優良大径材生産を目指すカラマツ林
「林業技術伝承の森」とは
森林・林業へ求められているニーズが多様となる中、理想的な林業経営を行なっている「篤林家(とくりんか)」と呼ばれる方々は、50年以上続く北海道の林業普及指導や地域林業の振興に大きな役割を果たしています。これまで、「篤林家」をはじめ関係者の方々が守ってきた森林を守り発展させていくためには、「篤林家」の考え方や経営理念等を次代に継承することが必要です。
「林業技術伝承の森」は、「篤林家」の方々が育成してきた森林の中で、森林所有者及び新規就労者への林業技術等の継承や一般市民への林業の普及啓発を図るために選ばれた、地域の山づくりの模範となる森林です。
鈴木昭廣さんのカラマツ林は平成11年に「林業技術伝承の森」に選定され、地域林業の普及啓発・振興に大きな役割を担っています。
鈴木さんのカラマツ林の概要
- 所在地 : 千歳市中央410番地(31林班14小班)
- 面積 : 0.72ヘクタール
- 樹種 : カラマツ(昭和28年植栽)
- 材積 : 1ヘクタールあたり258平方メートル(1ヘクタールあたり280 本)※平成10年調査
- 胸高直径 : 34センチメートル ※平成10年調査
- 平均樹高 : 21メートル ※平成10年調査
- 枝下高 : 6.4メートル ※平成10年調査
- 特徴 : 適期に間伐を実施してきたため着葉量が多く、残存木の配置が適正です。
鈴木さんの林業経営
昭和40から50年代には、足場・坑木(こうぼく)用丸太、しいたけ用原木の販売などにより、経営の安定を図り、現在はカラマツの長伐期化による大径材生産と天然林の優良広葉樹の育成を施業目標に掲げ、都市近郊林における林間利用施設として、平成8年にパークゴルフ場を開設し経営の安定に努めています。
また、林業研修会等のフィールドや地元中学生の林業体験の場として所有山林を提供するなど、林業の普及に広く貢献し、さらに千歳市森林組合長や指導林家として地域林業の発展に寄与しています。
- 経営面積 : 344ヘクタール (人工林55%、天然林45%)
- 路網密度 : 1ヘクタールあたり97メートル
- 受賞歴
- 林業経営推奨行事林野庁長官賞(昭和50年度)
- 北海道産業貢献賞森林づくり功労者(平成22年度)
※人工林の90%はカラマツ (6から8齢級が主体)
天然林は有用広葉樹が多い (ナラ類、オオバボダイジュなど)