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令和3年度教育行政執行方針

 

はじめに 

 

 令和3年第1回定例市議会の開会にあたりまして、令和3年度の教育行政執行方針を申し上げます。
  
 少子高齢化の進展や国際化、社会経済のグローバル化、Society5.0社会の到来など、我が国の社会情勢は大きな変革の時代を迎えており、教育行政においても、時代の潮流に的確に対応することが求められております。

 また、昨年は、様々な教育活動において、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける一年となりました。
 小中学校におきましては、4月、5月に臨時休校を実施し、再開後も、教室内の換気や消毒など感染リスクを低減するための取組を行いながら、学習活動を行ってまいりました。
 市立図書館や千歳公民館、北ガス文化ホールなどの社会教育施設においても、感染対策に努めながら、施設利用を行ってきたところでありますが、当面は、こうした対策を継続しながら、各種教育活動を進める必要があります。

 このような中、学校教育の推進にあたっては、新学習指導要領の基本方針において、「子どもたちが、これからの時代に求められる資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的に学び続けることができるようにするためには、学習の質を一層高める授業改善の取組を活性化していくことが必要」とされており、そのためには『主体的・対話的で深い学び』の実現に向けた取組が求められております。

 また、生涯学習の充実にあたっては、市民一人一人が学習活動を通して学んだ成果を生かし、市民主体の地域づくりを進めるとともに、様々な学習や文化芸術活動を通して、人づくり・地域づくりにつながる生涯学習社会の構築を進めていく必要があります。

 これらの状況を踏まえ、教育に関する施策を総合的・体系的に進めていくことを目的として、学校教育分野の計画である千歳市学校教育基本計画と生涯学習分野の計画である千歳市生涯学習基本計画を統合し、新たに『千歳市教育振興基本計画』を策定したところであり、本基本計画に基づき、今後も、教育活動のさらなる充実を図るため、各種教育施策の推進に取り組んでまいります。

 

 教育行政の基本姿勢

  

 ここで、今後の教育行政に臨む基本姿勢について申し上げます。

 『千歳市教育振興基本計画』に掲げる基本理念「未来を拓くつながりの教育によるふるさと千歳を育む人づくり」の実現であります。

 一つ目は、『未来を拓く人づくり』であり、急速に変化する社会情勢に対応し、自立してたくましく生きることができ、千歳の未来を託すことのできる人づくりを目指してまいります。

 二つ目は、『つながりの教育による人づくり』であり、学校・家庭・地域が連携し、学びでつながり、学んだ成果を生かすことができる機会を整備することにより、地域社会全体の教育力を高めるとともに、学びでつながる人づくりを目指してまいります。

 三つ目は、『ふるさと千歳を育む人づくり』であり、自分たちが住む地域の歴史や文化のよさを知り、ふるさとに対する誇りと愛着を育み、様々な人と協働し、地域の課題解決や活性化に貢献し、ふるさととともに生きる教育を目指してまいります。
 

教育重点施策

   

 次に、令和3年度の教育重点施策について申し上げます。
 
 第1に、『確かな学力の向上』であります。

 新しい時代を生きる子どもたちが、生きて働く「知識・技能」、未知の状況に対応できる「思考力・判断力・表現力」、学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性」の3つの資質・能力を身に付けるためには、見通しを持って粘り強く取り組む力や、自分の学びを振り返り、次の学びや生活に生かす力を育む授業など、学習の質を一層高める授業改善の取組を推進することが重要であります。
 各小中学校においては、学習支援員による習熟度別少人数指導や、ICTを活用した教育の推進など、引き続き、確かな学力の向上に向けた取組を進めてまいります。
 
 第2に、『教育環境の整備』であります。

 学校施設は、子どもたちの学習や生活の場であることから、安全・安心な教育環境を確保するため、校舎の屋根・外壁などの計画的な改修を進めるほか、新たに照明設備のLED化に取り組みます。
 北陽小学校については、分離新設校となる「みどり台小学校」の令和4年4月開校に向けた取組を着実に進めてまいります。

