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令和3年度千歳市学力向上検討委員会報告書

 過日、千歳市学力向上検討委員会の小笠原輝幸委員長(青葉中学校長)から本市教育長に「令和3年度千歳市学力向上検討委員会報告書」が提出され、報告がなされました。

 

 千歳市学力向上検討委員会設置要綱.pdf (PDF 103KB)

 

1 提出日時等 

  日 時  令和3年12月13日(月) 10:00~10:30

  場 所  千歳市教育委員会 教育長室

  来庁者  千歳市学力向上検討委員会

        ・委 員 長   小笠原 輝幸(千歳市立青葉中学校長)
        ・副委員長 横山  浩之(千歳市立末広小学校長)
        ・副委員長 澁谷  拓 (千歳市立千歳第二小学校長)
        ・R2委員長 三浦  利章(千歳市立千歳中学校長)

      

2 報告の概要

 令和3年度 千歳市学力向上検討委員会では、末広小学校、千歳第二小学校、青葉中学校の3校を学力向上のモデル校として選定し、学校改善プランの改善と進行管理を通した各校の課題解決とともに、本検討委員会の「学校への提言」を踏まえた授業改善に取り組んできた。

 また、昨年度コロナ禍で報告書を発行しなかった令和2年度モデル校である、桜木小学校、祝梅小学校、千歳中学校についても、その着実な取組を積み上げてきた。

 この報告が有効に活用され、千歳市の児童生徒が「確かな学力」を身に付け、健やかに成長していくことを心から期待し、報告書を提出する。

(1)提言の内容について

 千歳市学力向上検討委員会では、学習指導要領において示された資質・能力の三つの柱である「知識・技能」、「思考力、判断力、表現力」、「学びに向かう力、人間性」を、確かな学力の三つの要素ととらえ、その学力を確実に身に付けさせることを目標とし、その達成状況を全国学力・学習状況調査により検証する、としている。

 提言内容は、

① 学校への提言として

 ・ハイパーQU検査を活用した学年・学級経営の充実

 ・自尊感情や自己有用感を高める取組の充実

 ・「学校改善プラン」の検証改善サイクルの確実な運用

 ・学習指導の改善

 ・習熟度別少人数指導の充実     の5点

②家庭への提言として

 ・「千歳市家庭生活宣言」運動の普及

 ・家庭学習の習慣づくり       の2点

③教育委員会への提言として

 ・ICT環境の整備と活用 

 ・習熟度別少人数指導への支援

 ・諸検査結果の情報提供

 ・家庭への支援           の4点

 併せて、11の提言としている。

(2)提言に対する学校の取組状況の調査について

 提言の検証については、全国学力・学習状況調査結果の推移と各学校の提言に対する取組状況のアンケート結果の推移から、提言の妥当性を検証する。

(3)平成31年度・令和2年度のモデル校の取組について

 平成31年度(令和元年度)から2年間のモデル校指定を終えた桜木小、祝梅小、千歳中の3校については、成果の検証を今年度実施した。本年度報告には「学校改善プランの検証改善サイクルの確実な運用」と「学習指導の改善」について、各校の特色ある取組とその成果を報告している。

