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平成29年度教育行政執行方針

 

はじめに

  平成29年第1回定例市議会の開会にあたりまして、平成29年度の教育行政執行方針を申し上げます。

  急速に進む少子高齢化や高度情報化など、社会構造が大きく変化している中、人々の価値観やライフスタイルも多様化し、教育に対する課題も複雑多岐にわたっております。

  このような中、国は、小中学校の次期学習指導要領改訂案において、どのように知・徳・体にわたる「生きる力」を育むのかを重要視し、「何ができるようになるか」、「何を学ぶか」、「どのように学ぶか」の3つの柱を掲げ、社会に開かれた教育課程の実現や小学校の外国語教育の教科化、主体的・対話的で深い学びの視点からの学習過程の改善など、子どもたちがこれからの時代に求められる資質・能力を確実に備えることのできる学校教育の実現を目指しております。

  こうした国の動向などを踏まえ、千歳の未来を担う子どもたちが個性や能力を発揮しながら、たくましく成長することができるよう、これまで以上に一人ひとりが持つ力を最大に引き出す教育を進めるとともに、『教育は未来への先行投資』として、学力・体力の向上や教育環境の整備など、重点的に教育施策を推進していくことが極めて重要であります。

  また、市民一人ひとりが学んだ成果を生かし、お互いに成長していくことで、ひとやまちの魅力を高め、住みよい暮らしや市民主体の地域づくりにつなげるため、生涯にわたって学習や課題に取り組むことができる環境づくりを推進する必要があります。

  このことから、「千歳市総合教育会議」における議論や意見交換を通じて、市長と教育委員会が相互の連携を図りつつ、ふるさと千歳で子どもたちが生き生きと学び育つことができるよう、また、すべての世代が生涯にわたり自ら学び、学んだ成果を地域で生かせるよう、「千歳市教育大綱」の基本目標の実現を目指し、本市の教育、学術及び文化の振興について総合的かつ計画的に推進してまいります。

 

 教育行政の基本姿勢

  ここで、今後の教育行政に臨む基本姿勢について申し上げます。

   一つ目は、『未来への飛翔・すべては子どもたちのために』であります。  

  千歳の未来を担う子どもたちが夢や希望を持ち、健やかに成長していくことが、私たちの最大の願いであり、その成長がまちづくりの原動力となります。

  このため、「千歳市学校教育基本計画」に基づき、子どもたちが共に生き生きと学び、育つことができるよう、本市ならではの特色を活かした学校教育の充実を図るとともに、「知・徳・体」のバランスのとれた「生きる力」を伸ばすための教育を推進し、知的な探究心を養い、積極的に行動する力を育てます。

  二つ目は、『学びの意欲と豊かな心を育む文化のまち』であります。

  市民一人ひとりが生きがいと潤いのある人生を過ごすため、自由で主体的な学習活動により自らを高め、心を豊かにしていくことが必要であります。

  このため、「千歳市生涯学習基本計画」に基づき、次世代を担う心豊かな青少年を育成するとともに、学習や文化芸術活動を通じて、「人づくり・地域づくり・まちづくり」につなげるため、生涯学習施策を着実に推進してまいります。

 

 教育重点施策

  次に、平成29年度の教育重点施策について申し上げます。

  第1に、『確かな学力の向上』であります。

  変化の激しい社会において、子どもたちが自立して生きていくためには、確かな学力の定着と知識や技能に加え、自ら学び主体的に判断・行動し、問題解決する資質や能力を身につけることが大切であります。

  各学校においては、全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、「学校改善プラン」を策定し、「授業内容の理解定着」などに取り組んでいるところでありますが、引き続きICT機器や学習支援員の効果的な活用により、さらなる指導方法の改善・充実を図るなど、全小中学校あげて学力向上に取り組んでまいります。

  第2に、『教育環境の整備』であります。

  学校施設は、子どもたちの学習・生活の場であり、充実した教育活動が展開できるよう、機能性の向上を図るとともに、安全・安心な教育環境を確保するため、計画的に学校施設の改修や放送設備の更新、屋内運動場の非構造部材の耐震化などを進めます。

