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令和5年3月市長行政報告

令和4年第4回定例市議会以降における諸般の行政をご報告申し上げます。

(1 はじめに)
 私は、平成15年に市民の皆さまの負託を受け、これまで5期20年にわたり、市政を担ってまいりましたが、今期を持ちまして市長の職を辞すことといたしました。
 市議会議員並びに市民の皆さまには、これまでの市政運営に対するご理解とご支援について深く感謝申し上げます。
 5期目の4年間におきましては、安定した市民生活の維持や市内経済の回復に向けた新型コロナウイルス感染症への対応を最優先として取り組む一方、北海道エアポート株式会社による新千歳空港の運営開始や、キウス周堤墓群の世界遺産登録、みどり台小学校の新設など、人口増加を続けるまちにふさわしい、まちの魅力を高める施策にも積極的に取り組み、今日の本市の発展に役立てたことは、大変光栄なことと実感しております。
 中でも令和3年度を始期とする第7期総合計画において、今後10年間のまちの方向性を示すことができたことを大変喜ばしく感じており、今後も、将来都市像「人をつなぐ 世界をつなぐ 空のまち ちとせ」の実現に向けた取組を進め、市民の皆さまが「住んでよかった」「住み続けたい」と感じていただけるまちとなることを切に願っております。

(2 新型コロナウイルス感染症への対応について)
 北海道における新型コロナウイルス感染症の新規感染者数につきましては、過去最多を記録した昨年11月下旬以降は減少傾向で推移しており、本市における1週間あたりの発生届出数は、2月28日付の北海道の公表では、4人となっております。
 一方で、千歳保健所管内では年末から季節性インフルエンザウイルス感染症が流行しており、1月26日には「インフルエンザ注意報」が発令されておりますことから、引き続き、高齢者をはじめ重症化リスクの高い方を守ることを念頭に、基本的な感染対策をお願いいたします。

 国は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けについて、5月8日から、現在の「2類相当」を季節性インフルエンザウイルス感染症と同等の「5類」に見直す方針を決定しました。
 この見直しに伴い、医療費の公費負担や医療提供体制のほか、感染対策などの取扱いの変更が想定されますことから、市としましては、引き続き国の動向を注視しながら適切に対応してまいります。

 令和2年1月に、国内で初めて新型コロナウイルス感染症患者が確認されて以来、目まぐるしく変化する社会情勢に官民一丸となって対応してまいりましたが、新たなステージへの方向性が示されたことを、感慨深く受け止めており、これまで8度にわたる感染拡大の波を受けながら、感染拡大防止に取り組まれた千歳保健所をはじめ、休みなく診療に当たられた医療関係者の皆さま、高齢者施設や教育・保育施設等に従事する皆さまの尽力に加え、市民・事業者の皆さまの感染対策への協力に対し、心から感謝申し上げます。
 新型コロナウイルスワクチンの接種では、引き続き、千歳医師会の協力のもと、市内医療機関での個別接種と千歳アウトレットモール・レラにおける集団接種により、2月28日までに、高齢者の75.8パーセントにあたる17,460人が、また、12歳以上の市民の48.1パーセントにあたる41,869人がオミクロン株対応ワクチンの接種を終えております。
 また、12月には恵庭市との連携の一環として、集団接種会場において、287人の恵庭市民にワクチン接種を実施したほか、1月には市内に通勤・通学している方など、本市以外に居住する方への予約なし接種を行い、圏域全体での感染拡大防止に取り組んでまいりました。
 今後につきましても、感染時における重症化予防などを目的に、ワクチン接種が継続される見込みとなっておりますことから、引き続き、接種体制の確保やワクチンに関する正しい情報発信などに努めてまいります。

 市立千歳市民病院では、12月下旬から1月初旬にかけて、複数の入院患者及び職員が院内感染により新型コロナウイルス感染症に罹患し、運用できる病床が一時的に逼迫しました。このことから、診療体制への影響を最小限とするため外来診療を継続した上で、予定入院の延期やクラスター発生病棟への緊急入院の受入を休止するなどの診療制限を行うなど、院内感染の早期収束に向けた重点的な対策を講じた結果、1月13日にクラスターの収束を確認したところであります。
 新型コロナウイルス感染症患者の入院受入につきましては、北海道が入院医療体制のフェーズを、2月20日から最も低いフェーズ1に引き下げたことから、市民病院では陽性患者の入院受入体制を解除しました。
 今後も、新型コロナウイルス感染症の感染状況を注視し、市民の皆さまが安心して受診できるよう、受診環境の確保に努めるとともに、地域の基幹病院として質の高い安心安全な医療を提供してまいります。