①学校改善プランの検証改善サイクルの確実な運用

 ○桜木小学校

   全国学力・学習状況調査の「解説資料」の解答類型に基づき、自校の児童の具体的な数値か

  ら課題を明確化して授業改善の視点を導いている。結果、「条件に合わせて意見とその理由

  を明確にして書く」問題の正答率が上昇し、表現する力を効果的に高めた。

 ○祝梅小学校
   国語に関する改善の具体策を定め、全体の理解を図りながら組織的に進めた。国語の正答

  率は前回から大きく向上した。また、読書量の改善も見られ、全国を大きく上回った。

 ○千歳中学校
   実態と改善策が一目で見渡せる「教科カルテ」を作成し、徹底した可視化による教科共通の

  取組を実践した。また、教科書の音読に各教科で統一して取り組んだ。結果、国語科の「読む

  こと」領域の内容理解の問題で全国と同等となった。

    
②学習指導の改善

 ア.授業改善の取組
 ○桜木小学校
   「板書型指導案を活用した授業改善の取組」の結果、「除法」「データの活用」「主語と述語」な

  どで、全国と同等となり、学力の最低保障の効果を上げた。

 ○祝梅小学校
   「わかる・楽しい授業」づくりを全校体制で推進し、「話し合う活動」の成果が、肯定的にとら

  えた児童が前回より増加した。校内学力向上委員会と学校研究の両面から課題に迫る提案が

  学校改善につながった。

 ○千歳中学校
   「ゴールを明確化した授業改善」に取り組み、授業者の端的な説明やテンポの良い授業展開

  を進め、数学の資料の活用での問題ではこの5年間で確実に正答率を上げた。
   
 イ.学習規律の徹底

 ○桜木小学校
   「学習規律の定着状況」を「振り返りシート」などを用いてチェックし、親和的な学級づくり

  に取り組んだ。「話すこと・聞くこと」領域は前々回から引き続き上昇し、全国との差を縮め

  た。

 ○祝梅小学校
   中学校区の小中一貫教育において統一の「ととのえる」活動を継続し、曖昧さを残さない明

  快な指導が、児童の信頼感を高め落ち着いた学習環境を作り出した。

 ○千歳中学校
   学習規律順守の意識を高める取組は、どの教科、どの学習場所でも実践された。2分前行

  動、自主的な朝読書の開始など、学力向上を支える体制の維持・徹底が図られた。
   
 ウ.学習習慣の確立

 ○桜木小学校
   「ノート学習」、全児童に紹介する「キラリノート」の取組により、「家で自分で計画を立てて

  勉強をよくしている」と答えた児童が前回も今回も全国を上回る結果になり、児童の主体性、

  学習への高い意識が特筆に値した。

 ○祝梅小学校
   5,6年生での定期テストで「積み上げて学ぶ経験」「中学生の学び方を知る体験」の大切

  さを指導し、計画的に家庭学習に取り組む児童が全国を上回った。また、休みの日に1時間

  以上勉強する児童も、改善傾向が進んだ。家庭学習の定着により、漢字に関する問題の正答

  率も向上した。

 ○千歳中学校

   「スケジュール管理の手帳を活用」して自己管理能力の育成を目指した。また、家庭学習に

  スムーズに取り組ませるよう「15分宿題」として取り組ませ、計画的な勉強、国語科での漢

  字や文法などの領域で、全国に次第に近づいた。

(4)令和3年度のモデル校の取組について

 本年度指定を受けたモデル校3校は、学校改善プランに本検討委員会の提言を位置づけ、実態を踏まえた取組を展開してきた。指定期間が2年間であり、成果検証を令和4年の全国学力・学習状況調査と標準学力検査としていることから、本年度報告には、「学校改善プランの検証改善サイクルの確実な運用」と「学習指導の改善」について各校の特色ある取組を報告している。