  また、引き続き小中学校の少人数指導教室や特別教室に電子黒板や実物投影機等を配置するなど、ICT教育環境の整備を進めます。

  第3に、『外国語教育の充実』であります。

  情報技術の発達やグローバル化が急速に進展する中、外国語によるコミュニケーション能力を習得し、国際社会の様々な分野で活躍できる人材を育成することが急務であります。

  本市においては、国における小学校英語教育の拡充強化の動きを踏まえ、小学校全学年を対象に外国語活動を実施するとともに、次期学習指導要領改訂に向けて、教員の指導力向上のための研修を実施するなど、外国語活動の充実に向けた取組を進めてまいります。

  第4に、『いじめ・不登校の対策』であります。

  いじめ問題への対応は、「千歳市いじめ防止基本方針」に基づき、「いじめは人間として絶対に許されない」という確固たる認識と毅然とした態度で取り組むとともに、「いじめはどの子どもにも、どの学校にも起こりうるもの」という共通認識のもと、学校・家庭・地域・関係機関が連携し、いじめ根絶に向けた取組を進めます。

  また、不登校問題については、関係機関等が連携し、個々の児童生徒の実態に応じた支援活動を実施するとともに、学校における教育相談体制の充実や不登校児童生徒の学校復帰に向けた取組を推進します。

  第5に、『生涯学習の推進』であります。

  子どもから大人まで、市民が生涯にわたり、積極的に学び、その成果を生かせる生涯学習社会を構築するため、市民ニーズに応じた学習機会の充実をはじめ、文化の振興、文化財の保護と活用、次代を担う青少年の健全育成などに取り組みます。

  また、地域の活性化を促進するため、千歳公民館やミナクールなどの社会教育施設を生かした人材の育成など、まちづくり・人づくりにつながる市民活動を支援します。

 

  主な施策  <学校教育の推進>  

  次に、「千歳市学校教育基本計画」の基本理念を実現するための3つの基本目標について、主な施策を申し上げます。

  第1は、『ふるさと千歳への感謝と希望を育てる』であります。

  千歳市の特色を生かした教育活動については、副読本「私たちの千歳」などを活用し、千歳の歴史や文化などを学ぶとともに、千歳の豊かな自然に親しむ活動などを通じて、子どもたちが将来への夢や希望を持ち、自分の良さや存在を実感し明るく生活する自己有用感を育てます。

  学年・学級経営については、子どもたちの学校生活における意欲や満足度の調査を行う「ハイパーQU検査」を年2回実施し、検査結果をいじめ・不登校の未然防止や学力の向上などに効果的に活用してまいります。

  教育相談の体制については、スクールカウンセラーや心の教室相談員、スクールソーシャルワーカーを活用し、児童生徒や保護者、教員の悩み・不安のほか、不登校やいじめ、暴力行為、児童虐待など生徒指導上の課題にきめ細かな対応を行います。

  いじめ・不登校問題の取組のうち、いじめ問題については、年4回実施する「いじめアンケート調査」や全小中学校に設置している「いじめ相談ボックス」を活用するとともに、学校・警察・PTAなどの関係機関で構成する「いじめ問題等対策連絡協議会」と連携し、いじめの未然防止、早期発見、早期対応に取り組みます。

  また、全小中学校において「人権教室」を開催するほか、いじめ問題についての共通理解を図り、未然防止に向けた全市的な取組を進めるため、「なかよしさわやかDAYいじめシンポジウム」を開催し、命の大切さと人を思いやる心の教育を推進します。

  ネット上のいじめやネットトラブルについては、早期発見、早期対応のため、北海道教育委員会と各学校によるネットパトロールを実施するほか、ネットトラブルの現状や問題点について、児童生徒や保護者を対象とした研修会を実施するなど、児童生徒がネットトラブルを未然に回避し、インターネットを適切に活用する能力を習得するための「情報モラル教育」に取り組みます。

