令和2年第1回定例市議会以降における諸般の行政をご報告申し上げます。
(1 新型コロナウイルス感染症への取組について)
はじめに、このたびの新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々、ご遺族の皆様に謹んでお悔やみ申し上げます。
また、発症され、療養に当たっている皆様に心からお見舞い申し上げます。
さらに、医療従事者、介護職員並びに保健所など、関係の皆様におかれては、日々の懸命な感染拡大防止対策と、自らの感染の懸念がある中、感染者の命を守っていただいておりますことに、感謝と敬愛の意を表します。
市民の皆様には、引き続きマスクの着用、こまめな手洗いや咳エチケットに加え、「3密を避ける」、「ソーシャルディスタンスを守る」など、新しい生活様式を実践し、行動変容を励行していただきますよう、お願いいたします。
また、感染された方や濃厚接触者、医療従事者に対する差別や偏見、いじめ等の人権侵害につながることのないよう、正しい情報に基づいた冷静な対応を、重ねてお願いいたします。
商工業や飲食業などの事業を営んでいる事業者の皆様には、売り上げの減少や資金繰りなど、大変な状況の中ではありますが、様々な支援策を活用いただき、事業の継続によって千歳の経済復興と にぎわいの回復にお力添えをいただきたいと考えております。
市としましては、千歳市での一日も早い収束を果たし、「日常の市民生活を取り戻す」、「通常の事業活動を取り戻す」ため、医療・介護への支援のほか、経済対策や教育支援、生活支援などについて、一層の取組を進め、最大限努力してまいりますので、引き続き、ご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
新型コロナウイルス感染症への対応に関する経過につきまして、ご説明申し上げます。
国は、4月7日、東京都などの7都府県に対し、5月6日までの期間で新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を行い、4月16日には、「緊急事態宣言」の対象地域をすべての都道府県に広げるとともに、北海道を含む13都道府県について、「特定警戒都道府県」に位置付けました。
また、5月4日、感染拡大傾向が続いたことから、すべての都道府県を対象として「緊急事態宣言」の期間を5月31日まで延長しましたが、感染状況や医療提供体制が改善されたとの判断から、5月25日に解除したところであります。
国の対応を受け、北海道は、施設の使用制限及び休業要請を行うとともに、イベントの開催や不要不急の外出について自粛を要請しました。
6月1日以降については、休業要請などの措置は解除したものの、引き続き、札幌市への不要不急の往来については慎重な対応とすることや、イベント等の開催について一部制限を設け、段階的に緩和することなどを含めた「新北海道スタイル」の実践について、提唱しており、このことは、全道民が目指す新しい生活スタイルであり、市民の皆様には、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
市内の感染状況につきましては、4月8日、市内グループホームにおいて、最初のクラスターとなる集団感染が確認されて以降、その方々が入院された医療機関をはじめ、介護事業所、高齢者複合施設での集団感染が続き、本日までの感染者は103名となりました。
現在では、4月8日に発生した集団感染は、収束傾向にあると考えておりますが、集団感染の発生は、地域医療や介護サービスの安定的な提供に多大な影響を及ぼすと考えておりますことから、強い危機感を持ち、対応しているところであります。
これまでの感染拡大防止の対応としましては、4月17日から5月31日までの期間、小中学校の臨時休校と、子育て支援センター、集会場、スポーツ施設、社会教育施設、防災施設等、キャンプ場及びパークゴルフ場などの公共施設を休館とし、児童館のランドセル来館と学童クラブについては、やむを得ない事情がある場合に限定して受入れを行っていました。
本日6月1日からは、各施設において十分な感染防止対策を講じるほか、利用の一部を制限しながら、段階的に再開いたします。
集団感染が発生した医療機関等の施設においては、国のクラスター対策班の指導を受け、徹底した感染防止対策を行い、収束に向けて取り組んでいるほか、市では、できるだけ多くの方が検査を受けられるよう、6月中のPCR検査センター開設を目指し、北海道や千歳医師会と協議を進めているところであります。
また、4月30日と5月9日に職員の感染を確認した市立千歳市民病院につきましては、5月1日から5月17日までの間、外来患者の新患受付の休止や、新たな入院患者の受入れ休止の対応とともに、接触者のPCR検査を実施しました。
