1 千歳川の概要
千歳川は、支笏・樽前火山群のフレ岳(標高1,046m)を源とし、支笏湖を経て千歳市街地を流下、嶮淵川、漁川、旧夕張川等の支川を合わせ石狩川に合流する幹川流路延長108km、流域面積1,244km2の石狩川の1次支川です。
2 千歳川の治水対策
千歳川の治水対策は、石狩川の本格的な治水工事(明治43年)に続いて大正9年に着手されました。
広大な低平地が広がる千歳川流域は、洪水氾濫を繰り返しており、昭和56年8月の大洪水を契機に、千歳川の治水対策として千歳川放水路計画が決定されました。
しかし、この計画に対し、賛否両論の声が上がったことから、千歳川放水路事業は中止となり、それに代わる総合治水対策として平成17年4月に「石狩川水系千歳川河川整備計画」が策定され、平成27年3月には、「河川整備の状況」や「社会情勢の変化」により、「石狩川水系千歳川河川整備計画(変更)」を策定し、現在は、その計画に基づき整備が進められています。
3 洪水を安全に流下させるための対策
【堤防の整備】
千歳川流域には軟弱な地盤等が広く分布することから、堤防の整備にあたっては、地質等の調査を行い、必要に応じて対策を行うとともに、堤防整備完成後も点検を行うこととします。高い水位が長時間続くことや、軟弱地盤が広く分布することから、堤防の高さと堤防天端の幅は石狩川合流点における石狩川本川と同様とし、のり面の勾配は4割とします。
また、堤防の整備に伴い、樋門等の構造物およびその周辺については必要に応じて改築や補強を行います。さらに、堤防防護に必要な高水敷幅を確保できない区間や堤防の安全性が損なわれるおそれのある区間では、護岸等の河岸保護工を実施します。
○堤防整備の断面図(イメージ)
【河道の掘削】
河道断面が不足している区間では、洪水時における水位を低下させるため掘削を行います。
掘削にあたっては魚類等の生息の場となっている水際、瀬と淵、河畔林等の保全に努めます。
また、土砂の流出に配慮し、必要に応じて植生の復元や、河岸保護工などの対策を行い、サケ、マスなどの魚類や水生生物の生息・生育環境の保全に努めます。
○河道の掘削(イメージ)
【遊水地群の整備】
石狩川の背水の影響を大きく受ける千歳川において、昭和56年8月上旬降雨により発生する洪水のピーク水位を計画高水位以下となるよう、流域の4市2町の地先において、洪水調整容量が概ね5千万m3の遊水地群を千歳川本支川に分散して整備を進めてきました。
この度、根志越遊水地を含む6箇所全ての遊水地が令和2年4月から供用開始となりました。
根志越遊水地の供用開始について(https://www.city.chitose.lg.jp/docs/10334.html)
4 千歳川への不法投棄に対する対策
千歳川河川事務所では、「ゴミMAP」を作成し、川への不法投棄に対する対策を啓発しています。
千歳川河川管内の不法投棄は、年間200件近くもあり、パトロール等を行っても減少の目途がたたない状態です。
不法投棄は景観を損なうだけでなく、土壌や地下水の汚染、悪臭などの原因となり、近隣に住む人の健康や生活に悪影響を及ぼします。
ゴミは正しく処分し、川をきれいに保ちましょう。
◎千歳川河川事務所(https://www.hkd.mlit.go.jp/sp/titose_kasen/kluhh40000006m6p.html)