  不登校対策については、教職員とスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが情報を共有し、学校・家庭・地域との連携を図るとともに、子どもの実態をきめ細かく把握しながら児童生徒を支援し、不登校の未然防止や早期解消に努めるほか、学校適応指導教室「おあしす」での体験活動や集団活動を通じて、集団生活における適応能力の向上を図るなど、不登校児童生徒の一日も早い学校復帰に取り組みます。

  学校施設については、安全・安心な教育環境を確保するため、屋内運動場の天井材や照明器具の落下防止対策など、非構造部材の耐震化を実施するとともに、放送設備の更新や老朽化が進む校舎の外壁や屋根、児童生徒用トイレなどの改修を計画的に実施します。

  防災・安全教育については、子どもたちを自然災害や交通事故、犯罪被害などから守り、自ら危険を回避する力を育てるため、災害種別ごとの避難訓練や学校が避難所になった場合を想定した訓練、災害発生時における保護者への引渡し訓練など、小中学校における防災教育を推進します。

  就学支援の充実については、経済的理由により就学が困難な児童生徒の保護者に対して、学用品費や給食費、PTA会費など、必要な援助を行い保護者の経済的負担の軽減を図ります。

  また、本市独自の給付型奨学金については、高校生及び大学生の交付人数をそれぞれ拡大し、学習する意欲と能力があるにもかかわらず、経済的に修学が困難な学生・生徒が等しく教育を受ける機会の確保を図ります。

  家庭の教育力の向上については、本市の子どもたちの家庭学習の時間が少ないことや、メールやインターネットを使用する時間が長いなどの状況に変化が見られないことから、新たに学力の現状や課題、学力の必要性、家庭学習の重要性などをわかりやすく解説した「学力向上パンフレット」を作成し、全小中学校の児童生徒や保護者に配布するとともに、千歳市PTA連合会が「千歳市家庭生活宣言」の普及・実践のために設置した「家庭生活宣言推進委員会」と連携し、各単位PTAへの普及啓発を行うなど、規則正しい生活習慣や学習習慣の定着に取り組みます。

  地域の教育力の向上については、学校の教育目標や方針、学校が持つ課題などを家庭や地域に発信するほか、学校行事などでの交流を通じて、相互の理解と連携を深める取組を推進します。

  また、地域や保護者が学校運営に参画し、学校・家庭・地域が一体となって子どもの豊かな育ちと学びを支える「コミュニティ・スクール」の導入に向け、新たに調査研究校を指定し、具体的な検討を進めます。

  子どもたちの安全・安心については、児童生徒を犯罪や事故から守り、登下校等の安全を確保するため、「千歳っ子見守り隊」による見守り活動や、青少年指導センターの指導員による巡回パトロール、不審者情報マップの配布のほか、新たに市提案型協働事業として、民家や事業所などに設置している緊急避難所「子ども110番の家」の拡充を図るとともに、校区ごとに緊急避難所を掲載した「安全マップ」を作成し、全児童に配布します。

   

  第2は、『国際都市千歳にふさわしいグローバルな感覚を育てる』であります。

  開かれた学校づくりについては、学校だよりやホームページ、教育委員会だより「からふる」を通じて、各学校の様子や行事などを積極的に発信するとともに、保護者や地域の意見を生かした学校運営を推進するため、学校評議員制度の活用など、学校・家庭・地域の連携協力を進めます。

  教員の資質・能力については、学校指導訪問や授業におけるICT機器の発展的な活用、学力向上検討委員会の運営、小中連携の推進など、学校と連携した取組を促進するため、「学校指導室」に配置している「学校教育主事」を増員し、学校指導体制の充実を図るとともに、教員の授業改善、指導力向上のため、校内研修や市主催の各種研修会を開催します。

  学校間の連携については、小中学校の円滑な接続による中1ギャップの解消や学力向上を図るため、義務教育の9年間を見通した系統的な教育活動としての「小中連携・一貫教育」の導入に向けた具体的な検討を進めます。