①学校改善プランの検証改善サイクルの確実な運用

 ○末広小学校

   学校改善プランの進行管理を徹底するため、1か月のスパンで切り取り、各月の学力向上プ

  ランを発行し、教師の取り組み意識を高めている。職員室には「学校改善プラン」のダイジェ

  スト版を掲示し、授業づくりのポイントが常に確認できるように工夫している。

 ○千歳第二小学校

   諸調査の結果から多角的に児童の学習状況をとらえ、学校改善プランの上位目標と下位目

  標の達成状況を検証した。「読み取ったことを条件に合わせて書く活動の充実」について指導

  方法の改善を示している。

 ○青葉中学校

   学校改善プランを根本的に見直した。特に、各教科担任における授業改善や授業における

  共通の取組を「別冊」として記述し、教科としての統一感を生み出している。また、「チームで

  つかむ青葉プライド」としたネーミングから、学校としての目指すべきベクトルをそろえモ

  ラールの向上を促す働きが期待できる。
    
②学習指導の改善
 ア.授業改善の取組

 ○末広小学校

  「まとめと振り返り」の充実

 ○千歳第二小学校

  「わかる・学び合う授業」への授業改善、教室環境の整備

 ○青葉中学校

  「授業と家庭学習とのつながり」を意識した授業の実践

 イ.学習規律の徹底

 ○末広小学校

  「7つのルール」の設定、「毎週水曜日のパワーアップタイム」で「視写」の取組

 ○千歳第二小学校

  「千歳第二小スタイル」の設定、スローガン「意識・活動・指導の統一」の設定

 ○青葉中学校

  青葉中学校の校区3校の学習規律順守の意識を高める取組

 ウ.学習習慣の確立

 ○末広小学校

  家庭学習の充実に向けた家庭との連携

 ○千歳第二小学校

  富丘中学校区共通の手引きによる、家庭学習とその質的向上

 ○青葉中学校

  学習集会で生徒同士が悩みを共有しアドバイスをしあうなど、自発的取組を促す場の設定

(5)令和3年度全国学力・学習状況調査結果の概要について

 ①教科に関する調査結果

   市内「小学校の平均正答率」は、全国との比較において、国語で「ほぼ同様(下位)」、算数は

  「やや低い」となった。下位層の底上げが図られている状況が見られる。今後も、ねばり強く

  課題に取り組み、言語を使って自分の理解をさらに深める力が求められる。

   市内中学校の平均正答率は、全国との比較において、国語で「ほぼ同様(下位)」、数学は「や

  や低い」となった。これは2年前の調査結果から、それぞれ、全国に近づいた結果となってい

  る。

   小中ともに、課題の見られる領域や内容について、各校で組織的に改善策を講じる必要があ

  る。

 ②児童生徒質問紙の結果

   小学校において、「普段2時間以上勉強する」「休日、2時間以上勉強する」児童は少ない。中学

  校でも家庭での学習時間が少ない状況が続いている。

   また、小中ともに、「国語の勉強は好きだ」という児童生徒は、決して多くない。国語科の授

  業改善という課題が改めて見えてくる。 

 ③学校質問紙の結果

   「検証改善サイクルの確立」について、小中ともに、全国を上回る。「NRT」「ハイパーQU」「今

  回の調査」などの検証が定着し、「計画と実施、評価と改善」のサイクルが確立している。

   「習得や活用、探求の授業」の実施についての質問では、中学校でやや、発展的な内容への取

  組に弱さが見られる。学校においては、自校の課題と本検討委員会の学校への提言とを照ら

  し、具体的な取組を組織的・計画的に進めることが大切である。

(6)学校・家庭・教育委員会への提言の取組状況について

 ①学校への提言に対する検証

  ハイパーQUの検査結果分析が定着し、「親和的な学級100%」の実現に向けて、組織的な取組

 が見られる。

  自尊感情や自己有用感を高める取組として、コロナ禍での行事の工夫が今後も求められる。

  学校改善プランは、各校の理解が深まり、工夫が伝わる。今後はプランの実効性を高めていく

 必要がある。

  「授業評価」「全国学力調査問題」などを活用し、9年間の学びを俯瞰することが必要。

  変化の激しい時代の中で、個に応じた指導、習熟度別少人数指導の充実も、改めて求められ

 る。

  各校においては、課題のある取組について検証し、次年度の経営計画に反映させて改善を図る

 必要がある。

 ②家庭への提言に対する検証

  特に「生活リズムの定着」と「読書の習慣化」「家庭学習の習慣づくり」に課題があり、粘り強い

 働きかけが求められる。

 ③教育委員会への提言に対する検証

  「ICT環境整備と活用」、「学習支援員の配置による習熟度別少人数指導」、「NRT標準学力検査

 やハイパーQU検査等の諸検査結果の情報提供」、「千歳市PTA連合会との連携による家庭への

 支援」について、今後も学校や関係機関との連携を密に、指導・助言、働きかけを継続・強化して

 いく必要がある。

(7)成果の検証と今後の取組

  千歳市学力向上検討委員会は、児童生徒の学力向上に向け、「小中9年間の連続的な積み上

 げ」と「学校・家庭・教育委員会の連携協力」を基本に取組を進めている。

  「小中9年間の連続的な積み上げ」については、小中連携・一貫教育を一層推進し、9年間を見

 通したカリキュラムのもと、学力向上の取組が必要である。

  また、「学校・家庭・教育委員会の連携協力」については、「家庭学習時間」「読書離れ」などの課

 題も見られることから、今後も三者が連携し、望ましい生活習慣・学習習慣を身に付けることが

 できるよう努めていく必要がある。

(8)その他

  今年度秋には全ての中学校に一人1台端末が整備され、授業改善の一助となっており、また緊

 急時の学びの保障にも有効に使用できる環境が整った。

  学習支援員を活用した習熟度別少人数指導も定着、充実している。

  ハイパーQU検査の全学年実施など、学習環境の整備充実に各学校ではたいへん感謝してい

 る。

  今後もモデル校の取組が各校の学力向上に寄与するよう、学校改善プランを組織的・計画的に

 遂行し、確実に成果をあげられるよう努力する。

 

3 千歳市学力向上検討委員会報告書

 報告書は以下の4章から成っています。

  表紙・はじめに・目次.pdf (PDF 175KB)

 

 第1章 学力についての基本的な考え方と取組の経過

  1 学力についての基本的な考え方

  2 学力の定着と向上に向けた基本的な考え方

  3 学校・家庭・教育委員会への提言

  4 千歳市学力向上検討委員会の経過及び令和3年度の取組

  5 本年度の重点的な取組(平成31年度~令和2年度、令和3年度のモデル校の取組)

 

  第1章「学力についての基本的な考え方と取組の経過」.pdf (PDF 4.37MB)

 

 第2章 令和3年度全国学力・学習状況調査結果の分析・考察

  1 調査の概要

  2 教科に関する調査の結果

  3 児童生徒質問紙の結果

  4 学校質問紙の結果

 

  第2章「R3 全国学力・学習状況調査の分析・考察」.pdf (PDF 3.41MB)

 

 第3章 学校・家庭・教育委員会への提言の取組状況

  1 学校の取組状況

  2 家庭の取組状況

  3 教育委員会の取組状況

 

  第3章「学校・家庭・教育委員会への提言の取組状況」.pdf (PDF 2.68MB)

 

 第4章 成果の検証と今後の取組

 

  第4章「成果の検証と今後の取組」 「あとがき」.pdf (PDF 47.9KB)

 

 資 料

  ・千歳市学力向上検討委員会の提言に対するチェックシート

 

  資料.pdf (PDF 13.7KB)

 

 

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