 第3に、『特別支援教育の充実』であります。

 小中学校における特別支援学級の配置については、平成28年度に策定した「千歳市の特別支援教育の推進に係る基本方針」に基づき、センター校である北進小中学校と、JR千歳線の南側地区、北側地区、向陽台地区にそれぞれ配置するブロック校方式により実施してまいりましたが、対象児童生徒数の増加などを踏まえ、必要とするすべての小中学校に特別支援学級を配置することなどを柱とする基本方針の改定を行ったところであります。
 今後も、各学校の空き教室の状況などを勘案しながら、特別支援学級の配置を計画的に進めるなど、特別支援教育の充実に努めてまいります。

 第4に、『いじめ・不登校の対策』であります。

 いじめ問題への対応は、「千歳市いじめ防止基本方針」に基づき、「いじめは人間として絶対に許されるものではなく、どの学校でも起こりうるものである」という確固たる認識のもと、いじめの未然防止、早期発見・迅速な対応に努め、引き続き、その根絶に向けて学校・家庭・地域等との連携により取り組んでまいります。
 また、不登校の児童生徒への対応については、新型コロナウイルス感染症の影響による生活環境の変化に配慮しつつ、教員とスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが情報を共有し、学校内での組織的な支援を行うなど、児童生徒の学校復帰に向けた取組を進めてまいります。

 第5に、『生涯学習の推進』であります。

 将来にわたり活力あるまちを築くため、市民が活躍する生涯学習によるまちづくりを推進するとともに、各世代の生活課題や地域課題に対応した社会教育の充実や、まちの魅力を高め、心を豊かにする文化芸術の振興と文化財の保護・継承を進めてまいります。

 

  主な施策  

 

 次に、「千歳市教育振興基本計画」の基本理念を実現するための6つの基本目標について、主な施策を申し上げます。

 第1は、『社会で生きる力を育む教育の推進』であります。

 「学年・学級経営」については、望ましい学級集団の形成が児童生徒を育成するための基盤となることから、引き続き、ハイパーQU検査の客観的な分析を活用するなど、学年・学級経営の点検・改善に努め、互いに認め合い、高め合う親和的な学級づくりを進めてまいります。
 
 「確かな学力の育成」については、学習支援員の効果的な活用による習熟度別少人数指導の一層の推進、電子黒板や学習者用コンピュータ、デジタル教科書などICTの有効活用による効果的な学習指導の実施、千歳市学力向上検討委員会による提言を踏まえた授業改善の取組の徹底と検証など、学習指導の充実を図ってまいります。

 「特別支援教育」については、支援を必要とする児童生徒が、一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導を受けることができるよう、教育相談を通じた適切な就学先の決定に努めるほか、新たに緑小学校、千歳第二小学校、日の出小学校、桜木小学校、泉沢小学校及び東千歳中学校に特別支援学級を設置し、教育環境の充実を図ります。

 「外国語教育」については、令和2年度から小学校において外国語が教科化されるなど、外国語教育の重要性はさらに増していることから、引き続き、外国人英語指導助手(ALT)の活用や担当教員の英語指導力の向上など、外国語教育の体制整備に努めます。

 「情報教育」については、児童生徒の情報活用能力を育成し、学習活動において積極的にICTを活用できるよう、学習者用コンピュータの1人1台端末整備などを進めるとともに、新たに「教育情報機器整備基金」を設置し、計画的な整備・更新を進めます。
 また、ICT機器の有効な活用方法を研究するとともに、研修を実施するなど、引き続き、教員のICT機器の活用能力の向上に努めます。

 第2は、『豊かな心と健やかな体を育む教育の推進』であります。

 
 「ふるさと教育」については、地域の状況や学校の伝統を踏まえ、自然体験・農業体験など、まちの資源を活用した特色ある教育活動を進めるほか、小学校社会科副読本「私たちの千歳」を活用するなど、ふるさとへの愛着や誇りを高め、地域を支える次世代の育成を図ってまいります。