  また、小学校における幼稚園、保育所等との相互交流を引き続き実施するなど、幼保小連携の促進に努めます。

  ICT教育については、子どもたちの学習に対する意欲や関心を高め、より効果的な授業が展開できるよう、引き続き小中学校の少人数指導教室や音楽室をはじめとする特別教室に電子黒板などを整備します。

  また、教員のICT機器活用能力の向上を図るため、各学校の研修計画に基づいた校内研修のほか、千歳市教育振興会と連携し、長期休業期間を利用した研修を実施するなど、学校へのサポート体制の充実を図ります。

   環境教育については、千歳川や支笏湖、青葉公園などの身近な自然環境を学ぶとともに、温暖化などの地球規模の環境問題への関心や理解を深めるため、学校における節電やごみの分別、リサイクル活動など、自然や資源を守る教育を推進します。

  外国語教育については、早期から英語に慣れ親しませ、積極的に英語によるコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度を育成するため、外国語活動を小学校全学年で実施するとともに、新たに市内教員で構成する「千歳市外国語教育推進協議会」を設置し、次期学習指導要領改訂による小学5、6年生の教科化に向けた取組を進めます。

  また、文部科学省外国語教科調査官を講師に迎え、小学校教員及び中学校英語担当教員を対象とした外国語活動研修を実施します。

  さらに、小学校の外国語活動の成果を検証し、円滑に中学校の英語科につなげるため、小学校の外国語活動に対応した「英検ジュニア学校版」を6年生で実施するほか、中学校では、長期休業期間中の「外国語サポート事業」を実施します。

  国際理解教育については、国際社会において主体的に行動できる資質・能力を養うため、総合的な学習の時間などにおいて、外国の文化に触れあう機会を提供します。

  また、千歳小学校が単独で実施してきたアンカレジ市サンドレイク小学校との相互交流については、市内全ての小学生を対象とした事業に拡大するとともに、ミアーズ中学校との相互交流の実施など、積極的にコミュニケーションを図る取組を支援し、国際理解教育の充実を図ります。

  

  第3は、『知的な探究心を持ち積極的に行動する力を育てる』であります。

  確かな学力については、小学校に配置している「学習支援員」を増員するとともに、新たに中学校に配置し、習熟度別少人数指導の一層の取組を進めます。

  また、「学力向上検討委員会」の提案による「授業改善案」や「ICT機器活用事例」、「ハイパーQU検査活用事例」などを各校に普及させるとともに、学生ボランティアを活用した「学習サポート事業」の実施や「e‐ラーニングシステム」のコンテンツの充実を図ります。

  さらに、子どもたちの教育環境の向上を図るため、多様な学習や体験活動の機会拡充として、年4回の「土曜授業」を全小中学校で実施します。

  道徳教育については、平成30年度に完全実施される「特別の教科道徳」への円滑な移行を図るため、これまで取り組んできた各種研修会や道徳教育推進校の成果を各校に普及するなど、教員の指導力向上に取り組みます。

  読書活動については、子どもたちの読書活動の充実を図るため、「ちとせっ子読書プラン」を推進するほか、全小中学校に配置している学校司書の配置日数や配置時間を拡大するなど、学校図書館の充実を図ります。

  体験的な活動については、児童生徒の社会性や豊かな人間性を育成するため、「千歳アクティブスクール事業」等において、地域の自然や人材などを活用した体験活動を行うとともに、職場体験や就業体験などのキャリア教育、児童会・生徒会等によるボランティア活動を実施します。

  また、子どもたちのプレゼンテーション能力の向上と小中学校の学習内容の交流を深めるため、千歳科学技術大学を会場に「サイエンス会議」を開催します。

  体力・運動能力については、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果において、児童生徒の体力の向上が見られているところであり、今後も一層の体力向上を図るため、「新体力テストの実施方法などの改善に向けた実践指定校」の取組を継続するとともに、遊びの要素を取り入れ、楽しみながら運動能力の基礎を養う「コーディネーション運動」や各学校が体力の向上や運動習慣の定着に向けて創意工夫した「1校1実践」の取組を推進します。

