令和2年第4回定例市議会以降における諸般の行政をご報告申し上げます。
(1 新型コロナウイルス感染症に関する対応について)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大から一年余りが経過したところでありますが、市民生活や地域経済への影響は、今なお続いています。
新型コロナウイルス感染症の収束の兆しが見えない中にあって、まずは感染拡大を抑えることが重要であり、発症と重症化を予防する効果が期待されるワクチンの接種が、日本でも始まりました。
市では、2月1日に「新型コロナウイルスワクチン接種担当」を保健福祉部内に設置し、接種体制の構築に向け、医療機関との調整や接種会場の確保等を進めております。
今後、国からワクチンの供給があり次第、国が示した優先順位に従い、高齢者への接種につきましては4月以降、その他の方には、ワクチンの供給状況を見ながら順次接種を開始することとしており、引き続き、市民が安心して接種を受けられるよう体制の確保とともに、ワクチン接種に関するきめ細かな周知に努めてまいります。
全国的には、新規感染者数の増加により医療提供体制がひっ迫している地域に対し、1月7日、緊急事態宣言が発令されたところであり、現在も、東京都など1都3県で継続されております。
北海道においても、3月7日までの間、感染拡大を抑え込むための集中対策期間として位置付け、緊急事態宣言の対象地域との不要不急の往来自粛を要請するなど、北海道内の医療提供体制への負荷の軽減に努めているところであります。
新型コロナウイルス感染症の市内の感染状況につきましては、北海道の公表によりますと、12月までに284人、1月は45人、2月は52人の感染が確認されており、合計では381人となっております。
1月から2月にかけては、市内の飲食店などにおいて複数の集団感染が確認されるなど、引き続き予断を許さない状況となっております。
市役所においては、12月に集団感染が発生したことから、感染者が多く確認された本庁舎1階を一時閉鎖し、消毒作業や本庁舎1階職員全員のPCR検査を実施するなど、職員間での感染拡大防止に努めました。
また、2月上旬までに、庁舎内における新型コロナウイルス感染症対策として、不特定多数の方が利用する手すり、エレベーター、窓口カウンター等の共用部分に、抗菌・抗ウイルスコーティングを実施したところであります。
市民の皆様にはご心配とご不便をおかけしましたが、市民生活に影響が生じないよう、業務継続のため、引き続き感染防止対策に努めてまいります。
市立千歳市民病院では、引き続き発熱外来を仮設診察室で行っており、1日平均の受診者数は6.7人、受診者に対する陽性率は約4.5パーセントとなっております。
12月1日から開始した陽性患者の入院受入れにつきましては、2月28日までの3か月間で、計38人を受け入れており、1日平均の在院患者数は5.2人となっております。
今後も、新型コロナウイルス感染症への対応はもとより、救急対応や高度医療、小児・周産期医療など、地域の基幹病院として必要な医療を提供してまいります。
経済対策としましては、1月25日から、新型コロナウイルス感染症の拡大により、大幅な売上げの減少等の影響を受けている市内事業者を対象とした、事業継続支援給付金の受付を開始しました。
この給付金は、令和2年11月から令和3年3月までの任意の1か月について、売上高が前年同月比で50パーセント以上減少しているなどの要件を満たす市内事業者に20万円の給付金を給付するもので、事業全般に広く使っていただくことにより、事業の継続を支援するものであります。
3月1日時点で643件の事業者に対し、給付しておりますが、引き続き事業者への周知と迅速な給付事務の実施に努めてまいります。
11月から開始したちとせスーパープレミアム付商品券発行事業につきましては、販売残が生じたため、2月15日から2月28日までの間、事前申込があった約3万4,000人の方を対象に、追加販売を行ったところであります。商品券の使用期間は4月30日までとなっており、今回の追加販売により、市内の店舗での利用が促進され、市内経済の回復に繋がることを期待しております。
また、2月12日、札幌医科大学の髙橋 聡(たかはし さとし)教授を講師にお招きし、飲食店における新型コロナウイルス感染症対策を学ぶ勉強会を開催しました。市内飲食店事業者や関係団体など、22人の参加者が、コロナ禍における安心・安全な店舗づくりについて学びました。
市としましては、引き続き、ワクチン接種をはじめ、感染拡大防止と経済対策の両輪について、緊張感をもって進めてまいります。
市民の皆さんにおかれましては、マスクの着用、手洗いの励行、3密を避けるなど、引き続き感染防止対策を徹底し、市内における感染拡大の防止に努めていただきますようお願いします。
(2 市功労者のご逝去について)
このたび、千歳市功労者、小柳 重信(おやなぎ しげのぶ) 様が2月17日に、細川 誠一(ほそかわ せいいち) 様が2月25日にご逝去されました。