 物価高騰の影響を受ける市民生活への支援と、地域経済の活性化を図ることを目的とした「ちとせ市民応援商品券2022」につきましては、当初分と2次分を併せて、2月24日時点で、発行額の約8割にあたる8億1,028万9千円分の換金を受け付けたところであり、市内参加店舗での利用が順調に進んでいるものと捉えております。
 新型コロナウイルス感染症の影響のほか、エネルギーや物価の高騰など様々な社会情勢により、依然として、市民や事業者等は大変厳しい状況が続いておりますので、市としましては、引き続き、感染防止対策とともに、市内経済の回復に向けた両輪の取組を鋭意進めてまいります。

(3 市功労者のご逝去について)
 このたび、千歳市功労者、宮田 伸子(みやた のぶこ)様が12月22日にご逝去されました。
 宮田 伸子様は、千歳更生保護女性会理事、副会長及び会長として、犯罪や非行をした人達の社会復帰に向けた更生保護に尽力され、市民生活の安定と社会福祉の増進に貢献されたご功績は誠に大きなものがあり、心からご冥福をお祈り申し上げます。

(4 JR北海道への要望について)
 2月7日、市議会と市は、合同でJR北海道本社を訪問し、「JR長都駅のプラットホームの拡張及び上屋の設置要望」を行ったほか、千歳駅を含む「高架橋耐震補強工事の早期実施」などを求める要望活動を行いました。
 JR北海道は、長都駅ホームの狭隘化に対応するため、ホーム柵の移設など、待合環境の一部改善を行っておりますが、千歳駅と長都駅の早期整備は、まちの発展につながる重要な課題でありますことから、市議会と連携を図りながら、引き続き、JR北海道と協議を行ってまいります。

(5 新千歳空港について)
 新千歳空港における令和4年の乗降客数は、国内線が1,497万人で前年比82パーセントの増、国際線が26万人で前年比皆増、全体として1,523万人、前年比85パーセントの増となりました。
 国内線につきましては、行動制限の無い長期休暇や全国旅行支援の実施などにより、3年ぶりに1千万人を超え、新型コロナウイルス感染症拡大前の令和元年比72パーセントまで回復するなど、新千歳空港に活況が戻りつつあります。
 国際線につきましては、感染状況が落ち着き始めたことに伴い、国が10月から新型コロナウイルスの水際対策を大幅に緩和したことを受け、ソウル線、台北線に続き、プサン線、大邱(てぐ)線、香港線、シンガポール線、バンコク線、クアラルンプール線が相次いで再開しました。
 今後につきましても、インバウンドの更なる回復を期待するとともに、一日も早く新千歳空港の活況を取り戻すことができるよう、関係機関と連携し、様々な取組を進め、市内経済の回復に努めてまいります。

(6 バンコク線再開記念訪問団について)
 12月18日から21日まで、バンコク線の路線再開を記念し、新千歳空港国際化推進協議会が主催するタイ国際航空「新千歳=バンコク線」再開記念訪問団に参加しました。
 訪問団では、就航した航空会社に感謝の意を表するとともに、両国の政府観光局や旅行会社などを訪問し、本市や北海道との友好促進及び経済交流の拡大について情報交換を行いました。
 引き続き、北海道や空港運営事業者などと連携し、空港機能や航空路線の維持、拡充に取り組んでまいります。

(7 次世代エアモビリティセミナーについて)
 2月20日、ザ・ノースカントリーゴルフクラブにおいて、エアモビリティに関する理解促進を図り、本市を起点とした道内での社会実装に向けた機運醸成と社会受容性向上に向けた「次世代エアモビリティセミナー」を開催しました。
 当日は、観光事業者など多くの方に参加いただき、空飛ぶクルマなど次世代エアモビリティに対する理解を深めていただくことができたものと考えております。
 今後も、このような機会を通じ、更なる機運醸成と理解促進に努めてまいります。

(8 防災図上訓練について)
 1月26日、市役所本庁舎等を会場に、地震災害を想定した図上訓練を実施しました。
 今回の訓練は、千歳警察署、防災マスターリーダー会、隊友会の支援を受け、初動における情報収集と、収集した情報に基づく迅速な対策の検討に主眼を置いた形式で実施し、発災直後の情報収集の困難さ、対策決定における情報の重要性について再確認する機会となりました。
 職員が災害対応に高い意識を持ち、防災関係機関と連携を深めることは非常に重要でありますことから、今後も継続的に訓練を計画してまいります。