  学校給食については、安全・安心でよりおいしい給食を提供するため、給食の献立や食材、味付けの工夫など学校給食の改善に努めます。

  また、食物アレルギー対応については、学校における対応マニュアルの取組を徹底するとともに、転入教職員を対象とした「食物アレルギー講習」を実施します。

  新学校給食センターの整備については、平成28年度に実施した基本調査の結果をもとに、教員・保護者等で構成する「千歳市学校給食センター整備検討委員会」や、市の関係部署で構成する「千歳市新学校給食センター庁内整備検討会議」の議論を踏まえ、整備に関する基本構想を策定します。

  健康教育については、子どもたちに栄養や食品に関する正しい知識が身につくよう、栄養教諭による食育指導を進めるとともに、外部講師による薬物乱用防止教室を開催します。

  また、子どもたちの虫歯予防を図るため、千歳市歯科医師会、千歳市薬剤師会などの協力を得ながら、全小学校で「フッ化物洗口」を実施します。

  特別支援教育については、一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な支援を行うため、福祉・保健等の関係機関との連携による就学前から卒業後までの一貫した教育的支援を推進します。

  また、通常学級において学習や生活面の支援を行う「特別支援教育支援員」や特別支援学級での児童生徒の生活全般を支援する「児童生徒ヘルパー」、学校において医療的ケアを行う「学校看護師」を配置するなど、より細かな支援を行います。

  さらに、特別支援教育学校指導担当主査による学校に対する相談支援や指導助言、研修会を行うなど、特別支援教育のさらなる充実を図ります。

   

  主な施策  <社会教育の推進>  

  次に「千歳市生涯学習基本計画」の基本目標を実現するための6つの推進方向について、主な施策を申し上げます。

  第1は、『いつでも、どこでも、だれもが学びあえる仕組みづくりの推進』であります。

  市民の自主的な学習活動や関係機関と連携した交流活動の支援については、市民協働のまちづくりを目指すとともに、生涯学習活動を促進するため、「千歳学出前講座」や「生涯学習フォーラム」を開催します。

  生涯学習活動の普及啓発については、様々な分野の市民活動団体が主体的に集い、その活動を広く市民に紹介する場として、「ふるさとポケット」を開催します。

   まちづくり活動を行うセンター機能については、市民活動交流センター「ミナクール」において、市民活動に関する情報提供や相談体制を充実するとともに、市民活動の活性化につながるイベントを開催するなど、市民の自主的な活動と交流を支援します。

  まちづくりを行う人材や団体の育成については、市民活動経験者や、高校生、大学生など様々な世代で構成する「ひと・まちづくり委員会」によるリーダー養成事業を実施するなど、「まちづくり」の担い手となる人材育成に努めます。

  地域の力による子どもたちの活動支援については、「学校支援地域本部事業」の支援対象校を拡大し、学校支援ボランティアの協力を得ながら、水泳やスケート授業などの学校活動を支援します。

  また、児童が放課後を安全に過ごし、地域の人たちとの交流を通じて多様な体験や活動を行う「放課後子ども教室」を児童館未設置校区である緑小学校で実施します。

 

  第2は、『社会の変化や今日的課題などに対応した、様々な学習機会の充実』であります。

  市民ニーズに応じた学習機会については、身近な地域から国際社会まで、今日的な課題に対応した「市民教養セミナー」を実施するほか、身近な外国語である英語を学びながら国際理解や国際感覚を身につけることを目的に、「英会話教室」や「英語暗唱コンテスト」を実施します。

  高齢者の学習機会については、高齢者が健康で生きがいのある充実した人生を送り、地域社会で活躍できるよう「千歳高星大学」や「千歳高星大学大学院」での講義、実習、体験発表、自立的な活動などの学習機会を提供するとともに、高齢者の社会参加を促進し、仲間づくりや趣味、教養を高める「若返り学園」の充実に努めます。

  家庭教育に関する学習機会については、子育てに必要な知識を学ぶことを目的に、「ママさん教室」、「男性の子育て講座」、「家庭教育セミナー」を開催します。

 

