社が解散した後は、市が引継ぎ、インターネットや各種広告媒体を活用するなど、道内外における販売促進活動を精力的に行い、分譲を進めてまいりました。
 この度、泉沢向陽台住宅地の「文京ニュータウン」は、残る1区画の分譲が決定し、泉沢向陽台住宅地の分譲は区切りを迎えることとなりました。
 今後は、泉沢向陽台地区の市民の利便性向上のため、商業用地の早期分譲に向けた取組を進めてまいります。

(11 姉妹都市との交流について)
 5月28日から6月2日までの6日間にわたり、姉妹都市のアンカレジ市から、ミアーズ中学校の生徒24人が本市を訪れました。
 滞在中は、市内中学生宅にホームステイをしながら、中学校での授業体験などを通じて、日本の文化や生活習慣に触れるとともに、友情のきずなを深めることができました。
 4年ぶりの来訪となりましたが、今回の交流事業に当たり、生徒を受け入れていただいたホストファミリーや多くの関係者の皆さまに、心から感謝申し上げます。

(12 観光入込客数の状況について)
 令和4年度の千歳市全体の観光入込客数は約175万人となり、対前年度比40パーセントの増加となりました。
 要因としましては、ウィズコロナに対応した各種イベントの再開や、国の「全国旅行支援」、市の「ようこそ・ちとせ割」などの施策の展開が、観光客数の回復に繋がったものと考えております。
 今後も、観光動向を把握し、市内関係機関や団体と連携を図りながら、観光客の誘客に向けた取組を進めてまいります。

(13 「支笏湖チップ」釣りの解禁について)
 6月1日、支笏湖のチップ釣りが解禁となりました。
 本年の動力船使用許可申請数は360件で、8月31日までの3か月にわたる解禁期間中は、事故防止を始め、資源保護や環境保全等について、支笏湖ヒメマス釣魚(ちょうぎょ)対策協議会など関係機関と連携を図りながら万全を期すとともに、今後の豊漁を期待しております。

(14 スポーツ振興について)
 令和4年度の本市におけるスポーツ合宿は、96件となり、過去最高の実績となりました。
 今後も、日本陸上競技連盟や競技団体と情報共有を図るとともに、千歳市スポーツ合宿・大会誘致等推進協議会と連携し、陸上競技を中心としたスポーツ合宿の誘致を推進してまいります。
 6月4日、「第43回千歳JAL国際マラソン」が開催され、国内外から集まった4,528人が出走し、ランナーは自然あふれる林間コースを駆け抜け、盛会のうちに無事終了しました。
 大会開催にあたり協力いただいた、市民ボランティアをはじめとする多くの皆さまに感謝申し上げます。

(15 各会計の決算状況について)
 令和4年度の決算状況については、一般会計における予算の執行率は歳入で93.3パーセント、歳出で90.5パーセントと見込んでおります。
 このうち、令和5年度への繰越明許費を除くと、歳入では96.6パーセント、歳出では93.7パーセントとなり、経費の節減などにより、収支不足の補てん等として予算で見込んでおりました財政調整基金からの繰入れをせず決算を行い、実質収支は約7億4千万円の黒字を見込んでおります。
 歳計剰余金については、当初予算に計上した前年度繰越金等を除き、約2億1千万円を財政調整基金に積み立て、引き続き安定的な財政基盤の確立に努めてまいります。
 特別会計については、6特別会計いずれも実質収支で黒字の決算見込みとなり、予算の執行率は歳入で97.4パーセント、歳出で97.0パーセントと見込んでおります。

 水道事業会計については、有収水量が前年度を0.1パーセント上回り、給水収益についても0.2パーセントの増となりましたが、総収益は、対前年度比1.9パーセント減の約21億1,900万円、総費用は、対前年度比1.3パーセント減の約20億5,700万円となり、単年度収支は、約6,200万円の純利益を見込んでおります。
 下水道事業会計については、有収水量が前年度を1.9パーセント上回り、下水道使用料についても2.1パーセントの増となったことなどにより、総収益は、対前年度比0.1パーセント増の約33億5,600万円、総費用は、対前年度比0.5パーセント減の約32億5,800万円となり、単年度収支は、約9,800万円の純利益を見込んでおります。

 病院事業会計については、新型コロナウイルス感染症患者等に係る医療提供体制の確保などに対する補助金が減少したことに加え、入院患者数が約1,400人、外来患者数が約5,400人とそれぞれ減少したことなどにより、総収益は対前年度比2.9パーセント減の約67億1,100万円となっております。
 総費用は、診療体制の充実と処遇改善に伴う給与費の増加や、光熱水費及び燃料費の高騰に伴う経費の増加に加え、薬品費、減価償却費の増加などにより、対前年度比4.9パーセント増の約67億2,100万円となっており、単年度収支では約1,000万円の純損失を見込んでおります。

 以上申し上げまして、行政報告といたします。

 

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