(9 災害時の協定について)
 2月21日、福山通運株式会社と「災害時における物資輸送等に関する協定」を締結しました。
 この協定は、災害時に貨物自動車を活用し、避難所に防災備蓄品や調達物品等を配送することに関する相互協力について定めたものであります。
 今後も、災害に強いまちづくりを目指し、関係する団体や企業等との協定締結を進めてまいります。

(10 地縁による団体功労者総務大臣表彰について)
 千歳市町内会連合会長及び住吉北町内会長の沼田 常好(ぬまた つねよし)様が「令和4年度地縁による団体功労者総務大臣表彰」を受賞されました。本市の良好な地域社会の維持及び形成のため、長年にわたり尽力されましたご功績に対し、心から敬意と感謝の意を表するところであります。

(11 「ペットボトルの水平リサイクルに関する協定」の締結について)
 2月13日、サントリーグループと「ペットボトルの水平リサイクルに関する協定」を締結しました。
 この協定は、本市が収集した使用済みペットボトルを、再びペットボトルに戻す「水平リサイクル」を行うことにより、「持続可能な循環型社会の形成」及び「脱炭素社会の実現」を目的としております。
 ペットボトルのリサイクルを明確に「見える化」することで、市民のリサイクル意識の更なる向上と、リサイクルの促進が期待でき、また、ペットボトルを再生する際に化石由来の原料を使用しないため、新たにペットボトルを製造するときと比べ、CO2排出量を約60パーセント削減可能となり、「千歳市ゼロカーボンシティ」の取組に資するものであります。
 今後も、サントリーグループと連携を図りながら、「ペットボトルの水平リサイクル」を推進してまいります。

(12 民生委員児童委員の一斉改選について)
 12月1日付けで全国一斉に、民生委員児童委員の改選が行われ、本市では、203人の方々が改選となり、12月1日に厚生労働大臣及び北海道知事からの委嘱状を伝達しました。
 このたび、委員に就任されました皆さまには、地域住民に対する相談援助活動、さらには関係機関との連携など、地域福祉の増進のため、協力をお願い申し上げますとともに、退任されました48人の皆さまには、健全な地域社会づくりのため、多大な尽力をいただきましたことに深く敬意と感謝の意を表します。

(13 企業誘致について)
 2月28日、東京都に本社がありますラピダス株式会社は、最先端半導体の生産拠点について、「ラピダス株式会社として、千歳市への立地を決定した」ことを表明しました。
 ラピダス株式会社は、諸外国の研究機関などと技術協力を行いながら、最先端半導体の国産化を目指すため、国内の自動車、通信、電子デバイス系などの最大手企業による出資の下、昨年8月10日に設立された企業であり、同社の事業計画が本市において進められることは、本市の産業振興への波及効果にとどまらず、北海道として国家プロジェクトに貢献できる大変意義のあるものであり、大いに期待しております。
 今後、同社とは、立地に向けた具体的な対話・協議を開始することとしているほか、国からの同社への正式な認可があるものと承知しており、詳細につきましては改めて報告いたします。

 企業誘致活動につきましては、2月に、愛知県及び大阪府で開催された「北海道企業立地セミナー」に出展するとともに、東京都内で開催された国際ナノテクノロジー総合展・技術会議「nano tech2023」に、公立千歳科学技術大学と、特定非営利活動法人ホトニクスワールドコンソーシアムと共に出展し、本市の立地環境や優位性をPRしました。
今後も、様々な機会を活用し、企業誘致活動を積極的に進めていくとともに、立地企業の振興等に取り組んでまいります。

(14 道の駅サーモンパーク千歳の指定管理について)
 道の駅サーモンパーク千歳の指定管理につきましては、令和5年度からの新たな指定管理者による管理運営開始に向けた協議を進めてきたところでありますが、現指定管理者であるシダックス大新東ヒューマンサービス株式会社のテナントへの説明が不十分であったことから、テナントに謝罪し、誠心誠意の対応を行うとの説明を受けており、現在、解決に向けた個別協議が進められております。
 市といたしましても、協議の場の設定や調整、適切な指導を行っているところであり、引き続き、関係者と早期解決に向けて積極的に取り組んでまいります。