  第3は、『市民ニーズに対応し、安全で快適に利用ができる社会教育施設の充実』であります。

  社会教育施設の機能の充実と計画的な改修・更新については、北ガス文化ホールでは中ホールの舞台床の一部改修や計画的に実施している大ホールステージの吊物ワイヤーの交換、千歳公民館では来館者の利便性の向上を図るため、老朽化した大集会室のテーブルと椅子の更新、市立図書館では安全性や快適性に配慮した施設機能の充実を図るため、非常用放送設備の更新や児童閲覧室のブラインドの交換などを実施します。

  

  第4は、『多様な文化鑑賞機会の充実と文化活動の支援』であります。

  文化鑑賞機会の充実については、優れた芸術の鑑賞や文化活動の発表など、市民が身近に芸術文化に親しむ機会を提供するため、北ガス文化ホールにおける音楽・演劇などの公演や、市民ギャラリーにおける絵画・書道・写真等の作品展など、各世代の多様な市民ニーズに対応した魅力ある事業を実施します。

  読書環境の充実については、市立図書館の図書資料の充実を図るとともに、高齢者入所施設への選書や貸出を行う「高齢者支援サービス」や乳幼児を持つ母親が気軽に来館できる「赤ちゃんタイム」を実施します。

  文化関係団体等の活動については、「文化芸術団体等連絡交流会」を開催し、団体間のネットワークづくりや共同展示会の開催支援を行うとともに、市のホームページで各団体の活動状況を紹介するほか、展示会等の催しを「生涯学習情報メールマガジン」や「学(まな)ブログ」で配信します。

  また、市民の文化活動の促進を図るため、活動成果を発表する場の提供や、文化の向上と振興に貢献された方に対する表彰など、文化活動の支援に努めます。

 

  第5は、『文化財の保護と継承』であります。

  文化財の保護・保存と活用については、国指定史跡「キウス周堤墓群」や「ウサクマイ遺跡群」、市指定史跡「美々貝塚」などの郷土の歴史を伝える貴重な遺跡や伝統的郷土芸能「泉郷獅子舞」、千歳固有のアイヌ文化を伝える「アイヌの伝統的芸能と工芸技術」の保護と継承に努めます。

  国指定史跡「キウス周堤墓群」については、引き続き史跡周辺地区の測量調査及び試掘調査を実施し、平成27年から平成29年までの調査結果をまとめた総括報告書を作成するとともに、世界文化遺産登録については、縄文遺跡群世界遺産登録推進本部と連携し、世界文化遺産登録に向けた取組を進めます。

  埋蔵文化財の普及啓発については、市民ボランティアや市民活動団体と協働しながら、「キウス周堤墓群」など市内の遺跡や先史文化をテーマとする企画展や講演会をはじめ、遺跡見学や発掘体験、まが玉・石器・土器づくり、縄文クッキーづくり、火おこし体験のほか、新たに土面づくりを実施します。

  郷土資料等の収集・調査と公開については、埋蔵文化財センターが保存している郷土の自然史資料、歴史・民俗資料、開拓資料などの収蔵展示に向けた準備を進めます。

  

  第6は、『思いやりの心とチャレンジ精神を育む青少年の健全育成活動の推進』であります。

  青少年の健全育成活動については、地域における児童の健全育成対策や子ども会活動を推進するため、公益財団法人千歳青少年教育財団や千歳市子ども会育成連合会と連携し、青少年が地域の中で健やかに育つ環境づくりを進めます。

  また、英語に対する興味や関心を高めることを目的とした日帰りの「イングリッシュキャンプ」を実施するほか、自然体験や地域文化の理解、科学探究活動の充実を図るため、「チャレンジ教室」を開催します。

  

むすび

  以上、平成29年度の教育行政執行にあたっての方針と重点施策及び主な施策について申し上げました。

  今後も、子どもたちの未来を育む学校教育と、豊かな心と文化を育む社会教育のさらなる充実のため、学校や保護者をはじめ、関係機関・団体などと連携を図りながら、各種教育施策に取り組み、市民の期待と信頼に応えられる教育行政を精力的に推進してまいります。

  市民並びに議員各位のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

 

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