 「読書活動」については、新たに策定した「第3次千歳市子どもの読書活動推進計画」に基づき、子どもたちの読書活動の充実を図るほか、全小中学校に配置している学校図書館司書を活用し、読書相談や調べ学習でのアドバイスなど、学校図書館の機能充実を図ります。

 「体力・運動能力」については、新体力テストの結果などを踏まえ、引き続き、効果的な体育活動を普及啓発するなど、児童生徒の健やかな体の育成に努めます。

 「食育」については、食に対する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けさせるため、栄養教諭を中心とした食に関する指導を推進し、食育の充実を図ります。

 「学校給食」については、安全・安心で、よりおいしい給食を提供するため、新しい献立の追加や味付けを工夫するなど、学校給食の改善に努めます。
 また、新学校給食センターの整備については、引き続き、事業費の精査や整備時期などについて検討を進めます。

 「健康教育」については、児童生徒が様々な感染症について正しく理解することにより、自ら予防のための行動がとれるよう、適切な指導を実施します。

 第3は、『学びを支え、つなぐ教育環境の充実』であります。

 「学校運営」については、学校教育主事等による学校指導訪問を通じて、学習規律の徹底や授業改善に向けての指導・助言を行うほか、勤務時間外の留守番電話対応や学校閉庁日・部活動休養日の設定など、引き続き、教員の働き方改革を推進し、心身の健康を維持しながら、教育の質の向上や児童生徒と向き合える時間の確保を進めるなど、子どもたちが心身ともに健やかに成長できる環境づくりに努めます。

 児童生徒や家庭が抱える教育に関する不安や悩みに対応する「学びのセーフティネットの構築」については、経済的理由で教育の機会が失われることのないよう、就学援助制度の周知を行うとともに、修学旅行費の事前支給を行うなど、引き続き、適切な支援を実施するため、支給方法などの改善に努めます。
 また、修学・進学への意欲・能力がある学生生徒を支援するため、引き続き給付型奨学金を交付するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響により、出願者数の増加が見込まれることから、交付人数を拡大します。

 「家庭教育支援」については、家庭における働きかけが適切に行われるよう、千歳市PTA連合会との連携による「家庭生活宣言」の普及啓発等を通じ、子どもたちの規則正しい生活習慣や学習習慣、社会生活ルールやマナーの習得を目指します。

 「学校と地域の連携・協働」については、学校と地域が目標やビジョンを共有し、学校運営に地域の声を生かす仕組みである学校運営協議会制度(コミュニティスクール)を令和2年度に市内全校で導入したところであり、引き続き、「地域と共にある学校」を推進します。
 また、児童生徒を犯罪や事故から守り、登下校等の安全を確保するため、「千歳っ子見守り隊」の取組を推進するとともに、児童生徒の緊急避難場所となる「子ども110番の家」の取組を継続するなど、子どもたちの安全確保に努めます。


 「学校段階等間の連携・交流」については、幼稚園等から小学校への円滑な接続を図るため、子どもごとの配慮事項の引継ぎを行うなど連携を進めるとともに、小中学校においては、義務教育9年間を見通した教育活動や円滑な接続を目指し、新たに「千歳市小中連携・一貫教育実施要領」を策定したところであり、令和3年度より市内全校で取組を進めてまいります。

 第4は、『市民が活躍する生涯学習によるまちづくりの推進』であります。

 市民活動団体や事業者など「多様な主体の連携による学び合いと交流の場」については、「千歳学出前講座」の実施のほか、講座を受講するごとにスタンプを押印し、学習歴を認証する「ちとせを学ぶスタンプらりー事業」を新たに開始するなど、市民の学び合いによる学習や交流機会の充実に努めます。

 「学びやまちづくり活動を支える人材の育成や活用」については、「みんなで、ひと・まちづくり委員会」による千歳の魅力づくりに関わるリーダー養成事業を実施するなど、まちづくりの担い手の育成に努めます。

 「地域と学校の連携による地域の教育力を高める活動」については、地域住民が体育授業など学校での教育活動を支援する「学校支援地域本部事業」の取組に、放課後や週末の子どもの体験活動を加えた「地域学校協働活動」へ移行することにより、子どもたちの身近な地域である学校区単位での活動の充実に努めます。
 