(15 2023千歳・支笏湖氷濤まつり「氷の美術館」について)
 今回で45回目を迎え、今や北海道を代表する冬の祭典となった「千歳・支笏湖氷濤まつり」は、1月28日から2月23日までの27日間にわたり開催され、延べ10万3千人が来場しました。
 これまで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、制作を中止していた苔の洞門をイメージした「氷の回廊」の復活に加え、森林保全活動で生じた樹木を活用した氷像を制作するなど、訪れた多くの観光客に、氷像の美しさや豊かな自然環境など、支笏湖の魅力を広くPRすることができました。
 また、3年ぶりに姉妹都市の鹿児島県指宿市や、フラワー交流都市の富山県砺波市及び高知県南国市によるフラワープレゼントが行われ、多くの市民や観光客が一足早い春の訪れを感じていました。

(16 姉妹都市との交流について)
 令和4年度ミアーズ中学校交流事業及びダイモンド高校短期派遣事業として、本市の中学生9人と高校生6人が、1月7日から14日までの8日間にわたり姉妹都市のアンカレジ市を訪問しました。
 滞在中は、授業体験やホストファミリーとの交流などを通じて、友情のきずなを深めるとともに、アメリカの文化や習慣、歴史などを学び、参加した子ども達は、自らの成長を実感できた大変意義のある訪問となりました。
 青年海外派遣研修として、本市在住の大学生9人が、2月6日から13日までの8日間にわたり、アンカレジ市を訪問し、サンドレイク小学校、ミアーズ中学校及びダイモンド高校でのインターンシップ体験のほか、アラスカ大学アンカレジ校での授業体験やホームステイなどを行いました。参加した学生たちは、教育制度や慣習の違いなどを学び、国際的視野を広げるとともに、自らの生活や価値観を見つめ直す機会となりました。
 2月25日には、これら3事業のほか、昨年10月に実施した千歳アイヌ文化国際交流事業に係る合同市民報告会を北ガス文化ホールで開催し、約100人の参加者には、アンカレジ市の様子や千歳アイヌ協会の取組を知ってもらう大変良い機会となりました。

(17 ちとせホルメンコーレンマーチについて)
 2月11日、青葉公園などにおいて、「第47回ちとせホルメンコーレンマーチ」が開催されました。
 4年ぶりの開催となった今大会は、従来のクロスカントリー競技を見直し、冬のイベントとしての魅力づくりと集客力向上を図るため、「千歳歩くスキーの集い」、「千歳雪合戦」、「小学生雪上5色綱引き」の3種目を行い、道内外から195人が参加し、盛会のうちに終了しました。
 開催にあたり、大会を支えていただいた多くの皆さまに感謝申しあげます。

(18 火災等の発生状況について)
 令和4年の火災発生状況につきましては、火災件数は37件で、昨年と比べ11件増加となりました。
 火災の種別としては、環境センターの破砕処理場で発生した火災を含めた「建物火災」が22件で最も多く、そのほか「林野火災」が2件、「車両火災」が4件、「その他の火災」が9件発生しており、焼損面積は980平方メートル、損害額は1億3,048万1千円となり、「建物火災」では5人の死者が発生しております。
 令和4年における主な火災の原因としましては、たばこの不始末や電気機器、配線器具の取扱いなど、人為的な要因が半数以上を占めていることから、今後におきましても、火気の取扱いやリチウムイオン電池の廃棄方法について注意喚起を行うとともに、防火委員や少年消防クラブなどの消防関係団体と連携し、火災予防の普及啓発に積極的に取り組んでまいります。
 また、住宅用火災警報器をはじめとする住宅用防災機器の設置促進及び適切な維持管理に係る広報活動についても引き続き実施してまいります。

 令和4年の救急出動状況につきましては、出動件数は4,351件で、昨年と比べ、959件増加し、事故種別では「急病」が2,909件で最も多く、全体の66.9パーセントを占め、そのほか、主なものとして「一般負傷」が615件、「転院搬送」が354件、「交通事故」が223件でありました。
 また、搬送人員につきましては、570人増加の3,304人となり、全体の5割以上を高齢者が占めている状況となっております。
 今後も、高齢化の進展や、ウィズコロナにおける社会経済活動の回復等を背景として、救急需要は増大する傾向にありますことから、更なる救命率の向上を図るため、迅速・的確かつ丁寧な救急対応と応急手当の普及促進に努め、より一層の救急体制の充実に努めてまいります。

 以上申し上げまして、行政報告といたします。

 

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