その結果、対象者全員の陰性を確認したことから、5月18日からは一部入院患者の受入れや手術を再開し、5月25日からは、一部診療科における外来患者の新患受付を再開したところであり、一日も早い診療の全面再開に向け、職員一丸となって取り組んでまいります。
経済対策としましては、国や北海道の緊急経済対策に基づく各種施策を速やかに進めるとともに、市独自の事業として、大きな影響を受けている市内の中小企業及び個人事業者に対する「緊急給付金」の給付などを進めており、引き続き、市内経済や市民生活の状況を把握し、スピード感を持って取り組んでまいります。
(2 市功労者のご逝去について)
このたび、千歳市功労者、村井 茂信(むらい しげのぶ)様が3月14日に、荒川 重昭(あらかわ しげあき)様が5月22日にご逝去されました。
村井 茂信様は千歳市社会福祉協議会会長として、市民生活の安定と地域福祉の向上に貢献をされました。
荒川 重昭様は千歳市消防団長として、消防組織の充実や災害の防止など、消防行政の発展に貢献をされました。
ご逝去されましたお二方の長年にわたるご努力とそのご功績は誠に大きなものがあり、心からご冥福をお祈り申し上げます。
(3 叙勲について)
本年春の叙勲におきましては、野﨑 正男(のざき まさお)様が防衛功労により瑞宝双光章を、橋本 泰二(はしもと やすじ)様が消防功労により瑞宝単光章を受章されました。
ここに受章されました皆さまのご功績と栄誉をたたえ、深く敬意を表するとともに心からお慶び申し上げます。
(4 新千歳空港について)
新千歳空港の乗降客数は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う航空路線の減便・運休が続き、3月は、国内線が対前年比67パーセント減の58万人、国際線が対前年比95パーセント減の1万6千人となりました。
また、4月には、国内線が対前年比88パーセント減の18万人、国際線は0という状況となりました。
このような中、道内7空港の運営事業者である北海道エアポート株式会社が、6月1日から、ビル施設等事業に加えて滑走路なども含めた新千歳空港の運営を開始いたしました。
新千歳空港の国際線は、全便運休が続いている状況でありますが、今後、新型コロナウイルス感染症が収束し、世界の航空需要が回復傾向となり、ビジネスや観光などで人の動きが活性化した際には、以前の新千歳空港の活況を取り戻すため、北海道や空港運営事業者、関係団体などと連携しながら、国内外の航空路線の維持、拡充などに取り組んでまいります。
(5 災害時の協定について)
4月17日、株式会社 上田商会と「災害時における応急対策支援に関する協定」を締結しました。
この協定は、大規模災害の発生時に、市からの要請により、施設の一部を観光客等の滞在場所として提供していただくことや、敷地内のガソリンスタンドに保有する燃料を提供していただくことなどを定めたものであります。
今後も、大規模災害に備え、関係する団体や企業等との協定締結を進めてまいります。
(6 幼児教育・保育施設について)
4月1日、認可外保育所1施設が保育所型認定こども園に、認可保育所1施設が幼保連携型認定こども園に、小規模保育事業所1施設が認可保育所に移行したほか、幼稚園1施設が私学助成から施設型給付に移行しました。
これにより、保育定員は108人拡大し、市内の認定こども園は15園、認可保育所は3施設、施設型給付の幼稚園は7施設となりました。
今後も、教育・保育の提供体制の充実に努め、子育てしやすい環境づくりを進めてまいります。
(7 企業誘致について)
企業誘致につきましては、茨城県に本社があります株式会社ソーラークリーニングが、3月に本市と土地売買契約を締結し、第4工業団地に立地しました。
同社は、太陽光発電事業を行うこととしており、操業開始時期は本年10月を予定していると伺っております。
次に、市内で立地操業しております有限会社 肉の山本が、3月に本市と土地売買契約を締結し、流通業務団地の用地を取得しました。
同社は、食肉等の加工販売業を行っており、新工場建設用地として活用すると伺っております。
これにより、令和元年度の立地件数は6件となりました。
次に、市内で立地操業しております株式会社 リアルエステート・マネジメントサービスが、3月に本市と土地売買契約を締結し、4月に流通業務団地の用地を取得しました。
同社は、医療用白衣のクリーニング、メンテナンス業を行っており、今後事業の拡張用地として活用すると伺っております。
次に、市内で立地操業しております株式会社 カーポイントビックが、4月に本市と土地売買契約を締結し、流通業務団地の用地を取得しました。
同社は、レンタカー事業を行っており、業務拡大のため、営業所を移転新築するものであり、操業開始時期は、本年12月を予定していると伺っております。