 様々な機会を通じて培った知識や経験などの「学んだ成果を地域で生かす活動」については、市民が「千歳学出前講座」の講師や「地域学校協働活動」などの社会教育事業のボランティアとして活躍する場を設け、市民の知識等を生かした教育活動の充実に努めます。

 第5は、『各世代の生活課題や地域課題に対応した社会教育の充実』であります。

 「乳幼児期からの家庭教育を支える学び」については、「ママさん教室」や「家庭教育セミナー」を開催するなど、保護者などに子育てに必要な知識を学ぶ機会や家庭教育について考える機会を提供します。

 「青少年の自立と成長を育む学び」については、公益財団法人千歳青少年教育財団との連携により、自然体験教室や宿泊学習など各種教育事業を実施し、青少年が地域で様々な体験活動ができる環境づくりに努めます。

 「青少年非行防止への取組」については、青少年の健全育成を進めるため、巡回指導を通じて児童生徒など青少年の問題行動の未然防止に努めるとともに、非行・問題行動に悩んでいる親や悩みを抱えている青少年に対する適切な助言・支援ができる相談体制の充実に努めます。
 また、青少年を取り巻くインターネット利用環境が多様化していることから、引き続き、北海道教育委員会や市内小中学校等と連携し、児童生徒のネットコミュニケーションを監視するための活動を実施するなど、インターネットに関するトラブルの未然防止や情報モラルに関する指導の取組を進めます。

 「成人期や高齢期を誰もが豊かに過ごす学び」の充実については、高齢者の学習機会として、引き続き、「千歳高星大学」や「千歳高星大学大学院」、「若返り学園」を実施し、学習を通じて得られた知識や経験を生かし、豊かな人生を送ることができる学習機会を提供します。

 「読書環境の充実」については、市立図書館の図書資料の充実に努めるとともに、おはなし会や図書館まつりなどのイベントを開催するほか、ブックスタートの取組を継続して実施します。

 第6は、『まちの魅力を高め、心を豊かにする文化芸術の振興と文化財の保護・継承』であります。 
 
 「文化芸術に親しむ環境の整備」については、北ガス文化ホールにおける音楽・演劇などの公演や、市民ギャラリーにおける絵画・写真等の作品展など、引き続き、市民ニーズを反映した魅力ある事業を実施します。
 また、北ガス文化ホールで計画的に実施している空調自動制御機器の更新やステージの吊物ワイヤーの交換を実施します。
 
 「文化財の保存と調査・研究及び継承」については、国指定史跡「キウス周堤墓群」や「ウサクマイ遺跡群」、市指定史跡「美々貝塚」をはじめとする遺跡の保護に努めるとともに、引き続き、市指定無形民俗文化財である「アイヌの伝統的芸能と工芸技術」や「泉郷獅子舞」の保存・伝承活動を支援してまいります。

 「文化財の活用」については、「体験学習会」など、身近に文化財に触れる機会の充実に努め、より多くの市民が文化財に対する関心を高めることができる環境づくりに取り組んでまいります。

 「世界文化遺産登録と資産保護の取組」については、国指定史跡「キウス周堤墓群」について、令和3年度に世界文化遺産に登録された場合の暫定的な対応として、新たに仮設のガイダンス施設を設置するとともに、キウス周堤墓群を訪れる見学者に史跡の価値を伝える「ボランティアガイド事業」を実施するなど、受け入れ体制の充実に努めます。
 また、縄文遺跡群世界遺産登録推進本部や関係自治体などと連携し、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録に向けた取組を継続して進めます。

 

むすび

   

 以上、令和3年度の教育行政執行にあたっての方針と重点施策及び主な施策について申し上げました。

 新たに策定した「千歳市教育振興基本計画」を本市の教育施策の柱とし、学校や家庭、地域、関係機関・団体などと連携を図り、様々な教育課題を的確にとらえながらスピード感を持って精力的に取り組み、市民の期待と信頼に応えられる教育行政を推進してまいります。

 市民並びに議員各位のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

 

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