小柳 重信 様、細川 誠一 様のお二方ともに千歳市消防団長として、消防組織の充実や災害の防止、火災予防の普及など、消防行政の発展に貢献されました。
ご逝去されましたお二方の長年にわたるご努力とそのご功績は誠に大きなものがあり、心からご冥福をお祈り申し上げます。
(3 新千歳空港について)
新千歳空港における令和2年乗降客数は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、国内線で867万人、国際線で63万人の、合わせて930万人で、前年比37.8パーセントとなり、過去最高を記録した令和元年の状況から一転、新千歳空港開港前の昭和61年以来、34年ぶりに1,000万人を割り込みました。
新型コロナウイルス感染症の収束の見通しは立っておりませんが、北海道や本市の発展、また、地域経済の回復に向け、一日も早く新千歳空港の活況を取り戻すよう、引き続き空港運営事業者や関係団体などと連携しながら、空港機能や航空路線の維持・拡充に取り組んでまいります。
(4 企業誘致について)
企業誘致につきましては、市内で立地操業しております株式会社トヨタユーゼックが、12月に本市と土地売買契約を締結し、臨空工業団地の用地を取得しました。
同社は、中古車オートオークション事業を行っており、出品台数の増加等に伴う事業拡張用地として活用すると伺っております。
次に、札幌市に本社があります株式会社インポート・プラスが、北海道空港株式会社が分譲する新千歳空港ロジスティクスセンターに立地しました。
同社は、自動車販売・整備事業を行っており、新車輸入車両の輸送拠点として車両保管基地を整備するものであり、操業開始時期は、本年6月頃と伺っております。
これにより、本年度の立地件数は7件となり、本市の産業振興に波及効果をもたらすとともに、今後の企業誘致に弾みがつくものと期待しております。
また、企業誘致活動につきましては、12月に東京都内で開催された国際ナノテクノロジー総合展・技術会議「nano tech(ナノテク)2021」に、公立千歳科学技術大学と、特定非営利活動法人ホトニクスワールドコンソーシアムと共に出展し、本市の立地環境や優位性をPRしたところであります。
今後も様々な機会を活用し、企業誘致活動を積極的に進めるとともに、立地企業の振興等に取り組んでまいります。
(5 2021千歳・支笏湖氷濤まつり「氷の野外美術館」について)
今年で43回目を迎えた「千歳・支笏湖氷濤まつり」は、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底するため、入場制限や入場時の検温を実施するとともに、売店、休憩所、ステージ行事やイベントなどをすべて中止しました。
また、3密を避けるため、滑り台やスケートリンクなどの体験型の造作物に替え、大型で迫力ある氷像を増やすなど、来場者が安心して氷像の美しさを楽しめる展示内容として、1月29日から2月23日までの26日間にわたり開催され、約3万8,000人の方が来場されました。
今回は、これまでのイベント的な要素はありませんでしたが、実行委員会の創意工夫により、例年とは違った新しい生活様式での「氷の野外美術館」として、支笏湖の湖水や氷像の美しさが表現されており、来場者は静かに楽しんでいました。
(6 火災等の発生状況について)
令和2年の火災発生状況につきましては、火災件数は32件で、昨年と比べ、4件増加となりました。
火災の種別としては、「建物火災」が16件で最も多く、そのほか「車両火災」が10件、「その他の火災」が6件発生しており、焼損面積は2,148平方メートル、損害額は6,228万4千円となりました。なお、「建物火災」では1名の死者と4名の負傷者が発生したところであります。
令和2年における火災の原因としましては、火気の不始末や放火の疑いなど、人為的な要因が半数以上を占めていることから、今後におきましても、火の取扱いについて注意喚起を行うとともに、防火委員や少年消防クラブなどの協力団体と連携し、火災予防の普及啓発に積極的に取り組んでまいります。
また、住宅用火災警報器をはじめとする住宅用防災機器の設置促進及び適切な維持管理に係る広報活動についても引き続き実施してまいります。
次に、令和2年の救急出動状況につきましては、出動件数が昨年と比べ、518件減少の3,242件、搬送人員は446人減り、2,614人となりました。
事故種別では、「急病」が最も多く、1,966件で全体の60.6パーセントを占めるほか、主なものとして「一般負傷」が527件、「転院搬送」が366件、「交通事故」が203件でありました。
出動件数減少の要因としましては、新型コロナウイルス感染症の影響から、外出自粛により屋外での事故が減ったことや、感染への不安等から救急車の利用を控える傾向にあったことが考えられます。
今後も新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を徹底するとともに、救命率の向上を図るため救急体制の充実と応急手当の普及促進に努めてまいります。
以上申し上げまして、行政報告といたします。