これにより、令和2年度の立地件数は2件となり、本市の産業振興に波及効果をもたらすとともに、今後の企業誘致に弾みがつくものと期待しております。
(8 市内立地企業等からの医療物資等の支援について)
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、医療用のマスクやガウンなどの医療物資の調達が困難な状況が続いておりますが、これまでの間、市内立地企業や団体など、多くの方々から、医療物資にとどまらず、医療現場を応援する食料や飲料など、過分なる物資等を支援していただきました。
これらの物資等は、市民病院をはじめとした医療機関や介護施設のほか、認定こども園などの保育施設に配布いたしました。
このたびの支援は、感染リスクと向き合いながら日々職務に当たる医療や介護従事者などに対する感染拡大の予防と励みにつながるものであり、心より感謝申し上げます。
(9 友好親善都市との交流について)
3月26日、友好親善都市である長春市から、医療用マスク 10,000枚の支援があり、千歳医師会及び千歳歯科医師会を通じ、市内医療施設に配布しました。
さらに、5月1日にも、日中交流千歳市民会議の働きかけにより、長春市から、30,000枚の医療用マスクの支援をいただき、市内医療施設及び介護施設に配布しました。
千歳医師会からは、マスクが不足している状況の中、多くの支援をいだだいたことについて、感謝の言葉をいただきました。
(10 観光入込客数の状況について)
令和元年度の千歳市全体の観光入込客数は、約454万人となり、対前年度比8.7パーセントの減少となりました。
要因といたしましては、新型コロナウイルス感染症拡大により、観光施設における国内外の観光客の入込客数が大幅に減少したことなどによるものと考えております。
今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束状況を見極め、千歳観光連盟や千歳の観光を考える会、支笏湖温泉旅館組合などの関係機関、団体と連携を図りながら、観光客の受入に向けた取組を進めてまいります。
(11 「支笏湖チップ」釣りの解禁について)
支笏湖のチップ釣りにつきましては、本日6月1日に解禁となりました。
本年の動力船使用許可申請数は昨年より2.8パーセント多い434件で、8月31日までの3か月間の解禁期間中は、事故防止をはじめ、資源保護や環境保全等について、支笏湖ヒメマス釣魚対策協議会など関係機関と連携を図りながら万全を期すとともに、昨年同様の豊漁を期待しております。
(12 各会計の決算状況について)
令和元年度の決算状況につきましては、一般会計における予算の執行率は歳入で96.1パーセント、歳出で94.5パーセントとなる見込みであります。
このうち、令和2年度への繰越明許費を除くと、歳入では98.6パーセント、歳出では97.1パーセントとなり、経費の節減などにより、収支不足の補てん等として予算で見込んでおりました財政調整基金からの繰入れをせず決算を行い、実質収支は約6億9千万円の黒字となる見込みであります。
この歳計剰余金につきましては、当初予算に計上した前年度繰越金等を除き、約3億9千万円を財政調整基金に積み立て、引き続き安定的な財政基盤の確立に努めてまいります。
特別会計につきましては、6特別会計いずれも実質収支で黒字の決算見込みとなり、予算の執行率は歳入で97.8パーセント、歳出で96.6パーセントとなる見込みであります。
水道事業会計につきましては、有収水量が前年度を2.1パーセント上回ったことなどにより、総収益は、対前年度比3.9パーセント増の約22億7,500万円となっております。
総費用は、対前年度比1.2パーセント増の約20億8,200万円となったことから、単年度収支は、約1億9,300万円の純利益となり、平成28年度から続いた累積欠損金の解消を見込んでおります。
下水道事業会計につきましては、有収水量が水道事業と同様、 前年度を3.2パーセント上回りましたが、総収益では、対前年度比0.7パーセント減の約33億5,100万円となっております。
総費用は、対前年度比4.4パーセント減の約30億9,400万円となったことから、単年度収支は、約2億5,700万円の純利益を見込んでおります。
病院事業会計につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の影響などにより、入院患者数が約4,200人、外来患者数が約9,600人とそれぞれ減少したことにより、総収益は対前年度比3.1パーセント減の約60億6,400万円となっております。
総費用は、給与費が増加したものの、患者数の減少に伴う診療材料費や減価償却費の減少などにより、対前年度比1.2パーセントの約61億4,800万円となっており、単年度収支では約8,400万円の純損失を見込んでおります。
以上申し上げまして、行政報告といたします。